(京大の一般講座)
この本は、一般公開講座をまとめたものです。
一般人から見れば、めちゃめちゃ変わってはる京大の先生が、
何を考えているのか一般の人に話をしました。
京大の先生と言えば、
ノーベル賞受賞者を多数輩出する名門。
常識人は常識的な発想しかできません。
偉大な発見、発想は、変人から生まれるのです。
2016年には、「バカ田大学講義録なのだ!」文芸春秋社1620円
という本をブログでご紹介しました。
バカ田大学とは、
赤塚不二夫原作の漫画「天才バカボン」に出てくる大学ですが、
実際に東京大学で連続講座が開かれ、それをまとめた本でした。
京都大学も、東大に負けてなるものかと、
この「京大変人講座」を出したのかもしれません。
本の一部をご紹介しますので、
詳しくはぜひ本書でご確認ください。
(はじめに)
冒頭に本のナビゲーターの越前屋俵太さんと、
京大総長の山極寿一さんの対談があります。
京大は東大とよく比較されます。
東大は、西洋式の行政を行うための
「官僚」を養成するために設立されました。
それに対して京大は、
文部大臣だった西園寺公望がフランス留学から帰り、
東大とは別タイプの
自由な校風の学校を作ろうとしたのが始まり。
京大はスタート時点から、
国内ではなく、世界に目を向けてきた伝統がある。
変人でないと、これまでと違う発想はできない。
変人になる方法は2つある。
一つは、誰も経験していないことを経験して、
未知の世界を体ごと知った上で、
常識の世界を見渡す方法。
もう一つの方法は、
普段の世界にいながらすべてを疑うこと。
「いかにいい問いを考えるか」が勝負。
東大の「討論(ディベート)」に対して、
京大には「対話(ダイアローグ)」の伝統がある。
お互い提案しながら次第に形を変えて、新しい場所に行きつく。
研究者は訓練して変人になる。
つまらないと言われても、自分の立てた問いに
固執しながらとにかく深く切り込んでみる。
自分だけで抱え込んでいてはいけません。
他人と対話してみて「おもろい」といってもらったら、
さらに未踏峰に跳躍してみる。対話しながら孤独になる。
「違う道を一緒に歩きましょう」ということ。
(講座の紹介)
1 毒ガスに満ちた「奇妙な惑星」へようこそ
人間・環境学研究科 教授 小木曽哲
2 なぜ鮨屋のおやじは怒っているのか
経営管理大学院 准教授 山内裕
3 人間は“おおざっぱ”がちょうどいい
人間・環境学研究科 教授 那須耕介
4 なぜ、遠足のおやつは“300円以内”なのか
情報学研究科 特定教授 川上浩司
5 ズルい生き物、ヘンな生き物
人間・環境学研究科 助教 上川龍馬
6 「ぼちぼち」という最強の生存戦略
人間・環境学研究科 教授 酒井敏