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クリスマスケーキの思い出




 ぼくらが子どものころ、まだ高度経済成長の余韻があったころの話です。職人だった父親は、12月のこの頃になると、職能団体の宴会があり、ぐでんぐでんに酔っぱらって帰ってきた。

 今思えばただの「忘年会」だったんだと思うが、お土産に「クリスマスケーキ」を」ぶらさげて来たもんだから、当時は「父ちゃんだけ クリスマスして!!」と兄も僕も、拗ねていたような気がする。だって家の中ではクリスマスっぽいことは 何もなかったから

 当時のクリスマスケーキは、やたら甘く、甘いものが好きなはずの子どもにとっても、そんなにありがたいものでもなかった。

 なので、クリスマスが過ぎても、ケーキは半分くらい残っていたように思う。もちろんそれを始末するのは母親で、「もったいない。もったいない」と言ってペロリとたいらげ、ますます「京塚昌子」のような体系になっていったのでした。 半世紀前の話です。







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