新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

チゴモズ その後

2015-07-26 16:27:41 | モズ科
 チゴモズ 学名・Lanius tigrinus 英名・Thick-billed Shrike

 6月6日,「チゴモズ 彼女がやってきました」という題名で投稿しました.その時は,「チゴモズ ヒナが巣立ちました」と喜びの報告ができるものと信じていました.
 
 投稿の前日,6月5日,チゴモズの棲む林から約500メートルほど離れた林で1羽のチゴモズを確認していました.チゴモズは,「ギチギチギチ」「ゲッ,ゲッ」と盛んに鳴きながら飛び回っていました.その林は,2009年に繁殖期を通してチゴモズのペアが観察された場所で,「もしかしたら2番いが繁殖」という淡い期待を抱いたのでした.

 同日,チゴモズの林では,雌は確認できませんでしたが,雄の姿を見ることができました.雄は,時に松の梢にとまり「ギチギチギチ」と鳴いていました.雌が出てこなかったのは,抱卵に入ったからと一人合点し,喜んだものでした.しかし,それは大きな間違いでした.まさに,ぬか喜びだったのです.この日以降,チゴモズの姿を見ることができなくなったのです.付近,数キロを探し回ったのですが,再び姿も声も見つけ出すことができませんでした.

 今思うと,6月5日のチゴモズ・雄の鳴き声は,去っていった雌を探し求める必死の呼びかけだったのでしょう.

チゴモズ 雄.
撮影日時 2015.06.05 撮影場所 新潟県新潟市


チゴモズ 雄.梢で鳴いていました.これが最後の姿になりました.
撮影日時 2015.06.05 撮影場所 新潟県新潟市


 2015年のチゴモズの季節は終わったと思いました.しかし,この後,奇跡のドラマが幕を開けるのです.姿を消したチゴモズの林から1キロメートルほど離れた林で,別のチゴモズのカップルがひっそりと愛を育んでいたのです.それも,劇的な出会いだったのです.