暫くして、オヤジとコ~ちゃんが、タクシーで帰ってきました。
『マ~ちゃん、養老の滝へ行って自転車を取って来てくれ』
『はい、分かりました』と答え、マサは出かけました。
コ~ちゃんは、視線を落とし、
ミジメですまなそうな顔を、更にくしゃくしゃにし、皆に謝りました。
『申し訳ありませんでした、今日で辞めさせて下さい』と涙を落としました。
コ~ちゃんは175㎝・70㎏位で大柄、オヤジは150㎝・80㎏の体つき。
酒に酔っていたコ~ちゃんだから乱暴が出来たオヤジ。
酔いが醒めてきたコ~ちゃんが、
先程の乱暴を思い出したらと、頭をよぎるオヤジの顔。
何と無く、体と言葉が浮ついてる、オヤジ。
辞めると云う言葉を聴き、
『そうか』と云うが、更に浮つきだします。
『何も辞めなくても良いよ、気を引き締めてやり直しな』と、シマちゃん。
『辞めると云っているんだから、仕方ないよ』と、素っ気ないオヤジ。
『痔が痛くて酒を飲みました、、、』とコ~ちゃん。
『痔が痛くて酒を飲めば、痔はさらに痛くなるよ』とシマちゃん。
人の好さそうな顔をしているコ~ちゃんが、好きなシマちゃん。
自分の部下なのに、慰めも無いのがタカちゃん。
シラ~とした目で、見て見ぬふりでした。
後でマサが、
『オヤジがビクビクしていたのが、分かった?』と言ってきました。
『うん、分かった』と答え、
マサと同じでコ~ちゃんの仕返しを想像していました。