大天丸は人の出入りが激しかったと以前書きました。
二人の板前以外では僕が1番古株に成った訳です。
『我慢するんだよ』、『頑張るんだよ』と何人もの方達から声を掛けて頂きました。
その中で今も覚えている言葉がございます。
『辛抱する木に金が成る』と出前先のお得意さんに声を掛けられ、
気に掛けて貰えている事が嬉しく思いました。
年明けに寿司職人のシマちゃんが、
突然『この店、辞める』と言い出し、カズと二人で衝撃を受けました。
当然カズと僕は止めに入りましたし、タカちゃんも止めに入りました。
コウちゃんとヒロちゃんは静観でした、理由は分かりません。
親父にも二人で『シマちゃんを辞めさせないで欲しい』と頼みました。
親父は『話してみる』と言いましたが、本当に話したのかは分かりません。
辞める理由をシマちゃんは話しませんでしたので、
『何で辞めたのか?』は今も分かりませんが、
おそらく給料の事だったのだろうと思います。
親父も強く引き止める事は無かったと思いますし、
「何とか成る」という思いが有ったのでしょう。
それと「面子」を重んじたのだと思います。
売り上げや経営の事を親父はシマちゃんに相談していましたから、『調子に載ったのかも?』と思います。
シマちゃんが辞めた後、何回かカズと二人でシマちゃんの家に電話をかけ、戻って欲しいと頼みましたが、無駄でした。
カズと僕に取ってシマちゃんは、お兄さんの役目をしていてくれたのでした。
シマちゃんが辞めてカズが寿司を握り始めましたが、カズの顔は寂しそうでした。
親父は寿司職人を募集し始め一人の人が入りました。
名前は覚えていませんが、小柄でヒゲが濃く、無駄口を利かず黙々と仕事をこなす人でした、25~27才位だったと思います。
彼が入った事で今度はカズが辞めました、
シマちゃんが辞めて、それ程時間は経ちませんでした。
カズにも思い留まるように説得しましたが、
カズは自分が寿司職人になる事が重荷だったのだと思います。
仕事が終わるとコウちゃんとヒロちゃんは酒を飲みに行く事が多くなり、
彼と僕は風呂に行きTVを一緒に見る二組に分かれましたが、別に喧嘩をしている訳では有りませんでした。
この頃だったと思います、映画の深夜興行が始まりました。
新寿司職人の彼と観に行く事になり、二人で銀座の映画館まで歩きました。
当時はマカロニ・ウエスタンが流行り出した頃で、
「フランコ ネロ」の「ガンマン無頼」たぶん、この映画だったと思います。
高倉 健さんのヤクザ映画と迷った末、この映画にしました。
東映好きの僕は、高倉健さんが大好きでした!
高倉健さんの映画は『そのスジの人が多いから止めよう』と彼が言ったのです。
映画を観終わり二人で又歩いて帰りました。
『この店、一体どうなるんだろう?』歩きながら彼に質問しました。
『自分は言われた事をこなし、仕事を覚えればそれで良いよ、覚えたら又違う所に行って覚えるんだ、将来は自分で店を持ちたい』と彼は話していました。
仕事はシマちゃんより上だったと思います。
カズが船村徹さんの所でレッスンを受けていたのに影響されたのでは有りませんが、僕も何か勉強をしたくなり出しました。
シマちゃんの料理を観たり、
自分でテンプラの盛り付けを担当し出してから、料理の盛り付けに興味を持ち初めていました。
料理を盛る皿、盛り方、材料の色などで料理が美味しく見えたり、不味く見えたりする事が分かり出したのです。
そこで本屋に行きデザインの本を手にしました。
二人の板前以外では僕が1番古株に成った訳です。
『我慢するんだよ』、『頑張るんだよ』と何人もの方達から声を掛けて頂きました。
その中で今も覚えている言葉がございます。
『辛抱する木に金が成る』と出前先のお得意さんに声を掛けられ、
気に掛けて貰えている事が嬉しく思いました。
年明けに寿司職人のシマちゃんが、
突然『この店、辞める』と言い出し、カズと二人で衝撃を受けました。
当然カズと僕は止めに入りましたし、タカちゃんも止めに入りました。
コウちゃんとヒロちゃんは静観でした、理由は分かりません。
親父にも二人で『シマちゃんを辞めさせないで欲しい』と頼みました。
親父は『話してみる』と言いましたが、本当に話したのかは分かりません。
辞める理由をシマちゃんは話しませんでしたので、
『何で辞めたのか?』は今も分かりませんが、
おそらく給料の事だったのだろうと思います。
親父も強く引き止める事は無かったと思いますし、
「何とか成る」という思いが有ったのでしょう。
それと「面子」を重んじたのだと思います。
売り上げや経営の事を親父はシマちゃんに相談していましたから、『調子に載ったのかも?』と思います。
シマちゃんが辞めた後、何回かカズと二人でシマちゃんの家に電話をかけ、戻って欲しいと頼みましたが、無駄でした。
カズと僕に取ってシマちゃんは、お兄さんの役目をしていてくれたのでした。
シマちゃんが辞めてカズが寿司を握り始めましたが、カズの顔は寂しそうでした。
親父は寿司職人を募集し始め一人の人が入りました。
名前は覚えていませんが、小柄でヒゲが濃く、無駄口を利かず黙々と仕事をこなす人でした、25~27才位だったと思います。
彼が入った事で今度はカズが辞めました、
シマちゃんが辞めて、それ程時間は経ちませんでした。
カズにも思い留まるように説得しましたが、
カズは自分が寿司職人になる事が重荷だったのだと思います。
仕事が終わるとコウちゃんとヒロちゃんは酒を飲みに行く事が多くなり、
彼と僕は風呂に行きTVを一緒に見る二組に分かれましたが、別に喧嘩をしている訳では有りませんでした。
この頃だったと思います、映画の深夜興行が始まりました。
新寿司職人の彼と観に行く事になり、二人で銀座の映画館まで歩きました。
当時はマカロニ・ウエスタンが流行り出した頃で、
「フランコ ネロ」の「ガンマン無頼」たぶん、この映画だったと思います。
高倉 健さんのヤクザ映画と迷った末、この映画にしました。
東映好きの僕は、高倉健さんが大好きでした!
高倉健さんの映画は『そのスジの人が多いから止めよう』と彼が言ったのです。
映画を観終わり二人で又歩いて帰りました。
『この店、一体どうなるんだろう?』歩きながら彼に質問しました。
『自分は言われた事をこなし、仕事を覚えればそれで良いよ、覚えたら又違う所に行って覚えるんだ、将来は自分で店を持ちたい』と彼は話していました。
仕事はシマちゃんより上だったと思います。
カズが船村徹さんの所でレッスンを受けていたのに影響されたのでは有りませんが、僕も何か勉強をしたくなり出しました。
シマちゃんの料理を観たり、
自分でテンプラの盛り付けを担当し出してから、料理の盛り付けに興味を持ち初めていました。
料理を盛る皿、盛り方、材料の色などで料理が美味しく見えたり、不味く見えたりする事が分かり出したのです。
そこで本屋に行きデザインの本を手にしました。