4年生の1学期に転校生が来ました。
島崎かよさんです。(名字は仮名です)
背がとても高くて、見るからに活発そうな人でした。
よく男の子と間違われたそうですが、女の子です。
運動神経抜群のスポーツ万能で、足も速くてクラスでは誰も追いつける人がいませんでした。
「島崎さんすごい! 男子なんかぜんぜん目じゃないね!」
「くそっ! あいつ転校生のくせに生意気だ!」
「締めてやろうぜ!」
男子のグループがいたずらをしましたが返り討ちにあいました。
島崎さんは力があってケンカも強かったのです。
「くそっ! あいつ強すぎる!」
「腹が立つから、紅葉を蹴って遊ぼうぜ」
「おらおら、声に出して泣いてみろよ」
「あんたたち、やめなさいよ!」
「うるさい! あっちへ行け!」
「邪魔するならお前もいじめるぞ!」
「島崎さん、お願い、紅葉ちゃんがいじめられてるの助けてあげて」
「どうしてあたしが助けなくちゃならないの?」
「え? どうしって…」
「他の人だって、みんな見て知らんぷりで、誰も止めないじゃないか」
「だいたい、あたしはモノをはっきり言わないような奴は大嫌いなんだ。あんなのいじめられて当たり前さ!」
「お願いだから、やめて!」
わたしが教室内でいじめられるのはすでに日常的光景と化していて、かばってくれるのは、ただ一人まゆみちゃんだけでした。
島崎かよさんです。(名字は仮名です)
背がとても高くて、見るからに活発そうな人でした。
よく男の子と間違われたそうですが、女の子です。
「締めてやろうぜ!」
島崎さんは力があってケンカも強かったのです。
「腹が立つから、紅葉を蹴って遊ぼうぜ」
「邪魔するならお前もいじめるぞ!」
「どうしてあたしが助けなくちゃならないの?」
「え? どうしって…」
わたしが教室内でいじめられるのはすでに日常的光景と化していて、かばってくれるのは、ただ一人まゆみちゃんだけでした。
つづく…
。
このは紅葉さんの絵、記事は欠かさず拝見させていただいています。
この北風昏迷録は、心がとても痛いです。
このは紅葉さんが、どんな想いで綴っていらしゃるのか・・・それを思うと・・。
過去の辛い思い出の中に、一筋でも光が差すことを願いつつ・・・拝見しています。
わたしのつらい思い出に巻き込んでしまってごめんなさい。
ずっと悪夢にうなされてきましたし、ことあるごとに思い出されて悲しくなって、とうとう描かずにはいられなくなりました。
でも、これまではずっと隠してきたのに、今言えるようになったということは、心の状態が少しは良い方向に向かっているのかなと思っています。