このは紅葉のお絵かき日記

トランプ大統領・たつき監督・irodoriの味方だよ

#839 雪ゆかば(2)暗雲

2009年02月28日 | 思い出話
前回「#838 雪ゆかば(1)束の間の幸福」のつづきです…


わたしたちが遊んでいるところへ、見知らぬ男子グループが来ました。
「そこはオレたちが使う場所だ。おまえら邪魔だ、失せろ!」



かよ「なに言ってんだ! うちらが先に使ってるんだから、そっちこそ、どっかよそに行きな!」


男A「それなら雪合戦で勝負しろ! 負けたら出て行け!」
かよ「何であんたたちと雪合戦なんかしなきゃならないんだ! アホなこと言うな!」


男A「オレたちと勝負するのが怖いのか?」


かよ「何を! 誰が怖いって! やってやろうじゃないか!」


まゆみ「ああ…かよちゃん、向こうの挑発に乗せられちゃった…」


男B「あの女、4組の島崎だべ? あいつめちゃくちゃ強いぞ。ヤバいんじゃねえか?」
男A「ビビんなよ。普通のケンカで勝てなくても、雪合戦なら勝てるべ」


男A「強いのは島崎だけで、後の奴は戦力外だ。特にあのチビは『ウスノロ馬鹿』で有名な奴だ。居るだけ邪魔な荷物にしかならんべさ」


かよ「え? こういうときは、難攻不落な山の上に陣を張るんじゃないの?」 
まゆみ「でも、紅葉ちゃんが…」


紅葉「山の上は危ないよ…」
山頂は狭くて身動きがとりづらいし、すでに雪が踏み固められていて弾薬の製造も困難。籠城しても包囲されては反撃も出来ず、長く持ちこたえられない。
…というようなことを言いたかったのですが、その時はうまく説明できませんでした。


かよ「よくわからないけど、紅葉が言うのならそうしよう。とにかく今は陣地の構築と弾薬の製造を全力でやろう!」
まゆみ「うん」

(つづく…)



補足
当時は学級内で男子と女子とが反目し、男子同士でも派閥間抗争があり、学級外でも紛争が起こるなど、非常に荒れた状況下にありました。「みんなで仲良く遊びましょう」などという貼り紙はとても白々しく見えたものです。

ここで言う「雪合戦」とは、「遊び」や「競技」などではなく、ただの「ケンカ(喧嘩)」のことです。普通のケンカと違うのは、拳で殴る代わりに雪弾で殴るということだけです。ケンカにルールはありません。とにかく雪弾で殴り合い、どちらかが敗走するか全面降伏するまで続きます。
拳で直接殴り合うケンカよりはケガ(怪我)が少ないため、紛争を解決する手段として「雪合戦」が多用されました。

#838 雪ゆかば(1)束の間の幸福

2009年02月27日 | 思い出話
時は昭和50年代、わたしが小学生だった頃の思い出話です。


二月の厳冬期の遊びと言えば、ミニスキーが流行っておりました。サラサラの粉雪がスキーやソリ遊びに最適でした。
家の近くの公園には高さ3~4メートルほどの小山があって、仲良しの3人で遊びました。


「よし、それじゃぁ、思いっきり滑ろう!」
「おー!」


「今日は一段と難しそうね」


滑走の難度を上げるために、誰かが斜面に雪を盛って、デコボコのコブだらけにしているのです。


「あたしから行くよ!」
かよちゃんは、三人の中ではいちばんのお姉さん的存在。
同級生なのに、わたしから見てとても大人に見えていました。


運動神経抜群でスポーツ万能、ケンカも強くて、男子は誰もかよちゃんにかないません。


かよ「やったー! 一発で成功~!!」
「お~! すごい!!」


「次、紅葉ちゃん滑る?」
「後から行くよ」
まゆみちゃんは、とてもやさしくて学校の成績も優秀。
三人の中ではかよちゃんに次いで妹分。
(わたしにとっては、二番目のお姉さん的存在)


まゆみ「うわっ!!」
運動はちょっぴり苦手だったのかな…?


「大丈夫?」
まゆみ「うん、大丈夫~」


「じゃあ、わたしも行くよ~」
わたし(紅葉)は、病弱で発育不良、勉強も運動も全く駄目でした。
唯一得意だったのは図画工作。三人の中ではマスコット的存在。


スキーが苦手だったのでソリに乗っておりました。
紅葉「うわ~!!」


紅葉「う~」
かよ「大丈夫かー?」
紅葉「うん」


かよ「紅葉は相変わらず、派手に転ぶなぁ」
まゆみ「次、わたしも一緒にソリに乗っていい?」
紅葉「うん、いいよ。二人で乗ったらうまく滑れるかな?」


三人で過ごす時間はとても楽しいものでしたが、外で遊ぶということは、いつ外敵に襲われるかわからない危険性も大いにありました。


つづく…

*    *    *    *


二人の友だちとの出会いについては、以前#534 北風昏迷録(4)~(11)に書きました。

#837 ミニスキー

2009年02月24日 | 透明水彩
雪遊びの水彩らくがきです…

わたしは子どもの頃、体が弱くてあまり外で遊べなかったのですが、それでも冬に雪の中で遊ぶのは好きでした。

雪の中での遊びは「かまくら作り」「雪像作り」など色々ありましたが、特に気温の下がる1月下旬から2月の酷寒期に降る雪はさらさらの粉雪なので造形的あそびには全く適しません。
粉雪の時季にもっとも適しているのはスキーで、日常的な遊びとしては「ミニスキー」が花形でした。

「ミニスキー」は長さ1尺ほどのプラスチック製「スキーもどき」です。長靴に簡単に装着でき、とても簡素で安価なおもちゃでしたが、すぐに壊れてしまうようなものでもありました。

わたしはスキーが苦手だったので、もっぱらソリで遊んでおりました。

雪遊びというと、「雪合戦」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしの経験上では「雪合戦」は「遊び」ではなく、文字通り「雪上の合戦」であり、冷酷非情な戦(いくさ)でありました。あまりに危険すぎるので後に学校で禁止されたほどです。

「かまくら作り」も事故があって以来禁止されましたが、わたしたちは密かに作って遊んでおりました。

#832 氷紋

2009年02月17日 | 写真
窓硝子が凍り付くのは北国の人にとっては当たり前なことでこんな物を珍しがる人はいません。わたしがこんな写真を撮っているところを誰かに見られたら、馬鹿にされてしまうのが当然のなりゆきです。
(なので、誰にも見つからないようにこっそり撮るのです…


けれども、暖かい地方の人にしてみたら、これはとても珍しく興味深いものかも知れませんし、感動さえするかもしれません。
あまりにも見慣れているために感覚が鈍ってしまっているということは気が付きにくいものです。


今朝ふと窓硝子を見て、子どもの頃、氷の模様を見るのが好きだったのを思い出しました。失われた大切なものを一つ見つけたような気がします。

#830 バレンタインの手作りチョコレート

2009年02月16日 | そのほか
「手作りチョコレートです。どうか受け取ってください」
「手作りチョコ?」
「手作りって言っても、どうせ買ってきたチョコを溶かして固めただけなんだろ?(笑)」
「え?」
「一所懸命つくったのに、ひどいわ~(涙)」
「ちょっと~、あの子なにさ?」
「ただの勘違い女さ(笑)」
「やっとカカオの実が収穫できて、チョコレートが作れるようになったのに~(涙)」

#829 よいか竜之介

2009年02月15日 | ふつうの日記
これは血汚冷吐(ちよこれいと)といってな!
牛の血を固めて作った恐ろしい菓子なんじゃ!
こんなもの子どもが食ったら、
全身に毒がまわって死んでしまうのだぞ!!
(『うる星やつら』高橋留美子/小学館 より)


前回に引き続き…

「2月の節分には『恵方巻き』を食べましょう」という、すし業界だか海苔業界だかの陰謀が着々と浸透してきたようで、今年はさらに便乗して「恵方ロールを食べましょう」というロールケーキ業界の陰謀まで始まったので可笑しくて仕方ありませんでした。
さらに可笑しかったのが「逆チョコ」なる言葉です。
チョコレートを女性から男性に贈るだけでなく、男性から女性にも贈りましょう、というチョコレート業界のさらなる陰謀が始まったようです。
「これでチョコレートの売り上げが2倍になる(はず)大作戦」発動!!

いくら日本人がお祭り好きだからといってそこまで踊らされるものなのでしょうか?

いえいえ…、わたしは踊りませんよ?

*  *  *  *


前回、「チョコレート業界の陰謀」にはあまり興味がないです…と書いておきながら、今回もまた記事にしている辺り、興味ありありのような感じがしないでも…

#828 なぜチョコとプライドが関係するのだ!

2009年02月14日 | ふつうの日記
バレンタインデーとはなんじゃ!
知らないと恥ずかしいことなのか!?
あいにくテレビやまんがには興味がなくてな!
(『うる星やつら』高橋留美子/小学館 より)


世の中の話題に合わせてみましたが、わたしは「チョコレート業界の陰謀」にはあまり興味がないです。

そういえば、この『うる星やつら』というまんがは、小学6年生の時に友だちのかよちゃんが見ていたけれど、わたしはぜんぜん興味が無かったです。
高校生くらいのとき、病院の待合室に置いてあったのを見たのが初めて。
「そういえば、かよちゃんが好きだったな~」と思い出して、読んでみたら存外おもしろかったです。

「バレンタインデー」という言葉をはじめて聞いたのも小学6年生くらいだったかな…当時は意味をよくわかっていなかったですけれど…今もよくわかりません。
なぜチョコレートが関係してくるのか?