先日、たまたま大講演会で昼休み、大高先生と話す時間があった。
今回の大講演会に参加した理由のひとつに統合的アプローチへの関心、興味があったことは前回触れたが、同じように自分のなかで湧き上がっていたことがある。
それは今後の方向性についてのこと。
本を書き上げて出版した。それはいいのだが、心のどこかに安堵感のようなものが湧くのと同時に、これからどうしていこうかという模索する気持ちが漠然と湧いていた。
そしてその思いを見透かした先生から言われたのが、先生と私の違いについての助言だった。先生にあって私にないもの、それが「幅広い知識」であり「ケースの量」だと。
そのことは私自身感じていたことであり、それを模索していたと言ってもいい。
それだけに助言をもらってからの私はずい分と考えた。
そして出した答えが「ケースについては自分ひとりでは解決できないが、知識については自分でどうにでもなる。
そうだ、これからは幅広い知識を得ていくことを考えよう」というものだったのである。
その最初の段階として、図書館で心理学の書籍を借りて読むということを自分に課し実践しているが、もうひとつ考え付いたのがある心理学の月刊誌を購入して読むと言うことだった。
図書館で借りて読むのは確かにいい、しかしともすれば自分の好きな分野(私の場合はユング心理学や、トランスパーソナル心理学といった分野なのだが)に偏りがちになる。
それでは幅広い知識を得ることにはならない。
が、こういう心理学の月刊誌ならば自分の指向と関係なくさまざまな心理療法、心理カウンセリングの知識を、しかも著名な方々から学ぶことができる。
そう考えた私は、先生にそのことを報告しながらふたつある雑誌のどちらが今の自分に合っているかを相談したのだった。
先生は、私になぜ月刊誌を購読しようと思うのかを聞き、「それはいいことだ」と言って「こちらのほうがいい」とアドバイスしてくれた。
が、ひとつ私が言った言葉に対しちょっとした発想の転換を促した。
私が言った「次のステージに向けて…」という言葉についてであった。
「本を書いたこと=ひとつの区切りをつけた」という思い、それが「次のステージ」という言葉となったのだが、その意識を先生は指摘し「次のステージという意識でなく、もっと別の意識を持ったほうがいい」と言い「バタフライ効果を頭に入れて(進んでいく)おくように」と言ったのだった。
「バタフライ効果」実はこの言葉を私は初めて耳にしたのだが、結構知られているようである。
バタフライ効果というのは簡単に言うと、ある場所での蝶の羽ばたきが、そこから離れた場所の将来の天候に影響を及ぼすというもの。
この表現はエドワード・ローレンツというひとが1972年にアメリカ科学振興協会でおこなった講演のタイトルに由来している。
『予測可能性-ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』
ローレンツは1963年、ニューヨーク科学アカデミーで自分の発見を掲載した中で「ある気象学者は、この説が正しいとすると、カモメのたった1回の羽ばたきが気候の成り行きを未来永劫変えうることに気付いた」と書いたそうだ。
さらには「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」や、「アマゾンを舞う1匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたシカゴに大雨を降らせる」という表現が使われることもある。
それは例えば、ブラジルでの蝶の羽ばたきというごく小さい要素であっても、テキサスでトルネードが起きるかという気候変動に大きく影響を与える可能性があるという事を表している。
だからと言ってブラジルの蝶の羽ばたきを観測すれば、テキサスの天気が予報可能であるということではない。
羽ばたきの風自体が嵐を引き起こす原因というわけでもない。
つまり、この言葉が意味するものは、たとえ小さな要素の組み合わせでも未来に大きな影響を与える可能性があるということだ。
先生は私に「本を書いた、そのことが地球を一周してどんなことをあなたに及ぼすか、それが小さいことか大きいことかはわからない。でも、それを意識していきなさい」と言ってくれたのだった。
本を出版して二ヶ月近くが経ったが、私自身目立った変化は感じられない。ただ、見えないところで何かしらの変化は起こっているのかもしれない。
実際、同じように二年前、本を出版した女性が私に「出版して一年半の間に大きく変化した」そうである。
もしかしたら、一、二年後、気がついたら私にも変化が起きていたということがあるかもしれない。
先生に指摘してもらったことが切っ掛けで、これから何をしていったらいいのか漠然としていた私だったが、数年後の自分のために、それがどういうものかはわからないが、何があっても大丈夫なように備えておこうという気持ちになることができた。
明確な目標はなくてもいいのだ。ただ、これからの自分を考えたとき、何かしら具体的な行動はできるような気がする。
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