ホリスティックヒーリング宙『心の扉を叩いてみたらきっと何かが見えるはず聴こえるはず』

ホリスティックヒーリング宙(sora)のヒーラー&臨床心理カウンセラー株本のぶこが心・心と身体について綴っています

色に見るこころ

2006-10-05 07:46:12 | 心・身体・癒し
長い梅雨の時期から、やっとカッと暑い夏!と思っていたら、意外にも残暑が短く、早々に秋が訪れてしまった。つい数日前まで、我が家の周りは金木犀の花の香でむせかえるようだった。可憐で小さな花は、秋の雨に一度打たれてしまうと、あっという間に散ってしまい残り香を楽しむ暇も与えてはくれない。
数年前、北海道から東京へ転居して感じたのは、四季を通して季節ごとの花が絶えないということだった。半年間、雪に閉ざされてしまう北国の街はモノトーンの世界。コートや帽子などを派手な色にして、少しでも華やかさを演出しようとするのだが、やはり花が見られないということがこんなにもメンタルな面に作用するとは、逆にこちらに来て気づかされたことだった。春から秋はもちろんのこと、冬へのいり口から真冬、そして早春まで、パンジー、キンロウバイ、椿、水仙etcと、途切れることなく私たちの目を楽しませてくれる。と、同時に心を和ませ、癒してくれるのだ。
そういう点では、ずい分と花そのものにとどまらず。花が持つ「色」にも、心に働きかけるものがあるのではないだろうか。花の色が持つ力、あるいは心にある何がしかの思いが、花への印象に影響を及ぼすこともある。
小さい頃からあまり丈夫ではなかった私は、何度か入院生活を体験している。そのとき、お見舞いによく頂いたのが花である。ずっと以前は切花が一般的だったが、今は小さな籠に盛ったものが主流のようだ。色とりどりのいろいろな花をオアシスに挿し、綺麗な籠に盛られたそれは、殺風景な病室をぱっと明るくしてくれる。
私も何度か頂いたのだが、いつだったかそれを眺めながら、ふっと気づいたことがあった。
同じ花でも、色によって与える印象が違うということに気がついたのだ。多くの人たちは、病気をしているひとに贈るのだからピンクや淡いブルー、あるいはそれに限らないにしても淡い色合いが心を穏やかにさせてくれるだろうと想像するかもしれない。それは決して外れているわけではなく、実際、心に優しく働きかけて穏やかな心持になれる。ただ、そのとき私が感じたのは「黄色い花は元気をくれる」ということだった。黄色といえば、派手な目にもインパクトの強い色との印象があって、元気がないときにどうかな…と感じていたのだが、逆に気持ちを奮い立たせてくれる、エネルギーをくれることに気がついたのだった。もちろんこれは私が感じたことであって、果たして多くの人に受け入れられるかどうかは定かではないことをここで断っておきたい。
一方、心にある何がしかの思いが花への印象に影響を及ぼすことというのも、身近な人の話しから知らされたということがあった。その人は十代の頃に腎臓を患い、二十代になって人工透析をしなければいけなくなった。今では医療の技術や内容も向上して、ずい分と患者の負担は軽くなったと思うが、以前は結構スムーズにいかないこともあり、相当量の出血を起こすこともあったらしい。
そういうことを度々経験したことで、いつしか赤い色に拒絶反応を起こし、赤い花は嫌い、みるのも嫌という心理状態になってしまった知人は、家族に対しても赤い色の花を家に飾らないでくれと強く望んでいるという。
赤い花が直接何かをしたわけではないが、それを見ることによってつらい体験が甦り、結果的に嫌~なイメージを植えつけてしまったということだろう。なんとも哀しい記憶である。



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