ラビア・カーディル来日中にまるで示し合わせたかのように、今週日曜日にカシュガルからのNHK生中継が放送された。
まずはBSハイビジョンで三時間の長きにわたって放送された、ホッホージュニアこと関口智広の「中国鉄道大紀行」終点。ほとんど許可されないといわれる、生中継が実現した。
これはもちろんBSなのでkokは見ていない。しかしながらブログを書いている人で見た人もいる。
旅の支度/旅の始末さん
http://lavender.cocolog-nifty.com/travel/2007/11/post_52c9.html
酔いどれ李白のシルクロード紀行さん
http://blogs.yahoo.co.jp/libai036/26812722.html
K@ZLOGさん
http://wp38.blog70.fc2.com/blog-entry-718.html
番組ではどうせ「平和な新疆、楽しくしあわせなウイグル人」が強調されたにきまっているが、ひとつだけ指摘を。
通訳が漢族とウイグル人の二段階だったことである。27年前ならいざ知らず、日本語を話せるウイグル族など現地にも存在するであろう。通訳が監視役の役割を果たすことは周知のとおり。
生中継だということでハプニングに対応したわけだ。
原田誠さん(クリックすれば大きくなります。)
そして夕方6時10分からの地上波NHK総合「海外ネットワーク」回線中継代があまったのか、どうでもいいようなカシュガルからの生中継が中国総局長の原田誠のレポートで始まる。
NHK海外ネットワークサイト
http://www.nhk.or.jp/worldnet/monthly/index.html
原田、エイティガールモスクのことをはっきりと「寺院」と言う。
ケバブ屋さんに「一個多少銭?」と漢語で尋ねる原田。
「ウイグル族が多いからウイグル語の看板がある。」と小学生の放送部員のような原田。
果物屋の店先からリンゴをみせながら原田のカシュガル郊外ランガン村のレポートが始まる。リンゴをキルギス、パキスタンへの輸出用に箱詰めする村人達。
どういう村なのかわからないが、「現金収入が増えて生活が豊か」だの「昔よりいまがずっといい」などの村人の発言が続く。
原田が「今、国境貿易が盛んになった。」と言い、旧ソ連中央アジアの安定、石油開発などを理由に挙げる。コルガスかどこかはわからないがどこかの国境の町が出てきて、小田真という人物がひとこと。(小田の仕事はこれだけ)
そして国境貿易の拠点としてウルムチをあげる。問屋街ビルを経営している張氷なる38歳の企業家が出てきて三年間に100億投資したとか、まだまだ貿易施設は足りないとか言う。
張氷の会社は「西域国際商貿城」なる施設を作ったらしい。
原田は国境貿易の中心は「漢民族」です。とはっきり。
それに比べてウイグル族は国境貿易に乗り遅れているとウイグル族を貶めるようなレポートの原田、景気は全然だめだというウイグル人。人的なネットワークを生かして勤勉に働く「漢民族」と2流国民でカツギ屋仕事しかしないような「ウイグル人」を比較するような言い方の原田。
そして漢語を話すウイグル族の新疆大学生が貿易のためにロシア語の勉強に忙しいと言うことでレポートは終わる。
原田のレポートがまるで新華社通信か中国国際放送のごとくの漢族、共産党一面からの官製報道の如くだったことにはあきれてしまうばかりであった。
原田はウイグル人が国境貿易に乗り遅れている理由に深く突っ込んで取材したりすることもしない。もちろん民族間の問題に関しては触れることはない。そして最も悪質なのは、つい最近はっきりと「独立派」が死刑判決を受けた、などと事情がはっきりとは発表されていない事件に触れたこと。
以前には国境貿易で巨万の富を作り上げたウイグル人もいたのだよ原田君、君は十年以上前に先輩が書いた、「十二億人の改革解放、新疆カザフ国際列車」を知っているのかね。
(日本国民の東トルキスタンに対する理解が不十分であることも問題なので誠看維語爾もつくってほしいものだ。)
報道されているところによると、原田中国総局長は「岩松、日本を行く(岩松看日本)」なる中国の日本紹介プロジェクトに協力しているらしい。
「激流中国」でNHKが中国の問題点にはっきりと報道して、中国でもネットでかなりの反響をよんでいるらしいが、ここ新疆ウイグルに関しては「問題外」の報道が続いている。
NHKはNスぺの制作部が偉くて、報道部にプレッシャーをかけているのではないかと思ったが実際は逆だったのか。
ラビア・カーディル紹介サイト↓
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11月25日のJ-WAVE「Early Morley Bird」でMorley Robertsonさんがこのブログを紹介していました。
ウイグル問題ではなく、「CGMが乗り越える報道規制」といったテーマの中で1つの題材としてこのブログ、特にこの記事のことを取り上げ、メディアに対してそれを受け取る側のリアクションがすぐに立ち上げられ、ネットによってそれがつながっていくというお話でした。そのつながりの例として、僕のブログも紹介していました。
まぁモーリーさんのお話はともかくとして、番組を見てないのでなんとも言えませんが、この報道の仕方も真実をねじ曲げて報道する隠蔽、隠匿な報道のような気がします。
流行り言葉で言えばアサヒる(笑)、そう言っても過言ではないかもしれませんね。
ところでご紹介いただいたポッドキャストの補足版をリリースしました。あいかわらず滑舌が悪く、お聴き苦しいとは思いますが、お時間のあるときにでもお聴きいただければ幸いです。
http://agigangen.seesaa.net/article/69239724.html
すごいGJです。といいますか、ラビアさんとの質疑応答の記録はとても重要な物を含んでいると思います。今すぐに筆記記録して我がブログで公開したいくらいですが、がんげんさんへの営業妨害になるのでもちろんやりません。(笑い)
しかし、山口の人たちは程度が高いですね。自分も別のところに行ったのですがあまり質問は出ませんでした。観客が多いよりは質のいい人が数が少なくても聞いてくれる方がいいのかもしれませんね。
モーリーさんの放送で自分のところとA.G.I.2.0さんが取り上げられるのは自分もモーリーさんからメールをもらって聞いていました。あいにくと田舎且つ早起きが嫌いなもので……。
モーリーさんのサイトで公開されるのを待ちたいと思います。
NHKですが、「アサヒ」ってるというより自分はNHKが本当に不勉強なのではないかと思うようになりました。原田君も善人みたいで取材の制限はあるとは思うのですが、そういうことよりは日中友好に努力したいというジャーナリストらしからぬ気持ちなのではとそうかんぐっています。
それではどうもコメントありがとうございました。
そんなに重要な事項がありましたか。
既に既報のものばかりだと思っておりましたが。
筆記記録は全然構いませんよ、なんなら私が文章を起こしても構いませんが。僕のポッドキャストで言ってたと添えていただれば逆に宣伝になるし。(笑)
「Early Morley Bird」でモーリーさんが日中記者交換協定というのものもネックになっているのではないかと話していましたが、そのへんの絡みもあるのでしょうか?
日中記者交換協定のことではなくて、ラビアさんの質疑応答の中のウイグル族とは何か?の部分です。これは「先住民とは?」の問題とも係わってくると思います。難しいですね。
今日はちょっと勘弁してください、すいません。
日中記者交換協定うんぬんは「「アサヒ」ってるというより自分はNHKが本当に不勉強なのではないかと思うようになりました」に対する質問です。
元読売記者の高井潔司氏が反論しています。
http://www.21ccs.jp/china_watching/NewspaperCritique_TAKAI/Newspaper_critique_13.html
朝日も中国の人権派の取材は意外と積極的でもあります。しかし共同通信元記者の辺見庸が「不法取材」で追放された経験もあります。
最近はこういう人が出てこないということは日本の新聞記者の「事なかれ主義」が現れてきたのかもしれません。
それに人権問題を訴えてみたところでどれだけ商売になるかも考えなくてはならないだろうと思います。つまりは受け止める方(特に「市民派」の読者)の意識です。
今回のニュース23への反応も市民派はとても薄いです。