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占領と開拓のあいだ:素顔の新疆生産建設兵団(その2)

2008-04-19 21:02:47 | ニュース

(こちらを先にお読みください。)


新疆は中国にとって戦略的に重大である。中国の六分の一を占め、重要な石油生産地域であり、核兵器実験場の本拠地である。新疆は8つの近隣国家と5,600キロ(3,480マイル)以上の国境を持つ。

ウイグル人の人権の大義はチベット人のそれよりも国際的な注意を引くことは全くなかった。チベットの活動家は亡命したチベット仏教の精神的リーダー、ダライラマのカリスマ性と有名人の支援などにより世界的に支持者を得てきた。
、とウイグル人権活動家は語る、2001年9月11日のアメリカへのテロ攻撃以来、中国はそのウイグル人権運動家との戦いをイスラムテロリズムへの戦いとして描き出してきた。

いまや、チベットの抗議者と8月に開催される差し迫った北京オリンピックは海外のウイグル人に声を上げることに駆りたて、彼らの希望をチベット人のそれと明白に関連づけている。木曜日、何百人のウイグル人デモ参加者が反中国抵抗運動の為に、オリンピック聖火リレーがその市内を通る間イスタンブルに集まった。

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ラビア・カーディルさん

「チベット人とウイグル人両方は平和に暮らすことと自由を求めています。」
ワシントンに本拠を置く運動団体、在米ウイグル人協会会長のラビア・カーディルさんは語る。「二つの人々は民族自決権をもつべきです。」

中国により5年にわたり収監されていたラビア・カーディルさんは現在アメリカに亡命しているが、「権力と繁栄」が新疆とチベットの中国人移住者に確保されてきたが「しかしウイグル人とチベット人は貧困に追いやられているのです。」と語る。

新疆は東西貿易回廊であった古代のシルクロードにまたがっているが、人や支配者や宗教が変わっていく、長く複雑な歴史をもっている。中国の清朝は1700年代にこの地域を併合した。20世紀の前半、ウイグル人と他の民族集団は2度にわたり東トルキスタンとして知られる独立共和国を宣言した。1949年に中国の共産主義者権力が入って来た。

その時から、多くの漢族が新疆によりよい生活を求めて移入してきた。新疆の漢族の人々のうち、おおよそ30%が新疆建設兵団が行政を行う地域に住んでいる。全体で漢族人口は政府によれば2000年から2006年の間に60万人増加した。

兵団の多くの漢族中国人はこの地域に移住するように命令された中国兵士の子孫であるが、自身を彼らの国のフロンティアに文明をもたらすために苛酷な環境や敵対的な土地住民と戦ってきた英雄的な開拓者であると見ている。「アメリカの西部のようなものです。」兵団農業第8師団150団の政冶委員(注、政治委員とは軍や警察あるいは国営の企業や組織に共産党から派遣された、おもに人事面での管理を行う幹部)朱耘(Zhu Yun)は砂漠からの冷たい風が吹き込む中に新しく耕された農場を見ながら語る。

多くのウイグル人にとって漢族移住者は外国から来て彼らから土地を奪い、資源を争い、彼らの文化を圧倒する脅威のある侵入者のように見られている。

ジュンガル盆地の砂漠の中に150団の移住者は何千エーカーの灌漑された農地を開拓し、綿花、ブドウと大麦を育てている。彼らは学校、病院、そしてテレビ放送局まで建てている。

道を下っていけば、兵団が建設した最大の軍事施設、65万人の人口を持つ、石河子(Shihezi)と呼ばれている都市がある。多くが繁栄している。石河子の郊外にLu Linpingと妻のZhao Yanliが1.5エーカーの区画の、近くの川の土手からもってきた土で肥沃にした土地を耕している。今年、彼らはブドウ、ピーナツとキャベツを育てている。

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Lu氏の父は人民解放軍兵士として新疆に来たが、集団農場での牧童として残った。少年の頃Lu氏は旧式の土塀の家に住んでいた。「私の今の生活がわかるでしょう。」彼は黄色に塗装してタイルの床の家を指差しながら語る。

Lu氏は十分に成功して息子を東海岸のの天津の大学に送っている。彼の娘は区都ウルムチのビューティサロンで働いている。彼の仕事は、Lu氏が言うに「重要で国のためになります。」

兵団の多くの活動は大規模である。兵団は新疆の綿花の50%とトマトペーストの70%を育てている。17の新聞を発行しラジオとテレビの放送局を経営している。建設と輸送のビジネスを含む1400の企業を持ち、13の貿易会社の親企業である。兵団によれば昨年の年間生産は全体で約620億ドルである。

兵団副秘書長の超氏は、漢族中国人が西方に移住して兵団に参加して「先進的な技術と近代的思考を」共にもたらすのは「新疆の人々のために重要な支援である。」と語る。

大部分のウイグル人は新疆の全体的な経済成長が強力になることとに喜んでいるが、ウイグル人社会がほとんど直接的な利益を兵団の仕事や漢族中国人の経営する事業から受けていないと言う人もいる。

「ウイグル人はこの問題に関しては一枚板ではない」カリフォルニア州クレアモントのパモナ大学教授で新疆を研究するドゥルー・グラドニーは語る。都会に住むウイグル人、特に貿易業に従事する者は大きな利益を見ている。グラドニー氏は多くの経済問題は民族の境界を越えているとも言う。彼が言うに、例を挙げればウイグル人と長期の漢族移住者は往々にして新しい移住者に対する怒りを共有している。

もう一つの摩擦の根源は宗教的実践の政府による制限である。ウイグル人と人権団体がいうところによれば、政府のために働くウイグル人はモスクでの礼拝に参加することを広く禁止されている。政府はまたウイグル人がメッカへの巡礼を企てることを政府に監視されているグループの一部としての巡礼を除いて禁止している。

ウイグル人と漢族中国人の間の不信感は続いている。ある上海で働くウイグル人はウイグル人が政府の政策についてどう感じているのかを聞かれて、「真実はいえない。それは法律違反になるだろう。」と言った。

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