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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

核保有国インドへの原子力発電所輸出のための「日印原子力協定承認案」が2月下旬提出、第193回国会対決案件ひっしか

2017年01月29日 20時32分16秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 2016年11月11日に、日本の安倍首相(自民党総裁)、インドのモディ首相(人民党総裁)が東京で署名した、

 「日印原子力協定(原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定)」の承認案(193条約 号)が、

 平成29年2月下旬に、国会提出されるはこびとなりました。

 同条約は、第1次安倍内閣から一貫して進めるインフラ輸出の一貫。政権交代後の民主党政権も進めていました。

 ただ、インド人民党は政権交代により初めて政権を握った1998年に速やかに核実験を行い宿敵パキスタンに対抗。核保有国となり、支持率が大幅に上がったこと経緯があります。下野後に低迷しましたが、モディ首相の下で、2度目の与党になり、さっそく条約を結ぶことから国内外の反発はひっし。

 条約を読むと、その第3章に「この協定の下での協力は、平和的非爆発目的に限って行う。」などといたるところに、核兵器開発には使わせないための工夫がみられます。

 ただ、第193回国会は原子力関連の議案が、内閣府、環境省、外務省から提出されるため、27年ぶりの自民党衆参単独過半数で押し通そうとすると、自民党内や世論の反発をうけるかもしれません。

 野党側には対決議案に位置付ける動きもあるようです。

この記事の本文は以上です。

(C)2017  宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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有害廃棄物の輸入緩和と規制強化の3法案を3月上旬に国会提出へ、環境省・経産省 中国の医療廃棄物など念頭か?

2017年01月29日 20時11分43秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 政府は、

 「廃棄物処理法改正案」(193閣法 号)、

 「特定有害廃棄物の輸入規制法改正案」(193閣法 号)、

 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の改正案」(193閣法 号)

 の3本を、平成29年2017年3月上旬の閣議で決定し、第193回国会に提出する方向で調整を進めています。

 上から順に、環境省、環境省、経済産業省の所管になります。

 2番目に書いた、「特定有害廃棄物の輸入」は、「バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約)」があり、その国内実施法があります。

 条約の附属書に列挙された、病院での廃棄物など、日本への輸入可能な廃棄物について、 リサイクル技術の水準が上がったとして、再生利用事業者の認定制度を創設し、外為法にもとづく輸入を緩和する内容で、環境省が所管します。

 3番目に書いた、「化審法改正案」は、輸入と製造におる化学物質の日本列島の総量を経産省が管理し、毒性の強い化学物質への規制を強化する内容。

 1番目に書いた、「廃棄物処理法改正案」は、今までの「環境省が、大規模な産業廃棄物処理業者に対して管理票を交付する行政」をやめて「大規模な産業廃棄物処理業者が電子情報を環境省に登録する行政」に移行する内容。

 おそらく中国から医療廃棄物などを輸入し、国内でリサイクルすることを推進したいのではないかと推測します。

 また、東日本大震災以降、環境省が手一杯なので、管理票を交付するのを、電子情報で登録させるように変えたいのだろうと考えます。

 もともと、廃棄物行政は厚生省と基礎自治体が担当しており、1971年の厚生省公害部の分離独立により環境庁発足後も厚生省に残りました。その後、厚相経験者である橋本龍太郎首相は、「スーパー環境省構想」を打ち出しましたが、厚生省から廃棄物行政を環境庁に移し、橋本行革法で環境省をつくることにとどまっており、心残りだったとされています。1990年代、海なし県の岐阜県で、町長が産廃業者に頭を陥没骨折させられるテロ事件に会い、町長が元NHK記者だったこともあり、産廃処理の問題が全国発信されました。その当時の厚生省幹部名簿を確認すると、産廃は課長・課長補佐とも技官であり、厚生省がそうとうぼんやりした中央省庁だったことが透けて見えます。

 ただ、環境省も東日本大震災による夥しい災害廃棄物の発生で、オーバーキャパシティ―となっており、平成29年度予算でようやく年0・3兆円規模の省に戻りましたが、復興特会から一部歳出している、除染の予算は拡大する一途となっています。

 このあたりを含めた審議を期待したいものですが、法案そのものはさほど対決せずに成立する気配があります。

この記事の本文は以上です。

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原子炉等規制法改正案2月上旬提出へ IAEA勧告を国内実施

2017年01月29日 19時47分45秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 政府の原子力規制委員会は、IAEA国際原子力機関からの勧告に従い、国内法を整備するために、

 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案」(193閣法 号)を第193回通常国会(平成29年2017年)に提出することにしました。

 2016年4月のIAEAによる総合規制評価サービス報告(IRRS)を受け入れて同庁(原子力規制委員会)の組織体制の整備を行う内容。

 同庁は、2016年12月28日に法案の骨子をまとめています。それによると、改正法案は次の3つの法律を一括改正するもの。

 「原子炉等規制法(核原料物質、核燃料物資及び原子炉等の規制に関する法律)と、

 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(RI法)」と、

 「放射線障害防止の技術的基準に関する法律」

 の3本です。

 原発再稼働については「あらかじめ決められた項目を杓子定規にチェックする検査ではなく、事業者の保安活動全般を包括的に監視評価する」としています。

 国際テロ対策として、「放射性同位元素に対する防護措置」として事業者責務を明確化し、RI法を「放射性同位元素等の規制に関する法律」と改題する内容。

 技術基準法にもとづく、放射線審議会の昨日今日を盛り込みました。

 公布と同時に一部施行し、3年後に全面施行する内容。

 原子力規制委員会設置法はもともと、衆参ねじれの震災国会で、野党・自民党の塩崎恭久議員が提唱。その後、当時の与党・民主党の岡田克也幹事長が、生方幸夫・衆議院環境委員長らに3党協議(与党・民主党と野党・自公)を命じて一本化した内容。それから6年経ち、田中俊一原子力規制委員長は一定の評価を得て、原発再稼働で世論や物理的な抵抗も一定の範囲に収まりながら、現在に至っています。

 以下、2011年震災国会での「原子力規制委員会設置法」の審議のもようを記した、当ブログ内エントリーを紹介します。

[当ブログ内の過去のエントリーから引用はじめ]

生方さん 再三再四 叱られる 参院環境委

2012年06月19日 18時41分34秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

【2012年6月18日(月)19日(火) 参・環境委員会】

 平成24年度予算ですでに歳出(予算執行が可能な限度額)が盛り込まれている「環境省原子力規制庁」(当初・原子力安全庁の名称が民主党内手続きで改称)の法案。政府案の「環境省設置法改正案」と自民党の塩崎恭久さんらの衆法「原子力安全委員会設置法案」を3党修正して「原子力規制委員会設置法案」(180衆法19号)となり、衆院を通過し、参院に送付されています。

 3党合意を反映した法案は、衆議院環境委員長提出法案となっているので、生方幸夫(うぶかた・ゆきお)さんが参議院環境委員会に出向いて答弁しています。東京生まれで千葉6区(松戸市など)選出の生方さんは、ご存じの通り、小沢一郎幹事長に物を申した民主党らしからぬ正義漢。

 その生方さんですが、参議院環境委員会では再三再四叱られました。

 原子力行政に関してはナーバスになっている方が多いので、あまり笑い話にもできませんが、生方さんは法案の趣旨説明の後、どういうわけか、委員会室からたびたび外出してしまいました。

 
 [画像]趣旨説明する法案提出者の衆議院環境委員長の生方幸夫さん、参議院環境委員会、2012年6月18日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 生方さんの他にも、民主党の近藤昭一さん、大谷信盛さん、横山北斗さん、自民党の吉野正芳さん、田中和徳さん、公明党の江田康幸さんらの各衆院議員も提出者として答弁に当たりましたが、やはり委員長の指名が多くなります。

 公明党の加藤修一さん(全国比例、任期は来夏まで)は、「(法案)提出者である(衆議院)環境委員長が(今)いないというのは、参議院の軽視だし、相当重い法案なので、そういう行動はとらないでほしい。委員長がいないことに抗議します」と語りました。

 みんなの党の参院国対委員長の武闘派議員、水野賢一さん(千葉選挙区、2016年改選)から、法案の参院送付が遅いと指摘された生方さんは、「法案の付託は(参議院の)議院運営委員会の考えだ」とすると、議運理事でもある水野さんは「あなたは付託をするのではないが、提出者なんだから、もっと早く送付しないといけない」とまくし立てられると、生方さんは「会期が22日まで、いや21日までとなっていますから」としどろもどろ。次に与党である「新党大地・真民主」の参院議員、平山誠さん(全国比例で旧・新党日本の名簿で繰り上げ当選して民主党を離党、来夏改選)からは「提出者は何も言わずに(委員会室から)出ていかないでくださいよ」と怒鳴られました。

 2日目となる19日の審議。環境委員会は20人しかいないので、各党とも同じ顔ぶれが質問しました。

 加藤修一さんは前日の審議を経て、質問の冒頭でペーパーを見ながら、「5つのお願い」をしました。まず「審議のあり方に不満があります」として「審議中に法案提出者の(衆議院)環境委員長がいない。参議院軽視ともいえ、このような無様な委員会審議にならないよう、衆議院に猛省を求めます」としました。これを受けて、自民党の松村祥史(まつむら・よしふみ)参議院環境委員長は「加藤委員のご指摘はごもっともだと思う」と応じました。

 この後は、さすがに生方さんは委員会室に長くとどまったようです。

 一方、法案の趣旨説明で、「(東京電力福島第一原子力発電所の)事故により、国内外の信頼が大きく損なわれ、信頼を回復するためにも、行政の体系を見直す必要がある」と述べたことについて、公明党の加藤さんは「違和感がある」と指摘しました。これは、与党議員でありながら、当事者意識が薄いことを批判したものと思われます。

 同じく2日間、答弁者席に座ってた細野豪志環境大臣(兼)原子力事故の再発防止担当大臣が、原子力規制委員会の職員のノーリターン・ルール(採用府省に戻らない人事)について、「1人1人の人生がかかっていますので」と繰り返し言及したところに、実際に部下を持つようになって1年経つ細野さんの責任感との違いが際だった感じがします。

 「王様は裸だ」と言った生方さんにはがんばって欲しいです。生方さんの対抗馬である、自民党千葉6区支部長の渡辺博道さんを赤坂で見かけたことがあります。平成研の先輩議員である閣僚経験者と2人で食事をしていたようで、赤坂議員宿舎方面に帰る閣僚経験者が肩を叩いて去っていきました。帰りの松戸方面まで乗り入れている地下鉄で偶然渡辺さんと同じ車両になりましたが、「ようし、捲土重来してやるぞ」という表情をしていました。 帰ってから議員要覧をみたら、当選4回の61歳ですから、国政復帰し、党が政権奪還すれば閣僚も視野に入ってきます。松戸市役所職員から県議を経て、国会議員になったたたき上げのようです。最近の自民党では市役所職員から地方議員を経てたたき上げてきた人が多い傾向にあります。

 ぜひ、生方さんも、与党に必要な一言居士、政策調査会復活という役割を果たしたことを有権者の方が判断できるように、一定の土台をしっかり残してもらわないと、私も困ります。

 これじゃ困りますね。こんなことでは、生方さんは小沢グループにクラス替えです。

 原子力規制委員会設置法案は18日、19日の2日間の質問を経ても終局せず、20日以降も質疑あるようで、やはり重要法案だし、一体改革に一意専心してきたけど、こういう深刻な問題に刮目しないといけないと感じました。高嶋良充筆頭総括副幹事長(参院議員、自治労出身、引退)が小沢一郎幹事長を批判したかどで、生方副幹事長解任騒動なんてやっていた平和な時代が懐かしいけど、歴史は後戻りできません。

 [当ブログ内の過去のエントリーから引用おわり]


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遺伝子組み換え生物等規制法の改正案提出、責任と救済明記、条約(カルタヘナ議定書の名古屋補足議定書の条約承認案)とともに2月下旬国会へ

2017年01月29日 19時29分17秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 政府は、2010年10月に名古屋で採択された、

 「生物多様性条約の、バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書の、責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書」(193条約 号)

 と、その国内実施法案である、

 「遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案」(193閣法 号)

 を、2月下旬に国会に提出するはこびとなりました。

 第193回通常国会(平成29年2017年)で、条約は外務・外交防衛委員会、法案は環境委員会などで議論されることになりそうです。

 バイオテクノロジーで改変された生物の国境移動を規制する多国間条約で、今回承認を求める、「補足議定書」は、国が、管理者に対して生物多様性の復元のための措置をとるよう「要求」することができる内容。

 条約落とし込みの国内法案では、国が生物多様性の損害回復措置を「命令」することができる内容。

 政府は、同じ日の閣議で、名古屋議定書の承認案(193条約 号)も決定してあわせて、国会に提出するとみられます。

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名古屋議定書の承認案ようやく2017年2月下旬国会提出、2010年10月に締結

2017年01月29日 19時11分11秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 政府は、「名古屋議定書(生物多様性条約の、遺伝資源取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ公平な配分に関する名古屋議定書)の条約承認を求める件」(193条約 号)を、国会に提出することにしました。

 平成29年2017年2月下旬に閣議決定し、第193回通常国会で審議することになります。

 名古屋議定書は、2010年10月30日に、松本龍環境大臣が議長としてCOP10で採択しました。

 国会に提出されるのは、生物多様性条約を補い、遺伝資源による利益の配分の公正さを定めた国際法。過去に植民地支配をした経験がある国としては、我が国がリードする格好で、締結を主導しましたが、国内手続きをめぐっては、国内団体の巻き返しの動きがあったようです。

 以下に採択時の当ブログ内エントリーを全文引用して、この記事は終わります。

[当ブログ内から全文引用はじめ]

松本龍・環境大臣、議長の木づち高々と 国連・名古屋議定書が午前1時29分の採択 

2010年10月30日 23時59分07秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)

[画像]日本時刻2010年10月30日午前3時、国連COP10名古屋会議の閉会を宣言した松本龍・議長(環境大臣)=NHK映像からキャプチャ

 午前1時29分、8年越しの交渉の末、名古屋議定書(ナゴヤ・プロトコル)が採択されました。環境大臣の民主党衆院議員、松本龍さんは、多国間条約締結という唯一かつ最高の成果を上げて、国連COP10名古屋会議の閉幕を午前3時に宣言し、議長の木づちを高々と持ち上げました。世界各国の参加者は抱き合って喜び、そして別れを惜しんだと報じられています。国際会議や多国間(マルチ・ラテラル)交渉に弱いわが国。名古屋会議も「植民地時代」まで話が戻ったり、会期を延長したりということになりましたが、最後は議長案をわずかに修正した文書が採択されました。

 名古屋議定書は企業が遺伝資源を利用する場合に得られる利益を金銭の支払いや共同研究などを通じて、原産国と分け合う国際ルールで法定機構速力がある。今後、批准の意思を示す各国の署名を2011年2月から1年間、ニューヨークの国連本部で受け付け、50カ国目の批准が完了した90日後に発効する、ということだそうです。

 私はときどき、ダーウィンの発見って無かった方がよかったような気がするときもあります。でも人類は進歩、すなわち前に進まないと生きていけません。先進国・途上国の立場を尊重し合い、遺伝資源の利用によってもたらされる利益の配分をルール化したことで、食料品や医薬品の開発などがしやすくなるでしょう。山中伸弥教授のような基礎研究に限らず、応用分野、ローテクノロジー分野でも日本はバイオ研究・産業の米国に次ぐトップリーダーです。21世紀の数々のピンチをチャンスに変えて、地球上のすべての生き物の共生を実現していきたいものです。バイオ産業による日本の自立と、各国との共生、そして、すべての生き物との共生へとつなげていきたいものです。

 日本の都市名を冠した多国間条約は、1997年の「京都議定書(キョウト・プロトコル)」以来になるのではないでしょうか。気候変動(地球温暖化)の方の国連COP3京都会議では、議長は大木浩さんが務めました。大木さんは外務官僚(ホノルル総領事など)から自民党参議院議員になり、京都会議対策のために内閣改造で環境庁長官になったとされる人物です。戦後の日本を作った「サンフランシスコ講和条約」を太田一郎外務次官らとともに自ら書き、サンフランシスコ講和会議で日本の全権(大使)を務めた吉田茂首相も外交官でした。一方、松本龍さんは、3世議員で父(参院議員)の秘書から衆議院議員になりました。外交官や官僚などの経験のない「党人政治家」です。党人政治家が我が国で開かれた国際会議の議長として多国間条約を締結に導いたというのは、おそらく初めてなのではないか、と思います。

 
[画像]名古屋議定書を締結した上での会議閉会を喜ぶ参加者(NHK映像)

 松本さんは午前3時からの記者会見で「私の力はごくわずかだが、これまでのたくさんの人たちの思いが私に乗り移り、成功に導いてくれた」と述べました。『官僚たちの夏』さながらの「国益のために、いや人類益のために」という志を持った環境省官僚たちの努力を、松本大臣が信頼とテクニックでまとめ上げたのでしょう。これがホントウの「政治主導」です。これに先立ち松本さんは、会議のもう一つの主要議題となった2020年までの世界目標の名前を採択直前に「愛知ターゲット」と名付けました。名古屋会議の開催に協力してくれた愛知県、名古屋市の両自治体に敬意を表したのだと思います。

 京都会議に続き、我が国の外交史に残った名古屋会議。9月の代表選で松本さんは福岡県連の若手らをまとめて菅直人総理の続投に貢献しましたが、その菅さんは議長としてもうすぐAPEC横浜会議を迎えます。菅議長も張り切りすぎずに、官僚や仲間を信頼してください。参加国(地域)はわずか21カ国(地域)で、多国間条約を締結するわけでもありません。会議の参加者も大統領ないしは首相なのですから。まずは笑顔で出迎えるところからスタートです。

  
[画像]松本龍・環境大臣が高々と振り上げた議長の木槌(NHK映像)

「名古屋議定書」を採択=対立乗り越え利益配分ルール―COP10(時事通信) - goo ニュース

名古屋市で開催中の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は最終日の29日夜から30日未明にかけて全体会合を開き、途上国と先進国との対立が続いていた生物遺伝資源の利益配分ルール「名古屋議定書」を全会一致で採択した。議定書は、途上国、先進国双方の主張に配慮した「議長案」として松本龍環境相が同日朝に各国に提示したもので、最終的に193のすべての締約国・地域から支持を得た。同条約が1992年5月に採択されて以来の懸案だったルールづくりが実現した。

 18日開幕の同会議で最大の焦点となった議定書をめぐっては、生物遺伝資源による新薬開発などで得られた利益について、より多くの還元を求める途上国側と、先進国側とが対立。特に途上国側は、新ルールの適用を議定書発効前にさかのぼり、植民地時代に持ち出された資源で開発された新薬なども利益還元対象とすることなどを要求。交渉は難航を極め、議長の松本環境相が事務レベル交渉の期限とした28日中にも合意に至らなかった。

 このため、松本環境相は、ルール適用時期を議定書発効後に限定して先進国側に配慮する一方、途上国側の主張に沿って利益還元の対象を遺伝資源の「派生物」に拡大することなどを盛り込んだ議長案を作り、29日午前に各国に提示した。議長案は途上国側の譲歩を引き出すため、資金援助の必要性も言及。日本政府は議定書採択を前提に10億円の追加支援も表明した。

 しかし、議長案に対する支持が広がりつつも、全体会合は採決の方法などをめぐって紛糾。30日未明になって採択にこぎつけた。このほか、2020年までの生態系保全計画を定める「ポスト2010年目標」についても採択された。その内容は陸地の17%、海域の10%をそれぞれ保護区とすることなどで、「愛知ターゲット」と名付けられた。 

中日新聞:未来へ共生の種 「議定書実行が大切」:環境を考える(CHUNICHI Web) 約3週間の長丁場となったCOP10は30日未明、難産の末、開催地の名を冠した「名古屋議定書」と「愛知ターゲット」を採択。地球の生物多様性の未来に向けた新たな一歩を踏み出した。歴史的な瞬間に立ち会った各国の参加者は喜びを分かち合い、難交渉をまとめた議長国・日本の手腕を評価する声も。今後の実効性に努力する決意も会場にあふれた。=<1>面参照

 

 これが生みの苦しみなのか。日付は、すでに変わっていた。30日午前1時29分。「採択いたします」。異を唱える国がないことを確認し、松本龍環境相が木づちを鳴らす。名古屋議定書が生まれた瞬間だった。 右手で握りこぶしをつくる環境相。会場から割れんばかりの拍手が起き、歓声や口笛が鳴る。皆が立ち上がり、キスをしたり抱き合う姿も。続けて「愛知ターゲット」なども次々採択された。

 「緊張、怒り、ストレス…。そのすべてを感じる難交渉だった。生物多様性にとっての新しい幕開けに立ち会え、誇りに思う」。その瞬間、ブラジル政府のニコル・デ・パウラドミンゴスさん(27)は、ほおを紅潮させた。

 生物資源の効力を植民地時代にまでさかのぼるブラジルら途上国の主張は通らなかった。だが「スケールの大きい交渉は思い通りにはいかない。名古屋議定書が今後、しっかり実行に移されることが大切」と前向きに述べた。

 ドイツの非政府組織(NGO)メンバー、クリスチャン・シュボルザーさんは「70~80点の合格点。歓迎できる結末だった」と笑顔。「議定書の中身の分析が必要」としつつも「日本は非常に良いリーダーシップを見せた」と評価した。

 リベリア政府のヨハンセン・ボーガさん(52)は「各国の妥協の産物には違いないが、何年もかけて作り上げた歴史的な収穫。2週間の議論が無駄にならず、未来につながるよう、中身がもっと現実的になるよう努力したい」と先を見据えた。

 COP10支援実行委員会アドバイザーの香坂玲名古屋市立大准教授は「100点満点の90点を付けても良いのでは」と全体を振り返り、高く評価した。

 暗礁に乗り上げた名古屋議定書の交渉を打ち切らせ、松本環境相が29日朝、提示した議長案。香坂准教授は「日本の大胆な手法が功を奏し、最後に日本が示した10億円の途上国支援策も、議定書採択への誘い水となった」と分析した。

◆松本環境相「たくさんの思い乗り移った」
 「私の力はごくわずかだが、これまでのたくさんの人たちの思いが私に乗り移り、成功に導いてくれた」

 COP10が閉幕して30分後の30日午前3時半に、記者会見した松本龍環境相。議長の大役を終えた疲労感をにじませながらも、「名古屋議定書」の採択にこぎ着けた達成感が満ちあふれた。内閣改造で環境相に就いたのは、COP10目前の9月17日。「ものすごくきつい1カ月半だった。なかでも(閣僚級会合が始まった)27日からは本当にきつい3日間だった」と打ち明けた。

 29日朝、議長案を各国に示した席では「私は物言わぬ生きものたちや言葉をしゃべれない子ども、まだ生まれてきていない人たちの代表でもある」とそれぞれに歩み寄りを求めたという。

 「正直言うと、採択の確信はなかった」とも。「生物多様性を保全するんだという思いを持つ人たちが、あきらめなかった」と関係者への感謝を述べた。議定書が採択された瞬間、会場に拍手と口笛が鳴り響いた。「あの時は泣いた。一生忘れることはないだろう」

[当ブログ内から全文引用おわり]


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原子力損害賠償・廃炉等支援機構法改正案、ねじれ克服法律が5年目の手直し、廃炉等積立金に電力会社の支払い義務付け

2017年01月29日 18時57分32秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 政府は、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法改正案」(193閣法 号)を、平成29年2017年2月上旬に閣議決定し、国会に提出することになりました。

 もともとは議員立法。

 第177回国会(2011年)で、野党の参議院自民党が発議し、与党・民主党(民進党)の岡田克也幹事長らが修正に応じて成立した法律。参議院史上初めて、野党議員提出でその回次で衆参可決で成立した法律です。

 第193回国会(2017年)に提出される改正法案は、官民ファンド「賠償・廃炉機構」に「廃炉等積立金」を新設。電力会社の積み立てを義務付ける内容。施行後5年で、機構の役割が定着したということでしょう。所管は内閣府本府です。

 6年前の衆参ねじれ震災国会で、法案が、衆議院で修正可決したときのエントリー記事を以下に全文コピペします。



[当ブログ内エントリーから全文引用はじめ]

柿沼正明さん(衆民主党)、森雅子さん(参自民党)が初答弁。「原賠機構」「仮払い」2法案が修正議決 

2011年07月26日 20時18分51秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]衆院第1委員室の答弁席で答弁する民主党1期生の柿沼正明・衆院議員(群馬3区)、2011年7月26日、衆議院東日本大震災復興特別委員会

【2011年7月26日(火) 衆院・東日本大震災復興特別委員会】

(1)与党・民主党内閣が提出した
「原子力賠償スキーム法案(原子力賠償支援機構法案)177閣法84号」と、 

(2)佐藤正久さんら参院自民党・公明党・みんなの党・たちあがれ・新党改革共同提出で、参院可決済みの
「原子力被災者への国費による仮払い法案(平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案)」177参法9号

 がともに、民自公などの修正協議のうえ、修正議決しました。

 自民党の佐藤正久さん、森雅子さん、みんなの党の小熊慎司さん、新党改革の荒井広幸さんんら福島出身の参院議員の努力が法律になります。ときに「ヒゲの隊長」佐藤正久さん、人気の森まさこさんは衆院第一委員室の答弁席は初めてということになりました。おそらく次の政権交代後には、イヤと言うほど答弁席に立つことになりそうな2人ですが、政治生活で初めてとなりました。勤続1年を超えたばかりの小熊慎司・元福島県議は熱い物を感じました。

 
[画像]初めて答弁席に立った、参院自民党の森雅子さん、2011年7月26日、衆院東日本大震災復興特別委員会、衆議院インターネット審議中継から。

 政権交代チルドレン140人から柿沼正明さんも花舞台・衆院第1委員室の答弁席に立ちました。政権交代チルドレンの衆院第1委員室での答弁は、6月9日の「復興基本法」に関する後藤祐一さん以来2人目。「NPO促進法改正案」の審議では、岸本周平さんが参院の内閣委員会で答弁しており、合計では3人目。後藤祐一さんは経産官僚、岸本さんは大蔵官僚出身ですが、官僚出身以外の党人派では、柿沼さんが初の答弁となりました。柿沼さんは1965年生まれの46歳。群馬3区で54・0%の優秀な得票率で初当選しましたが、第43回衆院選では広島から、第44回郵政選挙では群馬3区に国替えして出たのに落選と苦労しています。しかし「遅れた来た実力ルーキー」として、経産委理事、財金委理事、そして特別委員会(定員50人)理事と確実にステップアップしてきました。国会内でこれ以上は、予算委理事、議運委理事、そして各委員会の筆頭理事ぐらいなもんです。柿沼さんは日本興業銀行の総務部にいたことがあったそうで、バブル経済期の金融機関の総務部で「いろいろな人」と交渉する仕事をしていたようです。こういったねばり強い修正協議はお手の物なのでしょう。官僚出身ではない党人派でトップランナーに立ちました。小泉チルドレン80人は、当選1ヶ月後に猪口邦子・内閣府特命担当大臣が第3次小泉内閣に入っています。その一方、政権交代チルドレン140人は2年経っても、だれ一人、政務三役に起用されていません。第46回衆院選で野党に転落する可能性もありますから、そろそろ政務三役を経験させるための内閣改造というのも、菅首相は考えてもいいかもしれません。その場合は、人気よりも、こういった国会での実績で判断すべきでしょう。

 実務者による修正協議というものはインターネット中継がないので、中身が見えないのですが、再開後の委員会で、後藤斎(ごとう・ひとし)理事さんが質問のかっこうで説明したところでは、先週の金曜日に民自公の修正案の合意があり、3党の党内手続きをすませて、週明けのきょうの午前中もやっていたということです。また閣法の「機構法」と、参法の「それに先立つ国の仮払い法」ですが、後藤理事は「(両法が)補完し、セットになることで(関係者の)不安を払拭できる」と答弁しました。また、自民党の修正者の西村康稔さんが不在の時に、後藤理事がかわりに答弁する“呉越同舟”がありました。後藤さんと西村さんは、経産委員会の与野党筆頭理事どうしでもあるはずですから、再生エネルギーの全量固定価格買い取り法案(177閣法51号)の修正協議も期待できそうです。

 自民党衆院議員の吉野正芳さんによると、「参院自民党の佐藤正久さん、森雅子さん、岩城光英さん、そして私(吉野正芳衆院議員)の4人が毎週水曜日の昼にご飯を食べながら情報交換をして、仮払いが必要だということになった」と自ら明かしました。このように実務者による修正協議の経緯はしめくくり決議や討論でしゃべって、ぜひ議事録に残すように心がけてほしいと願います。この吉野さんの質問の中での経緯の説明については、大臣の海江田万里さんも「今のお話で経緯がよく分かりました。ありがとうございました」と答弁しました。

 そして、最終的に、「原賠機構」と「仮払い」はともに与野党の修正のうえ議決しました。


[画像]「仮払い法案」の衆院での修正議決でお礼をする佐藤正久さんら提出者の参院議員ら5人、右は海江田経産相、2011年7月26日、衆院東日本大震災復興特別委員会、衆議院インターネット審議中継から。

 みんなの党が単独で機構法案の修正案を出し、否決されました。また、「原賠機構」も「仮払い」も民自公による付帯決議がつきました。非常に複雑な審議で、衆院事務局議事課のみなさんも腕の見せ所だったと考えます。

 テレビではほとんど報道されませんが、国会はきょうも面白かったです。

 参院の厚生労働委員会では、冒頭に、民主党で元厚労政務官の足立信也さんが「歯科口腔保健の推進に関する法律案」を提出し、津田弥太郎・厚労委員長の名前で起草することになりました。その後、昨年の174通常国会で参院で廃案になっていた「国民年金法の(事後納付を2年間から10年間可能にする)改正案」について、衆院から牧義夫・厚労委員長が登場して、衆院における修正を説明しました。

 さらに参院内閣委員会では、「障害者基本法の改正案(177閣法59号)」では民主党衆院議員(新潟1区)の西村智奈美さんが衆院での修正について説明しました。西村さんは政権交代後、岡田克也外相のもと、西村外務政務官として何度も答弁していますが、今度は、障害者基本法の改正案の修正者としての答弁で幅を広げています。

 きょうはこのように複雑な国会審議、衆参とも事務局の委員部は知識と経験がフル回転で大変だったでしょう。

 もうちょっとマスコミはこういった国会の動きを報じたらどうなんでしょうか。

 なお、前回のねじれ国会では、野党・参院民主党・国民新党・社民党・共産党が提出し、参院で可決し、衆院に送付した法案が、可決・成立した例はなかったと思います。それが今回のねじれ国会では、野党・参院自民党ら5党提出が、衆院では与党民主党、野党自民党、公明党、たちあがれ日本の修正協議もあり、可決しました。次の衆院本会議で可決後、修正部分が参院に回付され、参院委員会で可決、本会議に上程され、可決・成立するでしょう。これは参院自民党が力をつけてきたこともありますが、仮に衆院で政権交代(与野党逆転)があった場合でも、野党・参院民主党の提出した法案が可決する前例が出来たと思います。

 民主党は1998年の結党以来、通常国会で、本予算を3月31日までに成立(採決)させなかったことは一度もありません。ですから、政権交代後、2010年3月24日、2011年3月29日と年度内成立に成功しており、細川・羽田内閣のトラウマ(第129通常国会で1994年6月23日成立までずれ込んだことがありました。

 これからは、衆院民主党は野党転落時を想定し、参院自民党は与党返り咲き時を想定して国会を運営して欲しいと考えます。蝸牛の歩みのようにも思えますが、国会は前に進んでいます。時間がかかるのは民主政治のコストです。

 それにしても、マスコミはもうちょっと報道したらどうなんでしょうか。

 なお、このエントリーは速報版です。というのは、私は「原賠機構法案」と「仮払い法案」がどう修正されたのか、現時点でよく分かりません。けっこう、そういうときには隙ができやすいのですが、まだプロセスは残っています。あすの新聞でじっくり深掘りして読むのを楽しみにしています。

[当ブログ内エントリーから全文引用おわり]

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平成29年度予算案の給付型奨学金「2800人×48万円以下」公明党政調会長「小さい」と認め「小さく生んで大きく育てる」と語る

2017年01月29日 10時23分33秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]平成29年度予算書の該当部分、赤線は筆者加筆。

 公明党の石田祝稔政調会長は、平成29年2017年1月29日のNHK日曜討論で、平成29年度予算案(提出済み)で新しく設けられた、給付型奨学金について、額や規模が少ないと認めました。

 民進党の大串博志政調会長が本予算案について「国民の皆さんの不安を払しょくする内容ではない。例えば、教育の無償化は大胆に押し進めるべきであって、給付型奨学金、たった2800人に年間最大48万円は国民生活には不足している」と語りました。

 この後に発言した、石田さんは、話の途中で「さきほど大串さんから、給付型奨学金、小さいじゃないかとのお叱りもいただいたが、今までに無かったのを創設した。小さく生んで大きく育てる。29年度は2800人だが、30年は2万人になる。私たちはもっと大きくしないといけないと思っている、まあ、未来に対する投資であると(考えている)」と述べました。

 政策を推し進めてきた公明党自ら不十分だと認めた格好。

 「小さく生んで大きく育てる」は塩崎厚労相が改正労働者派遣法(一昨年9月施行)の国会審議にあたり、経営者団体の非公開会合で語ったことで批判されたフレーズです。

 政府は今週の閣議で、「独立行政法人日本学生支援機構法改正案」(193閣法 号)を決定し、国会に提出するはこび。

 法案は「特に優れた学生等であって経済的理由により極めて修学に困難があるもの」に対し給付する予定。学生支援機構に「基金」を創設する法案。

 平成29年度予算案(国会提出済み)では、一般会計から「基金」に歳出することにしていますが、機構への歳出の上限は前年度比わずか数千万円の増加と見積もっています。

 ◇

 これとは別に組織犯罪等処罰法改正案の提出予定について、日本維新の会政調会長の浅田均さん(参)は、取り調べの可視化を裁判員裁判対象事件よりも広げたうえで、テロ防止法と組織犯罪処罰法の2本立てで立法すべきだとの考えを示しました。

 ◇

 番組日は、自公民共維の政調会長が出席し、上述のほか、自民党政調会長に再登板した茂木敏充さん、日本共産党の政策委員長に新しく就任した、笠井亮さんも出演しました。

 このエントリー記事の本文は以上です。 

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