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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

[きょうの国会]参議院自民党幹事長、28年ぶり衆参単独過半数の通常国会で「総理(総裁)を裸の王様にしない」衆議院維新の会「憲法改正案を掲げて解散し、その後国民投票」を提案

2017年01月24日 19時16分59秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 政府4演説に対する代表質問が参議院で始まりました。衆議院では、自民公共維の5会派が一巡して終わりました。

【参議院本会議 平成29年2017年1月24日(火)】

 国務大臣の演説に関する件第2日があり、代表質問が始まりました。

●参議院自民党、与党内野党宣言

 昨夏、議長に就任した伊達忠一さんをひきついで、参議院自民党幹事長に就任した吉田博美さんが登壇。昨秋の代表質問登壇者は、橋本聖子会長でした。

 28年ぶりに自民党が衆参単独過半数を得て、カーボンコピー化が予想される参議院で、吉田幹事長は「私は安倍内閣の4年以上、参議院国対委員長など党役員をつとめたが、安倍総理(総裁)から上意下達の命令を受けたことは無い」と、そりゃそうだろうという事実をもとに、「強権的な指導者というイメージはメディアがつくりあげたものだ」と語りました。ただ、上意下達の命令を受けた唯一の例として、平和安保法制(戦争法)の議論時に、「デモ隊から1人でも死傷者を出してはいけない」との指示を受けたことを明かしました。おそらく2015年9月16日かその前の指示とみられ、貴重な証言といえます。

 吉田さんは「総理がおそれるのは裸の王様になることだ。これからも苦言を呈していく」と与党内野党宣言をしました。

 吉田さんは「参議院自民党は初めての女性会長、公明党は7年以上参議院議員の代表、野党第一党も女性の代表」と参議院議員の存在感を強調。「建設的な提案で、政権交代可能な野党になってほしい」とし、昨年末の臨時国会でIRカジノ法共同修正で共闘した参議院民進党にエールを送りました。

 安倍首相(総裁)は答弁の冒頭「示唆に富んだご質問をいただいた」と配慮を示しました。
 
●参議院民進党は蓮舫代表が秋に続きトップバッター

 これに先立ち、参議院民進党が代表質問。秋に続き、蓮舫代表がトップバッター。「アベノミクスの対案は、教育、教育、教育だ」と語りました。ただ、教育はサービスであり、目に見えないモノ、後に残らないモノです。公的社会資本形成にはつながらないので、経済政策ではなく、財政政策というべき性質のものだと私は認識しています。どんなに優秀な人材がいても機械が無ければ、経済は回りません。

【衆議院本会議】

 カナダ上下両院の議員団が傍聴しました。

 公共維の3会派が登壇し、合計5会派6名が一巡して代表質問を終えました。

●衆議院公明党は働き方改革で首相と呼応、首相左にウィングを広げる

 衆議院公明党はいつもどおり、井上義久幹事長。「就職氷河期に就職活動に失敗した高学歴ニートの活用が必要だ」と、経済政策の面から資格取得などの補助を要請。東北ブロック選出だけに、「福島イノベーションコースト構想を法案に盛り込んだ、福島復興再生特別措置法改正案は法案の成立を心からお願いします」と議員に向けて語りかけました。首相は「インターバル規制を導入する中小企業の助成金を出す。もはや先送りはしない。就職氷河期の不本意非正規雇用者には資格取得の施策を講じる」と答弁し、左にウイングを広げました。

●衆議院共産党は平和、格差、憲法をつらぬく

 志位和夫委員長は、戦争法に関係して、先日、国連決議に反対したのは、南スーダンの情勢悪化を認めた内容があるからではないかと指摘しました。この後、過労死、中間層から下層へ落ちていく格差の問題、そして、憲法を取り上げました。この平和→格差→憲法は長年の共産党の持ち味。現代史において、共産党が変わったのではなく、自民党が変わったことを実感させました。

●衆議院日本維新の会は憲法改正の手順で首相と呼応

 馬場伸幸幹事長が質問。まず、参院選の公約のほとんどを101本の法案にして臨時国会で参議院に提出したと語りました。なお、101本とも継続調査の手続きなしに廃案となりました(関連エントリー日本維新の会、法案101本が審議未了廃案、参議院史上最多、民進党は49本中48本が継続審査に、様々な立場から維新に対して「参議院法制局は過労死寸前」など非難轟々)。

 馬場さんは「野党を野党らしくする責任野党をめざす」という独特な立ち位置を宣言しました。

 馬場さんは、憲法改正について、維新が「教育の無償化」を入れる案を検討していることについて、安倍首相は評価してくれた」とし「各党は具体的な憲法改正案を問いかけるべきだ」としました。この後、「(1)各党が改憲案を示して衆議院解散総選挙をたたかう(2)国会で濃密な議論をする(3)発議し、国民投票をするーー」という、「憲法改正解散」を呼びかけました。自維がどのくらい腹合わせをしていたか気になるところでしたが、答弁で安倍首相は解散を考えていないと強調しました。ただ、安倍首相は馬場さんに対して「まず、維新の会が憲法改正の議論をしていることに敬意を表する」とし、「国会の憲法審査会で議論し、具体的な案ができることをのぞむ」と発言しました。今国会にも改憲発議というおとといからの日程感についてが否定しきれない状況となりつつあります。

 衆議院での代表質問は終わりました。補正と本予算一体の代表質問だったので、2月の補正採決・成立後は、本会議無しに、予算委員会となるはこびです。

【参議院決算委員会】

 国政調査(国家財政の経理の件と国有財産の管理の件)と委員派遣が認められました。

 例年通り、前半国会で視察するのだと思います。

【衆議院議院運営委員会】
【参議院議院運営委員会】

 安倍首相の「プラカード」発言や、議運常連である自民党現職について、自民党福井県連会長が逮捕歴があるので2区の公認申請を辞退するよう主張している事案も含めて、理事会では早くも前哨戦が始まっているようです。

この記事の本文は以上です。

(C)2017  宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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三六協定(さぶろくきょうてい)は労働基準法36条の改正案が必要、上限規制で、厚労省検討会がとりまとめ、今後は官邸の働き方改革実現会議が主導の見通し

2017年01月24日 06時19分26秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 gooニュース=時事通信=(残業規制へ法改正提言=上限を設定、例外余地も―厚労省検討会)によると、厚生労働省労働政策審議会におかれた、

 「36協定(さぶろくきょうてい、さんろくきょうてい)のあり方に関する検討会」(今野浩一郎座長)が労働基準法改正のための論点整理をまとめました。平成29年2017年1月23日(月)まとめ、近く、官邸に置かれた働き方改革実現会議に提出。今後は、首相官邸におかれた、働き方改革実現会議が主導して議論が進む見通し。

 論点整理では、「同業他社との争いがある会社では、自主的に取り組みでは限界がある」として、労働時間の上限規制を盛り込んだ、改正法案が必要だ、との方向性が示されたようです。

 昨年来、同省の塩崎大臣が前のめりの発言をしていましたが、今年になってから、官邸主導色が高まり、3月の「同一労働同一賃金など働き方改革」の中間とりまとめに一本化される方向性となりました。20日付の日経新聞は1面で「上限規制は残業時間が月60時間ないし80時間の方向性」と見出しを立てたうえで記事を掲載。「官邸がとりまとめ、2017年中に法案を提出し、2019年に施行する」というスケジュール感が本文中に盛り込まれました。今国会召集日に、「残業時間が月80時間」というどうでもいい、本質から外れた情報で見出しを立て、「年中の法案提出」と打ち出したことから、今国会(当初会期は6月18日まで)に提出しないとのリードがされたとみることができます。また「官邸主導」をリードしたとも思われ、経団連なども支持していると考えられます。

 一方、労働基準法36条の上限規制の必要性は、各党が共有しており、残業時間ではなく総労働時間、月ではなく週、労働時間規制ではなくインターバル(退勤してから出勤するまで11時間程度あけること)との視点も出ています。

 労働法制は民法の特別法であり、民事での労働委員会や裁判所での地位救済を優先させるために、刑事・行政面での罰則は法制上消極的となっていますが、最初に制定された、労働基準法では罰則規定が多く残っており、罰則の規定と運用の強化が期待されます。

この記事の本文は以上です。

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