「主要農作物種子法廃止法案」が、第193回通常国会に提出されるはこびとなりました。
今の法律では、米、大豆などの品種改良は、「ほ場審査」という、県による許可行政としています。
品種改良は、国でもなく、市でもなく、県の仕事。例えば、鹿児島県立試験場では、稲の長さが2センチ長い品種改良がされ、気温が高い同県で、手植えの腰をかがめる角度が楽になりました。各県の品種改良のうち、「傑作」は、「農林○○号」の名とともに他県にも広がりました。各県の技官たちの情熱により、日本中に、おいしくて豊作でいもち病に強い、世界断然トップの米(コメ)大国を作り上げたようすは、国立科学博物館でも展示・説明されています。
大豆の場合は、より一層、地域による適性が違いますから、より「県」の仕事。
廃止法案の趣旨は、県の許可を要らなくすることにより、県立試験場の役割は維持しながら、民間が「バイオゲノム」として農作物の品種改良にもより一層参入しやすくなることにつなげたいのだろう、と私は理解しています。
廃止法の施行日や、目的などは農林水産省が資料をつくり、2月から4月にかけてホームページで公表する見通し。
法案は、予算通過に前後して、国会に提出される見通し。ただ、農林水産省では、米の数量と価格の調整について「収入保険」を創設する法案が以前から予定されているほか、JAが扱う農業資材を安くするための法案について与党がとりまとめ、政府税制改正大綱にはすでに成立を見越した減税措置が盛り込まれいるため、審議の順番によっては、6月までに成立せず、継続審議になる可能性もあります。
この記事の本文は以上です。
(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
日本法令索引(国立国会図書館)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
インターネット版官報
[お知らせおわり]