虫の音色

昨夜、お風呂から上がって、台所で一人、スイカを食べていたら
一匹の虫が、勝手口のすぐ外で鳴きだしました。

鈴を振っているような、可愛らしい鳴き声。
激しい雨の後なので、一匹だけしか聞こえません。
そのせいか、少し寂しげで、愛おしい声でした。

驚かせたら鳴くのをやめそうなので、そ～っと電気を消して
勝手口のドアにもたれて座り、しばらく聞いていました。

秋の虫には、『縄張り主張鳴き』と、メスを呼ぶ『一人鳴き』があるそうですが、
この夜は、間違いなく『一人鳴き』だと思いました。
だって・・・こんな可愛い声で、切なげに呼ばれたら、思わず寄って行っちゃう(笑）

住宅街の庭は、手入れされていて、虫たちにとって棲み難いと思います。
住民は、虫の声を愛するくせに、肝心の虫の生活にはまったく興味がなく
無神経に殺虫剤や除草剤をまき・・・
草茫々の空き地すら見当たりません。
でも、残された小さな草むらで、細々と、でも精一杯生きていました。

いまや、ペットショップでキリギリスが売られる時代。
いずれこの世から『秋の虫』がいなくなって、
『懐かしの虫の音色』というＣＤが、発売されるかもしれません。

せめて、我が家の庭だけでも、自然のままの『昆虫天国』にしておくからね。
ただし、蛇や野鳥にとっても『天国』だから、くれぐれも気をつけてよ～（笑）