~収録作品とあらすじ~
医師から警官に転職した桐沢は、寮内で警察手帳を紛失する…「創傷」
教場内でマレット(バチ)、ミット、マウス等の使い道の無い物ばかりが盗難に遭う…「心眼」
プールでの救助訓練で教官に溺れさせられた津木田は復讐を試みたが、濡れ衣を着せた相手はなぜかそれを覚えておらず…「罰則」
風間教官を慕う菱沼は地元局のインタビューにある仕掛けを施すが、風間にそれが露見し…「敬慕」
強行犯の刑事を志す仁志川は殺人事件の模擬捜査を風間に提案し、熱心に調べを進めるが…「机上」
総代候補に挙げられながらも他人を殴ることに大きな抵抗を持つ美浦は、卒業間際に大きな試練を迎える…「奉職」
警察学校を舞台に、警官の卵達が織り広げる人間模様を描いたシリーズ第二弾。
~感想~
前作は2013年の文春1位に輝いたものの、この続編は全くと言っていいほど話題にならなかった。
確かに全ページに(物語上の)伏線がある勢いだった前作と比べれば、完成度は数段落ちるが、いずれも及第点は超えている佳作揃いではある。
しかし、どう考えても怪しい容疑者がいるのに「恨まれる覚えがないからです。誰からも」などとのん気な発言を放つ桐沢が総代候補という矛盾を抱えた冒頭の「創傷」からして不穏な幕開けで、続く「心眼」ではミットの盗難の理由に伏線が存在せず、「罰則」は都合の良すぎる設定がいくつも重なりと、粗い面がちらほら。
後半3編で持ち直し、最後の「奉職」は全体を締めるにふさわしい幕切れのため読後感は良いが、やはりどうしても前作と比べれば評価が辛くなるのも仕方ないところであろう。
17.2.2
評価:★★★ 6
医師から警官に転職した桐沢は、寮内で警察手帳を紛失する…「創傷」
教場内でマレット(バチ)、ミット、マウス等の使い道の無い物ばかりが盗難に遭う…「心眼」
プールでの救助訓練で教官に溺れさせられた津木田は復讐を試みたが、濡れ衣を着せた相手はなぜかそれを覚えておらず…「罰則」
風間教官を慕う菱沼は地元局のインタビューにある仕掛けを施すが、風間にそれが露見し…「敬慕」
強行犯の刑事を志す仁志川は殺人事件の模擬捜査を風間に提案し、熱心に調べを進めるが…「机上」
総代候補に挙げられながらも他人を殴ることに大きな抵抗を持つ美浦は、卒業間際に大きな試練を迎える…「奉職」
警察学校を舞台に、警官の卵達が織り広げる人間模様を描いたシリーズ第二弾。
~感想~
前作は2013年の文春1位に輝いたものの、この続編は全くと言っていいほど話題にならなかった。
確かに全ページに(物語上の)伏線がある勢いだった前作と比べれば、完成度は数段落ちるが、いずれも及第点は超えている佳作揃いではある。
しかし、どう考えても怪しい容疑者がいるのに「恨まれる覚えがないからです。誰からも」などとのん気な発言を放つ桐沢が総代候補という矛盾を抱えた冒頭の「創傷」からして不穏な幕開けで、続く「心眼」ではミットの盗難の理由に伏線が存在せず、「罰則」は都合の良すぎる設定がいくつも重なりと、粗い面がちらほら。
後半3編で持ち直し、最後の「奉職」は全体を締めるにふさわしい幕切れのため読後感は良いが、やはりどうしても前作と比べれば評価が辛くなるのも仕方ないところであろう。
17.2.2
評価:★★★ 6