小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『きのうの世界』恩田陸

2009年01月06日 | ミステリ感想
~あらすじ~
塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?


~感想~
大風呂敷を広げることと、広げた風呂敷をたたまないことに定評のある作者だが、今回は(だいたい)きちんとたたんだ印象。
だがそのたたみ方が実に突飛で、早い話が作者自身も認めるとおりのバカミス的である。
どうにも感想が書きにくいので、taipeimonochromeさんのブログから引用すると、

何というか、一人の男の死にはどんなドラマがあったのか、みたいなフツーのミステリかと思っていたら突然物語は急旋回、水晶のピラミッドの眞上までブッ飛ばされて呆氣にとられていると、それが実は匣の中だったことが明らかにされるや最後は千の風になってジ・エンド、――みたいなかんじと言えば分かってもらえるでしょうか(意味不明。でも讀めば分かります)。

読み終わればこの感想が的確だとよくわかるし、僕にはこれ以上に最適な表現はできない。
なので引用だけで感想を済ませてしまうが、アンチ恩田陸でも一読の価値はある、ぶっ飛んだ作品だということは強調しておこう。


08.11.19
評価:★★★ 6
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