38歳のSさん。学生時代にがんが見つかり、1年間の抗がん剤治療経験がありました。生理、排卵は順調にあり、23歳で結婚。10年以上もの間子宝を望みながら授からず、遠方から相談に見えたのは3年前の夏。体調をうかがうと、ひどい生理痛に大きな血塊、寝るのは深夜2時で
睡眠の質も悪く、イライラ、憂鬱、いつも眠くだるい、立ちくらみ、動悸、じんましんに慢性鼻炎に冷え性。慢性的な頭痛と肩こり、耳鳴り、便秘にゲップやガス…ありとあらゆる症状は
〝全身からの悲鳴”で、子宝どころではない状況を示していました。
まずは
根本的な体質改善を優先し、
補気養血・活血薬を中心とした漢方薬の服用と、
夜更かしなど
生活習慣を見直すことをお願いしました。半年もするとずいぶん改善したため、生理周期に合わせて薬を飲み分ける
「周期調節法」を始めました。それから更に半年後、基礎体温も良くなってきたので不妊治療との併用を提案しました。さっそく地元の専門病院を受診したところ、「抗がん剤治療と年齢から
AMH(卵子の残存数を示すホルモン)が1.1と低く、妊娠力が低下している」との診断で
体外受精をすることに。
漢方を服用して丸1年目の秋、採卵を2度続けて実施。2度目の移植で陽性反応が出ましたが、残念ながら子宮外妊娠で手術することに。心身が落ち着いた翌春、3度目の移植も結果は陰性。「
子宮腺筋症から、
子宮がボール状に腫れている」ため生理を止め、着床環境を改善することになりました。この4ヶ月間は内膜症治療を補助する漢方(清熱解毒・活血薬)を中心に併用し、子宮の腫れが引いたところで
4度目の移植→昨年末、
無事着床したとの連絡が。
様々なことを克服し、
結婚15年目にして待望の妊娠でした。
現在は安胎薬を服用しながら、大事に経過を見ています。「先日
5ヶ月検診でした。
元気に育っています。心身共にサポートして頂いたおかげです」と嬉しいメールを頂きました。
出産予定は夏ごろ。私も元気な赤ちゃんと会えることを楽しみにしています!
日本不妊カウンセリング学会
認定カウンセラー
夏苅竜子
ながさきpress 2015年4月掲載
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おめでとうございます!
Sさんは元気な赤ちゃんを出産されました。
漢方の身体づくりと体外受精の併用で、結婚15年目にしてようやく授かったとてもカワイイ男の子。
産後数日で髪が真っ黒! 安胎薬をしっかり飲まれた証拠です。
“腎”がしっかりしていますから、元気で賢い子に育ってくれると思います。
(“腎”は成長・発育・老化に関係し、脳や骨・髪・生殖器系と関係が深い臓腑です)
途中、子宮外妊娠や子宮内膜症を治療するために生理を止めたり…、妊娠中も妊娠糖尿病など
いろいろな事がありましたが、その都度サポートさせて頂きました。
お産の時間もかなりかかったそうで、いまはそのダメージを取るべく産後養生の漢方薬を飲んで頂いています。