11月2日、NHKニュースの記事です。 核分裂を制御できない状態にあるということは、「冷温停止状態」とは言えません。そして、危機管理の問題です。東電から1日深夜に原子力保安院が連絡を受け取っていながら、首相補佐官から野田首相へ連絡が入ったのが2日の午前7時過ぎだったそうです。これが問題です。
(引用) 東京電力福島第一原子力発電所の2号機で採取した格納容器内部の気体から、燃料のウランが核分裂したときに出来る放射性物質のキセノンが検出されました。原子炉の圧力や温度などに大きな変動はありませんが、東京電力は、核分裂反応が連続する臨界が一時的に一部の場所で起きた可能性もあるとみて、監視を続けることにしています。
福島第一原発2号機では、先月28日から格納容器の中の気体を吸い出し、フィルターを通して放射性物質を取り除く装置の運転を始めていて、この装置の出口付近で放射性物質の種類や濃度を測定して分析しています。その結果、1日に採取した気体から、燃料のウラン235が核分裂したときに出来る放射性物質のキセノン133とキセノン135が、1立方センチメートル当たり100万分の6ベクレルから10数ベクレルと、ごく微量検出されたということです。
また、2日に採取した気体からもキセノン135が検出されました。放射性物質の量が半分になる半減期は、キセノン133が5日、キセノン135が9時間といずれも短いため、東京電力は、3月の事故直後ではなく、最近、核分裂反応が起き、臨界が一時的に一部の場所で継続した可能性もあるとみています。ただ、原子炉の温度や圧力などに大きな変動はないことから、大規模で長時間の臨界は起きていないと判断しているということです。
一方、検出されたキセノンの量がごく微量なため、念のため検査結果に誤りがないか日本原子力研究開発機構に再調査を依頼しています。東京電力は、2日午前3時前から、1時間にわたって原子炉に核分裂反応を抑えるホウ酸水を注入するとともに、キセノンの検出が継続するかどうか監視を続けています。
事故の収束に向けた作業への影響について、東京電力は「2号機の原子炉の冷却が進んでいる状況に変化はなく、冷温停止状態の達成に大きな影響はないとみているが、1号機と3号機についても状況を確認する必要があり、原子力安全・保安院とよく議論したい」と述べました。(終了)