聴取会委員の井野博満・東京大名誉教授(金属材料学)は「不備があった安全審査を見直さないまま、テストを安全性の判断に使うのは理解できない」と指摘。テスト以前に、耐震設計への安全評価の見直しや、老朽化した原発の運転をどうするかを再検討すべきだとした。原発の地元住民を意見聴取会の委員に加えることも求めたが、保安院は「地元への説明は別に実施したい」とした。
テストは2段階に分かれている。まず定期検査で停止中の原子炉を再起動させるために1次評価をし、その後さらに厳しい条件の2次評価をする。この点でも井野委員は「すぐに全原発を停止して、2次検査をするべきだ」と批判した。岡本孝司・東大教授(原子力工学)も「安全の本質を確認する2次評価を先にやるべきだ」と訴えた。(終了)