隆々ブログ

小平市議会議員 立花隆一の活動報告です。

TPP交渉に反対する論客の演説からわかったこと。

2011-11-11 | 政治

野田佳彦首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、記者会見(11日夜)で、「明日から参加するホノルルAPEC首脳会合においてTPP交渉参加に向けて、関係国との協議に入ることにした」と述べ、交渉参加を表明しました。そこで、11月5日、TPP交渉参加に反対する中野剛志・京大准教授の演説会から以下、引用します。

(引用)昨年12月に合意に至った米韓FTA(自由貿易協定)。いかに無惨な内容だったか説明したい。(略)

 韓国政府は、アメリカが韓国の自動車市場に参入しやすくなるよう、排ガス診断装置の装着や安全基準認証などの義務に関して、米国から輸入される自動車は免除するという“例外”をのまされました。(略)

 TPPで最も懸念されるのは、投資家保護を目的とした「ISDS条項」。これは、例えば日本への参入を図ったアメリカの投資企業が、国家政策によってなんらかの被害を受けた場合に日本を訴えることができるというもの。(略)

 さらに以下内容がまったく国民に知らされないまま水面下で進行しているのも問題である。
(1)日本の関税率が世界標準と比較して極めて低いこと
(2)TPPが実質的に日米EPAであること
(3)日米以外のTPP参加国が基本的に一次産品輸出国であること
(4)米の関税率が撤廃されれば、日本の米作農家の大半が立ち行かなくなること
(5)TPPの核心が財の貿易にはないこと
(6)共済制度の廃止による米国保険産業の進出が目論まれていること
(7)郵貯・かんぽ資金が米国保険業界に狙われていること
(8)混合診療が強制され、貧乏人は適切な医療を受けられなくなること
(9)米国保険業界が民間医療保険商品を販売しようとしていること
(10)農薬使用制限、排ガス規制などが緩和されてしまうこと
(11)紛争解決が国外機関に委ねられると「治外法権」が成立してしまうこと
(12)TPPが米国の輸出拡大戦略のなかから生まれていること
(13)交渉に参加してからTPP不参加を表明することが重大な外交問題になること
(14)農業のGDP比は低いが、農耕地は可住地の4割弱を占めており、美しい国土保全の観点における農業の役割は極めて重要であること
(15)農村の共同体社会の破壊は日本文化の破壊につながりかねないこと
(16)TPPでメリットを受ける製造業は日本の17.6%しか占めておらず、残りの82.4%の産業にとって、TPPはデメリットをもたらすものであること
(17)日本の国益を考えるなら、中国への輸出の重要性がはるかに高く、TPPはこの要請に矛盾すること(終了)