5月4日、産経新聞の記事です。これから怖いのは東海・東南海・南海地震が連動・連鎖して起こる地震です。これに、東京の都心部はどう備えるのか?ということです
「東海」と「東南海」「南海」の3地震は、いずれもフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込むことで起こる海溝型地震で、東日本大震災の際の地震と同じ仕組み。
中央防災会議が15年9月に発表した被害想定では、3つの地震が同時発生した場合にはM8・7の超巨大地震となり、神奈川県から宮崎県までの範囲で震度6弱以上の揺れに見舞われ、高知県などには10メートル超の大津波が押し寄せる。最悪の場合、死者は約2万8千人、経済的被害は約81兆円に達するとしていた。
この想定の前提となる地震の震源域は、東海沖から四国沖のエリアに限定されていた。だが今春、東大地震研究所の古村孝志教授らの文部科学省のプロジェクト「東海・東南海・南海地震連動性評価」が調査したところ、震源域はさらに西の九州・日向灘沖まで広がっている可能性があることが分かった。
この場合、古村教授は「慶長(1605年、M8)と宝永(1707年、M8・7)を合わせたような大規模クラスの地震になる可能性がある」と指摘。15年に公表した被害想定に比べ、特に四国、九州で津波の大きさが1・5~2倍の5~10メートル超になるとみられる。
また、東日本大震災では海溝型地震特有の長周期地震動により、超高層ビルや石油コンビナートで被害が相次いだほか、大阪府の咲洲庁舎(55階建て)でも1億円の被害が出ており、「長周期地震動についても想定を大きく超えた現象がみられた」(中央防災会議)として、見直しに盛り込む方針だ。
古村教授は「今回の大震災の特徴は、これまで想定されなかった震源域が連動して起こったことが最大の問題点」と指摘。「震源域を広げ、さらに東日本大震災の分析を加味したうえで、『東海・東南海・南海地震』の正体をどう見極めるか、抜本的な見直しが必要だ。いずれにせよ、1年といわず可能な限り早急に対応しなければならない」と話している。(終了)