3月16日に菅首相が肝いりで任命した、御用学者である、小佐古敏荘(東大教授)内閣参与が辞任しました。
氏がもっとも問題視したのは、文部科学省が福島県内の小学校・幼稚園などを制限する放射線量を「放射線量20ミリシーベルト」と設定したことでした。しかし、首相は予算委で「安全委の助言を得ながら最終的な判断をした。」とあっさり認めてしまいました。
これは、つまり小佐古氏を「何を言っても無意味ならば参与にとどまる意味はない」と追い込んだのは首相自身だ、という証明ともなりました。以下は4月29日の49NEWSの記事です。
政府の原発事故対応への不満が顕在化した。首相が「知恵袋」として活用するため起用した参与が抗議の辞任をするのは、極めて異例だ。
小佐古氏は29日夕、国会内で記者会見し、放射性物質の拡散を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による測定結果の公表遅れを問題視。原発作業員の緊急時被ばく線量限度を年100ミリシーベルトから年250ミリシーベルトに急きょ引き上げたことに触れ「もぐらたたき的、場当たり的な政策決定を官邸と行政機関が取り、手続きを無視している」と指摘した。
同時に、福島県内の小学校校庭などに累積した放射性物質に関し、文部科学省が示した被ばく線量基準は「国際的な常識ではなく、行政の都合で決めている」と述べ、厳格化するよう求めた。