隆々ブログ

小平市議会議員 立花隆一の活動報告です。

『原発は、「想定外」が許されない機械だ。』と、小出裕章氏。

2011-05-19 | 政治

4月29日の小出氏の講演会では満員(1,200人の聴衆)で、会場に入れられない人も1,000人も出ました。「もう、真実を語ってくれる科学者は、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)しか、いない。」 これが、国民の声です。

以下は、5月16日、MBSラジオに出演した時の内容(抜粋)です※メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん、コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長

〇小出氏:私は、もともと福島の原発で再臨界が起きるという事は、可能性は物凄い少ないと思って来た人間なのです。
それで、一時期クロルの38が検出されたと東京電力が言った時には、それならば再臨界を疑う以外にない、と私は発言をしましたけれども、まさかそんな事はないだろうな、と思いながらもそれを言いました。
  しかし、その後クロル38の検出は無かった、と東京電力は訂正した訳で、まあ当然そうだろうと思いましたし、再臨界はたぶんこれからも起こらないだろうと思います。でも、念のためにホウ素を入れるという事は良い事だと思います。

〇MC:毎日新聞の昨日の朝刊に出た話で、津波でこのような事態になったというのは想定外だった、というふうに、いろいろ今まで聞いていたのですが、いやそうではなくて、経済産業省の原子力安全基盤機構という所が、もう2007年度から警告をしていた、と。津波で炉心の損傷が起こりますよ、と警告をしていたという話があるのです。
  実際に想定外という言葉では、逃げられない事なのですか、これは。

〇小出氏:本当の事を言えば、そうだろうと思います。でもそれは、基盤機構が指摘をしたかどうかという事ではなくて、原子力施設というのは何が起きても不思議ではない訳ですから、ちょっと小さなトラブルでもそれが拡大して行くという事があって、もともと「想定外」というような言葉を使ってはいけないような機械だと、私は思って来た訳です。
  ただ、そういう事を言ってしまうと、原子力発電所だけは、やはり建設出来なくなってしまうのですね。ですから、国としては、どんな事があっても「想定外」という言葉を使い続けるしかなくて、ここまで来てしまったという事な訳です。

〇MC:それから、作業員の方が、死因は心不全と伝えられておりますけれども、おひとり亡くなられたようです。60歳代の男性作業員の方が体調不良を訴えて病院に搬送されましたけれども、亡くなられました。
  死因は、心不全というより他は情報がございませんが、被曝線量は低い、そしてまた放射性物質の体への付着は無かった、そして外傷も無かった、というふうに伝えられています。

  まあ、これとは別件ですけれども、作業員の方が毎日新聞の取材に答えて証言なさっていて、この所作業のルールや手順が大分緩くなっていて、これまでだったら、体を汚染した場合はしっかり洗って完全に落とさなければならなかったのに、今は完全は除染が出来なくても作業に戻っているというケースがあるのですね。それについて、どのようなご意見でしょう。

〇小出氏:あり得る事だと思います。物凄く長く被曝作業が続いている訳ですし、現場は本当に混乱を極めていると思いますので、どんどん被曝の管理が緩くなるという事は、私から見ても想像に難くありません。 何とか気を引き締めて、やって頂きたいと思います。

  もう一言付け加えたいのですが、今回の亡くなった方が、仮に被曝で亡くなったのでないとしても、この物凄い困難な原子炉事故を収束させるために過酷な被曝環境の中で作業をしてきた、夜寝るのも床に敷いた寝袋の中で寝なければいけない、そんなような環境の中で働いて来た方が亡くなったいう、その事だけは忘れて欲しくないと思います。

〇MC:そうした過酷な環境の中で、本当に命がけで頑張って下さっている方がいて、今何とか今日この時を迎えているというのを感じます。京都大学原子炉実験所助教小出裕章先生、どうもありがとうございました。