隆々ブログ

小平市議会議員 立花隆一の活動報告です。

1,200名以上が聴き入った、小出裕章氏らの講演②

2011-05-28 | 震災・防災

5月23日付、①のつづき、です。放射線量基準を1mSv/yにすることは当然であります。いや、もっと低い基準でもいいと思います。

しかし、ここで問題にしたいのは、「なぜ、20mSv/yという基準値を導き出し、誰がそれを決定したのか?」ということです。これを説明しないと、この問題は解決しません。

(引用)◆避けなければいけない子どもへの被曝 ‐‐‐小出氏は、政府の発表する「ただちに…人体(健康)に影響のあるものではない」という言い方にも警告を発する。つまり、「ただちに人体(健康)に影響の出るような被曝」というのは〈急性障害〉が無いというだけの話であって、何年も経ってから影響の出〈障害〉は、被曝量の〈多い・少ない〉には関係ないという。

 さらに小出氏が懸念するのは、「子どもへの被曝」の問題だ。

 人間の人体は、およそ60兆個の細胞で出来ているが、細胞分裂の活発な時期(=子どもの時期)に被曝をすると、傷を受けたままの遺伝情報がどんどん複製されることになり、それだけ被曝による被害を受けやすくなるという。

【写真B】は、当日の配布資料に載せられたものだが、今回日本政府は避難指示を出す地域の被曝量を「20ミリシーベルト/年」と決めた。これは通常の場合「放射線業務従事者」に対しての許容量と同じである。平常時の一般の人々の基準は「1ミリシーベルト/年」で「ガン死の危険」は「2500人に1人」であるが、基準を「20ミリシーベルト/年」に引き上げる(=制限をゆるくする)ことで、一般人に許される危険度の100倍もの危険を、子どもたちに押しつけることになると小出氏は言う。

 ――自分に加えられる危害を容認できるか、あるいは罪のない人々にいわれのない危害を加えることを見過ごすかは、誰かに決めてもらうのではなく、一人ひとりが決めるべきことです。

 配布資料の中で小出氏は次のようにも述べている。

 「『原子力だけは絶対安全』と偽りの宣伝を流して来たのは国と電力会社、巨大産業群です。一般の人たちが騙(だま)されても仕方がないと思います。しかし、騙された者には騙されたことに対する責任があります。子どもたちは少なくとも原子力を選択したことに責任はありませんし、放射線の感受性が高いので、何とか被曝から守らなければいけません。」

(略)――私はいま絶望もしていません。今日はこんなに多くの人たちが集まって下さいました。社会も変わって来ています。みんなが自分たちの思いを一つひとつ積み上げていけば、日本も必ず変わっていくと思います。(終了)