Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

イランサッカーの思い出

2011-08-05 21:36:20 | ワールドサッカー
前回の南アフリカW杯最終予選では違う組に入り、しばらく動向のわからなかったイランですが、2004年のアテネ五輪最終予選を控えた時期にU-23代表を連れて来日したことははっきり覚えています。ここで選手を覚えておけば、今後イランと対戦したときに情報になると、日曜の夜で観客の少なかった埼玉スタジアムのゴール裏で、イランを追うという変なサポーターが一人いました。

面白い選手はいろいろいました。運動量の多いFWボルハニ、今で言えば浦和のマゾーラのようなドリブラーのバダヴィ、FKキッカーのモバリなどが印象に残っています。もっともバダヴィは森崎浩司の守備でドリブルを横に行かせられ、途中から機能しなくなったので、これは駄目かなとも思っていました。

これが役に立つ日は来ました。2005年の最終予選最終戦の消化試合ながら、横浜国際競技場でイランのA代表と対戦しました。欧州でプレーしていたカリミなどは不在でしたが、全盛期は過ぎたとはいえ、アリ・ダエイがまだいるというのは楽しみでした。ボルハニはダエイのサポート役を命じられ、前半で交代していましたが、ベテランになったダエイのプレーが面白くてしばらく見入っていました。

確かに、ヘディングに圧倒的な強さを誇った全盛期の切れはなくなっていました。しかし、ダエイは足元のプレーが非常にうまく、相手DFを引き連れてしっかりポストに入り、前線のゲームメーカーとして2列目の上がりを待つことができました。この能力があるからヘディングの強さは落ちても1トップで使うんだと、変な感心の仕方をしていました。

しかし、イランは弱点もはっきりしていました。理由はDFの視野の狭さです。当時、日本代表のFWは大黒でしたが、大黒に何度も動き出されると、ドイツW杯にも出たベテランのゴルモハマディが簡単に背後を取られました。ここでクロスが入れば1点だなと思う場面は多く、高さとパワーはあっても細かい動きに弱いというのが当時のイラン代表でした。

あれから5年が経ち、アジア杯で久しぶりにイラン代表を見ましたが、スピードのあるチームになっていました。ただ、ダエイのような強力な1トップは育っておらず、点は取るものの1タッチゴールばかりという選手がトップに入っています。テレビなので守備はわかりませんでしたが、今は17歳でクラブW杯に出たボランチのハジサフィのような選手も育っており、強くなっているのではと思っています。
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組織サッカーの先兵(安藤梢)

2011-08-05 19:06:14 | レディース
以前、準々決勝で日本と対戦したドイツ女子代表が意外にも組織的ではなく、前線の選手のパワーと個人技で力任せに点を取っているという事実には驚いたと書きました。なでしこがこういうチームと対戦するには、相手があまり見せない連動性で攻めるのが有効です。

佐々木監督は右サイドハーフに大野を、FWに安藤を起用してきました。二人ともスピード型の良く似たタイプで、どちらをFWにしても得点力には差がなさそうに一見思えます。しかし、この二人のスピードは微妙に違うことを佐々木監督は見抜いていました。

大野は長い距離を走っても速そうな脚質で、後ろでボールを受けてチャンスを作るサイドハーフには向いています。逆に安藤は短い距離が速い、切れで勝負する選手で、DFライン裏のスルーパスを追う役割に向いています。

ボランチの澤を起点に、中盤でボールを回したなでしこが最後の一本のパスを出すとき、追うのは安藤でした。結果的には今回の女子W杯はノーゴールに終わった安藤ですが、日本の組織サッカーを相手に認識させる先兵だったと思います。

安藤はドイツのデュイスブルクに移籍する前は筑波大学の大学院に通っていました。スポーツ選手とは思えないような華奢な体の安藤にとっては、この大学院での日々はトレーニング理論を学ぶとともに、自らの体を強くしたいという気持ちも持って勉強したことでしょう。

浦和レッズレディースのプロ契約で学費の心配をしなくてもよくなったことも彼女にとっては追い風になりました。切れで勝負する選手なのでなでしこ帰りで疲れているときはらしくないプレーもありましたが、長年の宿敵日テレを倒して浦和を優勝に導いたことで、やるべきことはやったと満足してドイツに挑戦したと思います。

今回の女子W杯がドイツだったことで、都市間の距離や気候を身を持って経験している安藤の存在は、ドイツに初めて来る若い選手にとっては心強い存在だったはずです。本人も優勝後「ドイツに来て良かった」と口にしています。29歳という年齢を考えると残された現役生活は長くないかもしれませんが、続くロンドン五輪予選および本大会でも切り札になって欲しいと思っています。
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