内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

ニホンガクガッカ

2016-12-24 18:11:19 | 雑感

 クリスマス・イヴですねぇ。でも、それとはな~んの関係もない些細なことを話しますね。
 研究者として相当にある外国語に通じている人でも、ちょっとした言葉の使い方でやはりネイティヴと違うとすぐにわかることはよくありますよね。文法的に間違っちゃぁいないんだけれど、そうは言わないんだよなぁ、っていう表現が使われるときのことです。
 実は、かねてから聞くたびごとに違和感を覚えて落ち着かなくなる表現が一つあるんですよ。それは他ならぬ勤務先のストラスブール大学でのことなのですが、私が所属しているのは、Département d’études japonaises です。皆さん、これどう訳されますか。「日本学科」とするでしょう? これが Faculté だったとしても同じことで、「日本学部」とするでしょう。ところが弊学科の日本語での名称が「日本学学科」ってなっているんですよ。印刷物でも名刺でも。最初見たときは、これって誤植でしょって思ったくらいです(自分の名刺を作るとき、よっぽど勝手に直しちゃおうかと思いました)。
 どうしてこういうことになるかは簡単なことで、département が「学科」、études japonaises が「日本学」だから、単純に二つをくっつけて「日本学学科」としちゃったんですね。そして、学科開設から三十年、ず~っとそのままになっていたんですね。
 そんなわけで、いずれも見事な日本語を話す同僚たちが、揃いも揃って、日本語で自己紹介するときに「ニホンガクガッカの何々です」ってやるわけです(聞いているこっちの顎がガクガクしそう)。赴任してしばらくは、こういうこと来て早々言うと角が立つよなぁって思って、黙って我慢していたんです(って、これ、とっても日本人的ざましょ)。でも、赴任して半年くらい経ってからかなぁ、とにかく、私の知るかぎり、日本の大学で「学」を二つ重ねる学科も学部も存在しない(もしどなたかご存知でしたらご教示をお願いします)から、もうたまりかねて、同僚皆に、「これって変だよ。日本には、絶対、こんな「学」を二つ重ねる学科・学部名称、分野を問わずありませんよ。「日本学科」にすべきです」と言っちゃったんですね。
 そうしたらですね、名誉教授がね、「な~んでもっと早く言ってくれなかったのぉ」と宣われるし、若い現学科長は「ニホンガクガッカって、もう言いにくくて嫌だったんだよねぇ」って喜んでくれるじゃないですか(我慢の半年は何だったのか)。
 というわけで、来年九月に学科長に就任するにあたっての最初の「改革」は、学科の日本語名称の変更、というより訂正なのであります。












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