内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

明日から大学は休暇に入ります

2013-10-25 04:08:00 | 雑感

 今日(木曜日)、本務校での講義は「日本近代史」一コマだけ。自由民権運動の続き。ここは特に時間をかけて話しているところ。今日のテーマは、この運動の思想的リーダーたち。明六社の果たした役割(特に福沢諭吉と西周)と中江兆民の活躍について主に話す。中江がルソーをはじめフランス社会思想の紹介者・翻訳者であり、「東洋のルソー」とも顕彰され、フランスに二年余り滞在していたこと、『三酔人経綸問答』『一年有半・続一年有半』には仏訳もあることなど、フランス人学生たちの関心も引きやすい材料には事欠かないのだが、「今」のことに、しかも「金回り」に関わることにしか関心を持てない学生たちに、自分たちから遠い異国の、しかも過去の出来事に興味を持たせることは必ずしも容易ではない。それだけに、いつも最前列に座って熱心にノートを取っている学生たちには、むしろこちらが感心してしまう。
 残り二つの演習は中間テストだったので監督するだけ。これで万聖節前の授業はすべて終了。25日から来月12日までの約20日間、本務校へは行かなくてもいい(と切願している)。9月初めからずっと息つく暇もない、というか、ずっと懸垂状態のような毎日でしんどかった。休暇中に採点業務はあるが、これは大した労力を必要としない。毎日少しずつこなせば苦痛も少ない。大学の休暇そのものは10月26日から11月3日までなのだが、11月の第一週にベルクソン国際シンポジウムがあるので、その週の授業は、イナルコの「同時代思想」の講義を除いて、すべてあらかじめ休講にしておいた。それでこのような「小休止」が生まれた。もちろんそれはこの間にこそ自分の研究に集中するためである。だから、「新しい社会存在の哲学の構想のために」の連載は、まだ終わったわけではなく、明日が締め切りのシンポジウムの発表原稿を一応終えた後でまた継続する。ついでにこのテーマでの連載が終わった後には、「ジャン・カヴァイエス ― レジスタンスの論理と倫理」というテーマでの連載を予定している。


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