内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

戦中日本におけるもう一つの近代の超克の試み(十)― 方法論的態度の確認

2017-03-08 20:51:33 | 哲学

 言語過程説の理論の形成を研究対象とするとき、次の三つの観点それぞれからその形成過程を分析した上で、それらの分析結果の相互関係を考察しなければならないと私は考えている。その三つの観点とは、第一に、その理論自体の内的発展過程、第二に、その理論と他の諸理論との相互限定的な力動的関係、第三に、その理論とそれが形成される時代状況との緊張関係である。
 そう考える理由は、一般に、一つの生きた思想をそれとして捉えるには、その思想の論理の内的発展、その思想の弁別的価値を決定する他の諸思想との直接的な区別と関係、そして、その思想が形成された時代状況という三つの次元でその思想が考察・検討・批判されなくてはならないと考えているからである。しかも、この三つの次元が有機的に連関した三次元として掌握されるためには、それらを論ずる本人が思想的にどこに立っているのかを絶えず示すという、「自らを歴史の中に書き込む」という方法論的態度がその前提となる。
 このような方法論に基づいて、明日から、改めて、言語過程説を考察していく。













最新の画像もっと見る

コメントを投稿