内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

教員室の整理整頓、それも学科長の仕事なのであるか、ふぅ~。でもいい一日だったなあ

2017-09-22 21:53:17 | 雑感

 ストラスブールに赴任してきた三年前から気になっていたことの一つが研究室の図書・備品の未整理状態でした。どう見ても、何年間も誰も何も整理しておらず、届いた年報・紀要等をただ本棚に並べていくだけで、そのせいでもう本棚全部が一杯になっていたのです。それでなくても限られているスペースの実に無駄な使い方で、内心呆れてしまいました。ところが、それをずっと誰もなんともしようとしてこなかったことが一目見て分かる状態でした。
 「研究室」と一応日本語で言っていますが、正直、その名にはとても値せず、実際は、せいぜいただの「教員室」です。私も含めて教員全員、研究は自宅でしますから、教員室をより快適かつそれなりに見栄えのする空間にしようという配慮はほぼなかったと言って差し支えないと思います。私自身、もうどうでもええかなって思っていました。
 それに、それはそれで悪くないかなと思ったりもするのです。いかにも研究室っぽく立派に本を並べたりしないで、適当に雑然と学術雑誌が並べてあるだけなのも、いかにも仕事場ぽくっていいかもね、なんても思ったりもするのです。
 ただ、一昨日、私の二年後に赴任してきた同僚にもう少し自分が使える書棚がほしいと言われてしまいました。それはそれで至極もっともな話です。彼女の要望に応えたいと思いました(なんてたって、学科長でござんすからね)。
 それに、何を隠そう(って、別に隠してないし、知っている方もいらっしゃると思いますが)、私は無類の整理整頓好きなのです。自宅では、それが自己目的化し、ほとんど趣味の域に達していると言ってもいいかも知れません。
 それで、今朝、思い立って、オフィスアワーの時間の一時間前に教員室に来て、どうせ誰も使わないのに無意味に書棚に並んでいる、日本の諸大学から送りつけられてきたありがた迷惑な(妄言多謝!)紀要・年報・学会誌等を一気に一人で片付けました。
 ものの一時間もあれば、私のように整理整頓するために生まれてきたかのような人間には十分です。六つの書棚をすっかり空にして、同僚が自由に使えるようにしました。もちろん、持参した使い捨て除菌タオルで隅々まで綺麗にしましたよ(自分の仕事に満足!)。
 ほぼ、作業を終えたところで、オフィスアワーの時間になりました。指導教官としての私のサインをもらいに来ることになっていた修士二年の女子学生がノックとともに入ってきました。一時間椅子に乗ったり降りたりして作業をしていたので(なかなかいい運動でしたよ)、さすがに額から汗が流れていたのですが、それを見て、「先生、手伝いましょうか」と言うから、「ありがとう。でも、もう終わるところだから、いいよ。座って待ってて」と応えて、急いで作業を終えました。
 その後は、その学生とほぼ一時間、これからの研究計画の相談でした。本棚整理という肉体労働と研究計画立案という知的作業、すごいギャップだよねぇ。でも、相談を終えた後、なんか心身ともに充実感が得られて(根が単純だからね)、今日はいい午前だったなあと気分良く帰宅しました。
 午後は、予約を入れてあった美容院にカットに行き、それからプールでかなりハイピッチで小一時間泳ぎました。
 かくして今週は終えたのであります。明日土曜日は、来週木曜日の古代文学史の準備、明後日日曜日は、金曜日の古代史の準備です。月曜日と火曜日にオブザーバーとして参加するヨーロッパ日本研究における知的交流についてはその日ごとに記事にいたします。
 それでは皆さん、Bon week-end !












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1 コメント

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理系か文系かは無関係 (franoma)
2017-09-23 11:35:02
「日本の諸大学から送りつけられてきた
ありがた迷惑な(妄言多謝!)紀要・年報・学会誌等を一気に一人で片付けました」か、
それは、結構なことです。

実は、早川幸男先生
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%97%A9%E5%B7%9D%E5%B9%B8%E7%94%B7+%E5%AE%87%E5%AE%99
が学長になられてからも、研究室においでの際は、ひたすら全世界から送りつけられてきた論文のプレプリントや抜刷り、書籍や学会誌などを整理なさるのがお仕事でした。ほとんどがゴミ箱行きです。
 研究生としてお世話になった私は、一時期、教授の部屋に机が置かれていたため、役得で(?)捨てられる論文類は、なぜ捨てられるのかを検討する機会を得ることができました。大概のものは、あ〜捨てられて当然だなあという内容でしたが、一つだけ「?なぜ捨てられたのか?」理解不能な論文があったので「これ、どうしてボツなのですか?」と質問したら「あゝ、それは間違って捨てました。あなたが欲しければ、あげます」と言われたので、いただきました。先生は、ボツでないものは、サロンにて回し読みするようにしたり、「この人が読むと良い」ものは、その当人に手渡ししたりなさっていたので、
「間違って捨てられてしまった論文の著者は可哀想ですね」
と申し上げたら、
「人は誰しも間違えるものです。一度、間違って捨てられたら、それで自分はもうダメだと思って諦めてしまうようなら研究なんかできませんよ」とのことでした。要するに、
「抜刷りを送って無反応だったら間違って捨てられたかも知れないと思ってアレどうしましたか?と聞いてみれば良い」ということです。「ここがダメだと思って捨てました」と言われたら反省して次に活かせばいいし、「誰も興味を持ちませんでした」と言われたら「あそこに論文を送るのは、もう、やめよう」ということで傷つくこともありません。
 要するに、科学者としてのデタッチメント( http://bit.ly/2hmWUbG )を徹底することがポイントです。このことは、理系か文系かは無関係ですよね。

どうも、お邪魔しました。
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