内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

下北沢 ― ニーチェから遠く離れてはしご酒

2016-12-30 13:03:19 | 雑感

 この年末の「人と会う」シリーズ第四日目の昨晩は、下北沢で文学部哲学科時代の旧友の一人とほぼ十一年振りに再会しました。その十一年前というのは、二〇〇六年一月半ば、フランスでの前任校への赴任のために私がフランスに発つ直前のことでした。その時は、しかし、哲学科のある教授の退官記念講演会の席で、というか、その散会後にキャンパス内でちょっと立ち話した程度でしたから、ゆっくり話すのは学部時代以来ということになり、つまり、二十八年振りくらいになります。私たちの学年は、平成になって最初の卒業生なのです。
 今仕事としてどこで何をしているかという話から始まって、職場についてのあれこれのエピソード、学生時代の思い出や当時の友人たちの消息、これからどう生きたいか、などなど、酒量が増えるにつれ、二人とも軽口を叩くようになり、私が調子に乗って誂うのを相手がその都度切り返すのを基本パターンとしながら延々と喋り続け、二軒はしごいたしました。
 一軒目は、お酒の品揃えが売りのはずなのに品切れが多く、ちょっと期待はずれだったのですが、行き当たりばったりで入った南口出てすぐのところにある「うまいもの楽味」は当たりでした。意外なことに、若者でごった返す下北沢にあって、入店してすぐにわかるほどに客の平均年齢が高く、その分落ち着いて飲めるお店です。板さんたちも給仕してくれる女性たちも同様に大方中年層で、店の中全体が大人の雰囲気でした。まあ、中には年だけ人並みに取ってはいるけど中身はチャラそうなのもいましたけれど(って、そういうお前はどうなんだって?)。まあ、それはともかく、良い雰囲気の中で美味しい酒肴を楽しみながらの歓談の時でありました。
 「また夏の帰国中に会いましょう」と約し、先に来た渋谷行の井の頭線の車中からホームで反対方向の電車を待つ相手に手を振って別れを告げました。












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