内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

採点苦行

2014-10-18 18:24:44 | 雑感

 昨晩は、ストラスブールに越してきて初めて夜遅く帰宅したのだが、驚いたことにアパートの建物の敷地内の街路灯が消えていただけでなく、玄関の電灯さえ消えていて、鍵穴を探すのに少し手間取ってしまい、ようやく開けることができて建物の中に入りかけたら、玄関外の電灯が点いた。何とも間抜けな作りになっているものである。アパートの敷地の斜向かいには、警察官たちの大きな官舎があるし、地域としては極めて安全な地区とはいえ、もう少し明かりがあってもいいようには思う。
 昨晩は就寝も午前一時を過ぎ、かなり疲れてもいたので、今朝の起床は七時過ぎだった。すぐにプールに行けばよかったのだが、何となく浮かない気持ちに引き摺られて、今日は行かず仕舞い。
 朝食後は、日がな一日今週の試験答案の採点。これが教師稼業をやっていて一番辛い。学生たちもそれはよくわかっていて、中には答案提出時や別件のメールの中で「先生、採点頑張ってくださいね」と激励してくれる学生もいるくらいである。
 素晴らしくよく出来ている答案は採点もあっという間に済むし、こちらも気持ちがいいが、それはやはり少数である。他方、適当に書いてある答案もあっという間に採点できるから、そういう意味ではありがたい。どうするんだろうねぇ、こんな点数でと溜息は出るが。しかし、大多数の答案はそれなりに真面目に書いてあるから、こちらも相応にまじめに読んで採点するし、しかも一問ごとにコメントもつけていくので、なかなか捗らない。
 私が今回採点するのは修士と学部二・三年の四つの試験全部合わせても百枚だから、大したことはない。同じ学科でも一年生は百人近くいるから、一年で複数の科目を担当している先生たちは大変であろうと拝察する。ましてや数百人の学生を相手にしている他学部の先生たちの話を聞くと、その採点時の姿を想像しただけで背筋に戦慄が走る(というのはいくらなんでも大袈裟である)。私も八年前に登録学生二百五十名という科目を担当したことがあったが、採点はまさにこちらの忍耐力を試す苦行のようであった。最初のうちはいくら採点しても答案が減らないような気がして、「助けてくれ」と叫びだしたくなるほどであった。担当学生数に歴然たる格差があるのに、給料基準は同じなのはけしからんと文句を言う先生たちの気持ちもわからなくはない。
 などとしょうもない愚痴をこぼして少し気分も晴れたところで(ちなみに今日は朝から快晴)、夕食まで採点あと一頑張りいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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