内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

有明の月下遊泳

2014-10-15 18:50:48 | 雑感

 今朝のプールは、天空高く夜明け前の半月が地上を照らす中での遊泳であった。ちょっと幻想的な雰囲気であり、そんな中で泳ぐのはもちろん生まれて初めてのことである。外気は十度前後だったが、水温は三十度近くに設定してあるので、水に入ると少し暖かく感じる。それもあってか、体の動きも軽い。
 それにしても熱心な常連客が多いことに驚く。男女を問わず年齢層も幅広い。開門から三十分程すると、かなり混んでくる。そうなると、もう自分のペースでは泳げないから、まだ空はすっかり明るくなってはいなかったが、さっさと切り上げる。
 今日は中世文学史の試験。だから前半だけの授業の準備は大して必要ではなかったのだが、鎌倉期の軍記物語について一通り整理ノートを作っていたらかなり時間がかかってしまった。来週以降に使えるから無駄にはならないが。
 明日も古代文学史の試験だけだし、前半の授業の準備ももう済んでいる。もう一度だけ後で確認はしておく。
 明日は、その試験の後、私が研究指導を担当する修士一年の二名の学生と研究テーマについての面談がある。一人は、十六世紀後半から十七世紀初めにかけての日本人の西洋人との最初の出会いと交流に関心を持っているが、まだ十分に研究テーマが絞れていない。一応の候補として、一五八二年の天正遣欧少年使節か一六一三年の慶長遣欧使節、あるいは後者に副使として同行した支倉常長その人を挙げている。もう一人は、逆に、すでに研究対象がひどく限定されていて、そのために日本での研究調査さえすでに始めているのだが、その研究対象とは、室町期の玉藻の前伝説である。だが、どうも本人にちょっとマニアックなところがあるらしく、その話になると止まらなくなって一時間くらい平気で話し続けるから気をつけるようにと同僚から忠告を受けている。明日の面談では、研究テーマを確定して、今後の計画の見通しを立てるのが主たる目的。それと併せて、来年度彼らは一年間の日本留学が義務づけられているから、研究テーマに応じて留学先を絞り始めなくてはならない。