南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

信じられない預金課税

2013-03-21 17:15:02 | 経済
もしあなたの銀行口座に預けてある預金に7%の課税がされると聞いたらどうしますか?
急いで銀行へ飛んでいき、預金を払い出しますよね。
一斉に人々が払い出したら現金はショートしてしまい、混乱は拡大していきます。

1927年、日本最大の“取り付け騒ぎ”が起こりました。
衆院予算委員会で片岡大蔵大臣が「東京渡辺銀行が破たんした」という間違った情報を流してしまいます。
噂は一気に広がって、全国各地の銀行には預金払い出しを求める人々が列をなしました。
このことがきっかけで「昭和金融恐慌」が発生しました。

今まさにEU加盟国のキプロスで“取り付け騒ぎ”が発生しています。
そのために銀行の臨時休業が1週間以上続くという異常事態に陥っています。
小さな国だからユーロへの影響は少ないとしていますが、その“取り付け騒ぎ”を引き起こした考え方にあきれはてます。
そもそもキプロスには国策として中東やロシアマネーを呼び込む政策があり、ロシアの富裕層からも多額の資金が流入しており、総預金の約3割がロシアマネーとも言われます。
ところがユーロ危機に見舞われたキプロスの民間銀行は多額の損失を計上して経営危機に陥ります。

問題はここから先の対処法です。
政府はEUからの支援を受けるために必要な58億ユーロの税収を確保するために、銀行預金への課税法案を提案しました。
大口預金者には9.9%、それ以外の預金者には6.75%の税をかけるという課税法案です。
もちろん国民は大反発で、議会も通りませんでした。
政府や銀行経営の失敗を庶民にツケ回すのですから当然です。
いつの世も最後に泣かされるのは庶民です。

この道はひょっとしたら私たちもいつか行く道かもしれません。
戦後の日本は膨大な政府の借金をハイパーインフレと強制デノミで埋め合わせました。
どの道を行ったとしても、借金は返すが道理です…さてどの道を通るのでしょうか。

“空気”と“雰囲気”と“場力”

2013-03-20 17:14:31 | 政治
今日は春分の日で、事務所はお休みです。
フリータイムの一日を選挙事務所巡りで過ごしました。
単組委員長時代にも終日予定がない日には、意識して県内の4工場巡りをしたものです。
不思議なことに様々な職場巡りをしていくと、その職場ごとの空気や雰囲気が見えてきます。
緊張感ある職場、活気あふれる職場、だらけた感じのする職場等々、何となく事故が起きなければいいんだけれども…なんて思っていると現実になったこともありました。
不思議ですけれども、それが現場で感ずる“場の力”かもしれません。

駿河区から入りましたが、カーナビは10年前の代物、画面上ではあるはずの道がありません。
勘ナビで到着しましたが、後は勝手知ったる場所、スムーズに走れました。
午前中は駿河区の3事務所と葵区の2事務所を駆け足で回りました。
本番中ですから事務所当番一人だけのところもありますが、それでも残影ならぬ残“気”があります。
不思議ですよね、なんとなく見えてくるものです。

午後は清水区の4事務所、昔懐かしい方ともお会いでき、ほんとうに嬉しかったですね。
選挙は大変ですが、こうして人と人との繋がりができることが、最大の喜びです。
あと4日間、あるようでない4日間ですが、ないようである4日間でもあります。
組織をバックに戦う選対は緩んだらお終いです。
攻めて攻めて攻め抜けば、いくらでも伸び代は出てきます。
どうぞ最後まで頑張ってください。

美味しいお誘いです

2013-03-19 17:51:10 | Weblog
新年賀詞交換会での榛葉参院議員の言葉は「元旦や 今年も来るぞ 大晦日」
それをパクった私の言葉は「元旦や あっという間に 大晦日」
…なんて面白がっていたら、もう“お中日”です。
この調子で行けばあっという間に、7月21日の参院選投票日です。
なぜか焦りますね。

最近日本酒好きの私にありがたいお誘いが連続してありました。
平時であれば飛びつくわけですが、3月の政令市静岡市議選が終わると、4月には磐田・掛川・袋井の市長選挙、5月以降は県知事選挙と参院選挙がフル回転します。

お誘いを受けた各イベントはどれも大人気のイベントですから、申し込んでおいてドタキャンは失礼になりますので、いずれも断念しました。
でもせっかくですからみなさんにひとつだけお知らせしておきます。
このイベントも早い者勝ちですよ。

私の大好きな「喜久酔」蔵元・青島孝さんが実行委員長を担当する、恒例の人気イベント「志太平野美酒物語(志太地域6蔵の大試飲会)2013」です。
6月7日(金)19時~20時30分 グランディエールブケトーカイにて開催します。
チケット(6500円)は、3月25日(月)12時~14時の「静岡県清酒鑑評会一般公開」会場(グランディエールブケトーカイ4階)にて発売開始しますので、地酒愛好者で希望される方はお忘れなくどうぞ。

誰のための景気回復か

2013-03-18 17:54:26 | 経済
「景気回復」に対しては誰も反対はできません。
しかし誰のための景気回復であるのかを私たちは見極める必要があります。
私は過去のバブル崩壊前に、狂乱的な株式相場に踊らされていた人々の姿が忘れられません。
会社の仲間にも、普通の主婦にも踊り狂った挙句に、すべてを失った人がいました。

リーマンショック以降、日本の株式相場が相対的に出遅れていたことは周知の事実です。

自民党にとっては日本株式の上昇がタイミング的にアベノミクスと重なったという幸運もありますが、注意すべきは米国の過熱ぶりです。
金融緩和を受けてダブついたマネーが株式市場に流れていますし、米国投資家の投資欲も絶好調で、VIX指数は過去最低水準です。

米国がくしゃみをすれば日本は風邪を引くといわれますが、株式市場においてはさらにその傾向が鮮明です。

米国ダウの長期グラフです。

景気に水差すつもりは毛頭ありませんが、そろそろバブリーな感じ、欲もほどほどにしないといけませんね。
大金持ちは株価を吊り上げてから売り時をコントロールしますので、小金持ちは老後の資金だけはキープしながら遊んでください。
少し儲かったら株を売って実需に回すくらいの遊び方がいいですね。
もちろんお金が無い人は遊んじゃダメですよ。
なんにせよ、三流週刊誌のバブリー記事に踊らされないようにしましょう。

未来ビジョンが組織を変える

2013-03-17 17:28:37 | 読書
未来ビジョンが組織を変える―企業・団体・コミュニティを再生するための8つのステップ
クリエーター情報なし
世界書院


日本社会はいろいろな面で行き詰まっています。
その理由として「共同体の崩壊と個人の分散化(ウェンデル・ベリー)」を挙げています。
この行き詰まりを打破して、たとえ経済的には低成長であっても個々人が自由にのびのびと暮らしていける社会、個々人が企業や組織やコミュニティの一員として互いに助け合うことができるような未来の社会をつくることが必要だと訴えています。

これはそうした未来社会を築けるようにするための戦略策定「未来ビジョン創造法」をまとめた本です。
従来の「問題解決法」とはアプローチの方法が異なります。

「未来ビジョン創造法」8つの基本ステップ
【ステップ1】過去を振り返る:歴史に学んで新しい時代のトレンドをつかむ
【ステップ2】うまくいっていることとうまくいっていないことを確認する : 今起こっている現状を正しく評価する
【ステップ3】価値観と信念を確認する : ほんとうに望むものは何か…を知る
【ステップ4】関連する出来事、発展、傾向を確認する : 未来に関しての重要な情報源を見つける
【ステップ5】未来ビジョンをつくる : 単なるスローガンではなく、未来ビジョンのイメージは具体的で詳細につくる
【ステップ6】未来ビジョンを具体的な行動目標に転換する : 第一段階(達成基準を定める)ー第二段階(行動目標を設定する)
【ステップ7】行動計画を立てる : 未来への道筋を一歩一歩建設する
【ステップ8】計画を実行するための枠組みを作る : 行動計画を組織全体に広める

(歴史を学ぶ、過去を振り返るということはどんな場合にも欠かせないプロセスですね)

歴史の各時代にはそれぞれの時代を支配した固有のテーマがあります。
それとともにそれぞれの時代に初めて現れるテーマがあることに気づきます。
人類は狩猟採取から、農耕、産業化、情報技術へと文明を移行させてきました。
歴史はつねに動いています。
過去を振り返るということは、時代を支配しているテーマを正しく理解し、ようやく現れ始めたテーマが見えやすくするということです。
そしてそれは、自分たちが望む未来を選択するのに役立つはずです。

なぜ厳しい選挙戦なのか?

2013-03-16 19:00:31 | 政治
午前中の自己啓発セミナーで「猫のヒゲ」を教えてもらいました。
どうすれば相手の内懐へ入っていけるか、あるいは自分の意を上手くつたえるかの心理学的用語です。

終了後は清水区に入ってみました。
定数が減った17議席を20名の立候補者で争う激烈な戦いです。
しかし、知り合いの家に行っても、街中の様子もあまり過去の選挙と変わりばえのしない模様です。

なぜ今回の選挙が厳しいのかを候補者自身が有権者へ論理的に伝えていないからなのかもしれません。
清水区の有権者は20万人です。
投票率を60%と仮定すると投票総数は12万人です。
立候補者が20人ですから、一人当たり平均得票数は6000票となります。

前回の投票結果をみると、上位5名のみが6000票を越えております。
5000票台が4名、4000票台が7名、3000票台が8名で内4人が落選しました。

前回は立候補者が25名でしたから予測した平均得票数は4800票です。
当選者の最上位は7100票、最下位は3800票でした。
(落選者の最低得票数は2111票でした)
前回7100票を取ったトップ議員は県議に鞍替えしていますが、それくらい取れるような有力議員は見当たりませんので、当選ラインは一段と上がります。

さてみなさんが市会議員だとします。
前回は4000票で中位で勝てたとします。
今回も中位で勝つためには何票を目標とすべきでしょうか?
ヒントは予想平均得票数の差と、有力議員および泡沫候補の存在です。
(泡沫候補らしき方は1名いそうです)

仮にそれが5500票だとしたら、あなたはどうしますか?
前回の4000票を固めた上で、あと1500票をどうして増やしますか?
どこからもらってきますか?

これが私なりの“猫のヒゲ”です。
私の意は伝わったでしょうか?

静岡市議選始まる

2013-03-15 12:49:38 | 政治
政令市静岡の市会議員選挙が始まりました。
静岡市民の私にとってもこの選挙は大切な選挙ですが、それ以上にこれから先に続く県知事選挙、参議院選挙に大きな影響を与える選挙となりそうです。

合併前の旧清水市の選挙に深く関わりはじめたのは1983年の県議選からでした。
組織内県議の裏方としての作業や運転手としての役割を務めました。
初めて選対にはいっての選挙戦でしたが、当時2人目の子ども産んだばかりの女房にずいぶん苦労を掛けました。
ある日のこと、病院へ行く途中で貧血を起こして気を失った家内は、道路から2メートルほど下まで転がり落ちてしまいます。
幸いにも標識柱に救われて母子とも無事でしたが、連絡を受けた私は仲間の冗談かと本気にしなかった苦い思い出があります。
1985年にはその県議が市長選に挑戦し、これまた大変な選挙を戦いました。
次は市長与党を増やす戦いに突入します。
組織内市議はおりましたが、4地域については他候補を支援するという今では考えられないような市議選も経験しました。

合併してのち政令市静岡となりましたが、当時の名残で連合系会派は自民党に次ぐ第2勢力にあります。
今回の選挙戦、定数5減の48を争う熾烈な戦いです。
連合推薦議員7名、民主系議員5名の12名が名乗りを上げています。

心配性の私は先の総選挙のあおりを気にしています。
自民党市議たちの勢いにはあなどれないものもあります。
これまでのような闘い方では相当厳しい結果になるやもしれません。
今朝の日経新聞コラムを読んでなおさら不安が増殖しました。
なんとか頑張ってください。

謙虚に構え直そう

2013-03-14 18:04:44 | ユニオン
読売新聞で連合の悪口言い放題です。
腹が立つけれども、現場力はほんとうに弱っています。
いまさらながら…とか、そんなことはわかっているはずだ…などと思わないようにしましょう。
まずは自分自身の足元からひとつひとつ確かめていきましょう。


麻生副総理や新聞記事におちょくられていることにも腹は立ちますが、ベア要求をしなかったことは事実です。
しかしその理由を問われたときになんと答えればいいのでしょうか。
今ここに600万人の個別賃金地図があれば、一目瞭然です。
紹介されている主な企業では自社の賃金を引き上げる代わりに、その原資を下請け企業や非正規社員に配分するんだと、正々堂々と社会的にもアピールできたはずです。
それこそが連合の主張する「すべての労働者の処遇改善」です。
実に分かりやすいツールですが、残念ながら個別賃金地図はなかなか完成しません。

たとえば教育・広報活動が必要なことも誰でも承知しています。
労働運動ではなおさらのことであり、そのことをリーダー自らも公言しています。
しかし現実はどうでしょうか?

単組役員に質問しました。
「あなたの労組はユニオンショップですか?」
「…」

単組役員向けの某セミナーの感想文を読ませていただきました。
「労金カードでコンビニのATMが無料で使えるなんて、このセミナーで初めて知りました」
(…)

組織拡大オルグを終了しました。
本部からの「1千万人連合PJ」の通達がきちんと地方まで下りている産別は半分でした。
(…)

組織の末端どころか、現場リーダーにも神経が行き届いていない現実に歯ぎしりをしています。
たまらなく悔しいですね。
謙虚になって、もう一度足元から見つめ直してみましょう。

「幸福」の意味

2013-03-13 21:55:27 | Weblog
疲れたときなどに時々思います。
(今、私は幸せなんだろうか?)

「幸福」とはなんでしょうか?
「幸福」を測る方法はあるのでしょうか?
それらが分かれば、生き方を変えたり、政治への活用ができます。
国民総生産(GNP)ではなく国民総幸福(GNH)で国家の発展を測るブータンは有名ですが、我が国にはそういう雰囲気がなかなか育ちません。
どうしてでしょうか?

国家目標として、快楽を最大化し苦悩を最小化することで、最大多数の最大幸福を保証するという国もあるようです。
しかし、その概念を具体的政策に結びつけることは難しい模様です。
「幸福」は気分や感情の微妙な変化を含んだ幅広い意味を持つ言葉だからです。

アメリカの心理学者エド・ディナー教授は「幸福度」についてこう話しています。
「生活に満足し、喜びを感じることが多く、悲しみや怒りといった嫌な感情をあまり感じないならば、その人の幸福度は高い。
反対に生活に不満があり、喜びや愛情をほとんど感じず、怒りや不安のような嫌な感情を抱くことが多いならば、その人の幸福度は低い」
当然すぎるほど当然のことですが、あらためて考えると、まさしくその通りですね。

ボランティア活動や同好の集まりに満足や喜びを感じる人々もいます。
そうかと思えば、一人静かに瞑想することを幸せと感ずる人もいます。
こと左様に「幸福」の意味は実に多様で、人それぞれです。
人それぞれだとすると、人それぞれの「幸福度」測定法はあるはずです。

“日常再現法”というものがあります。
昨日行なった様々なことを思い出して、その時の気分を記録していきます。
あまり複雑にしないで、できるだけ簡単に測ります。
例えば、
1 非常に幸せ
2 まあまあ幸せ
3 あまり幸せでない…という具合です。
これを繰り返していくと、あなた自身の「幸福」の意味の定義づけができます。
気分が落ち込んだ時は、“非常に幸せ”の行動パターンを意識的に取り込むことで抜け出せるはずです。

ちなみにこの何日間かの私の“非常に幸せ”パターン。
「〆さんま」を食べたとき
床屋さんの椅子で熟睡したとき
和牛串焼きを食べたとき。

なんとまあ単純な男でしょうか。
さてさて明日はどうしましょうか?

自己責任の時代に突入?

2013-03-12 18:43:46 | 経済
未組織勤労者のための保証機関である「静岡県勤労者信用基金協会(勤信協)」の評議員会がありました。
勤信協は未組織勤労者の労金利用の道を開拓するために、その債務保証を行う機関として1965年に任意団体として設立されました。
これにより未組織勤労者も(地区労福協に加入することが必要)、安心して労金を利用できるようになったわけです。
県下の労働組合や行政も出損金(出資金)拠出に協力してくれたりして保証業務は順調に拡大していきます。
そして1978年には財団法人として認可されました。

いまや債務保証残高1396億円、基本財産100億円の堂々たる保証機関として育っています。
今年度の大きな特徴点はふたつあります。
ひとつは公益法人制度改革によって、2013年4月より「一般財団法人静岡県勤労者信用基金協会」として法人登記されることです。
種々の事情により公益法人としての申請はしませんでしたが、一般法人といえども事業内容の公益性は完全に認められた移行でした。
もうひとつは勤信協が未組織勤労者向けの住宅ローン保証料を大きく引き下げたことにより、その保証料を静岡労金が負担をして、未組織勤労者の保証料負担をゼロとする画期的な制度を実施したことです。
このことにより多くの未組織勤労者の支持を受け、融資が大きく伸びています。

このような組織(労金・勤信協)や仕組み(勤労者の保証料負担軽減)は、まさに助け合い、支え合いの賜物です。
ところが社会は大きく自己責任の時代に舵を切りはじめています。
たとえばこの3月で切れる「金融円滑法」
これは平成21年12月に施行されたもので、資金繰りが悪化した中小零細企業の事業主や、返済に苦しむ住宅ローンの借り手を支援するために、借入金返済を猶予する法律です。
業績の悪化した企業や不良債務者を救済することは問題の先送りにしかならないとする市場万能主義勢力の復活で、この制度が廃止されるのです。
休職中の労働者に出す休業手当の一部を政府が補助する「雇用調整助成金」にもメスが入ろうとしています。
これらの余波を受けて代位弁済(債務の立替払い)増加が懸念されることから、引当金の積み増しや流動性資金の確保も勤信協では考えております。

アベノミクスの裏側に見える深刻な現実のひとつです。