南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

上がると下がって、下がると上がるもの

2009-04-14 18:13:25 | 経済

クイズです。
「上がると下がって、下がると上がるものはなんでしょうか?」

答えは国債の購入価格と利回りです。

額面100円の10年物国債を表面利率2%で購入したとします。
毎年2円の利息が得られますし、10年の満期時には100円の元本が還ってきます。
この場合の利回りは2%ですね。

国債は市場があって売り買いもできます。
相場が95円に値下がりしている時に買うと、毎年2円の利息に加えて満期時には額面どおりの100円が戻ってきます。
95円との差額5円が値上がり益として手に入りますから、年換算では2.5円(5円/10年=0.5円+2円)の投資収益を得たことになり利回りは2.6%(2.5/95)となります。
すなわち“下がると上がる”ということです。

逆に相場が105円に値上がりしている時に買うと、毎年2円の利息に加えて満期時に戻ってくるお金は額面どおりの100円で元本は5円の損失です。
2円の利息-0.5円(▲5円/10年=▲0.5円+2円)の1.5円が投資収益となり利回りは1.4%となります。
すなわち“上がると下がる”ということです。

10年物国債の利回りは長期金利の指標となっています。
企業が銀行から資金を借り入れるときの金利や、固定金利型住宅ローンの金利の目安にもなります。
金利上昇はインフレを招きますし、不況下でのインフレは危険信号でもあります。
加えて日本は世界最大の財政赤字国です。
一般家庭でいえば破産、企業でいえば倒産状態といっても過言ではありません。
金利の上昇は首吊りの足を引っ張る所業です。
それでもさらに景気対策として借金(国債)を増やす段取りを進めています。
国債の相場は国家の信用度バロメーターです。
(信用が)高ければ(相場は)上がるし、低ければ下がります。
下のグラフは直近1ヶ月の長期国債利回り推移です。
市場は敏感に反応していますね、あらためて実感します。