南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

誰のためにあるのか?

2008-08-30 11:43:50 | 経済

農林中金が証券化商品への投資を拡大」の記事を読む。
農林中金とは、農林中央金庫法による金融機関である。
(ちなみに労働金庫は、労働金庫法による金融機関である)
農協・漁協・森林組合など農林水産業者のための協同組織だ。
総資産70兆円を誇る投資機関としても有名である。

その農林中金は1980年代のバブル期に住専に多額の貸付を行い破綻寸前まで追い込まれた経験がある。
1996年の住専国会で国が不良債権を買い取ってくれたお陰で生き延びたが、2001年の金庫法改正で経営体制を投資銀行として大きく転換した。
潤沢な資金力を背景にして、貸し出し需要が増えず金利の低い国内金融を縮小し、金利の高い外国債権購入や外国債券投資を増やしていった。
その結果、総資産のうち5割近くまでが海外証券で占めるようになったとされている。

冒頭の記事は、米国のサブプライム問題でも打撃を受けたが、その後も積極的な海外投資戦略を展開しているという内容である。
本来的な役割である農林水産業者への融資は、農林中金以外の金融機関が、国内農業を成長分野と見直し始めている皮肉な状況だ。

どこかで歯車が狂い始めているような気がするが、それは“下衆のかんぐり”だろうか?
あのビッグ3の資金繰りが悪化し政府に融資を求めているような、どしゃ降り状態の米国とともに地獄へ引きずりこまれなければよいのだが・・・。

我が労働金庫も全労済も、そして連合も誰の為に存在するのか、何のために存在するのか、を決して忘れてはならない。
その思いを強く抱きながら、これから連合東海ブロックの会議で名古屋へ向かう。