南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

「パンドラの箱」

2008-08-20 18:11:36 | 政治

いろいろな人たちから民主党が政権をとったらどう変わるの?とよく聞かれるようになった。
そんな時にどう答えるべきか考えてみた。

私のワンフレーズ的答え:「パンドラの箱」にひとつだけ残された希望に託すということではないでしょうか。
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2005年9月11日の第44回衆議院選挙において、小泉純一郎の巧みなワンフレーズ、「自民党を変える!変わらなければぶっ壊す!」という絶叫に多くの国民が騙され、自民党に圧倒的勝利をもたらした。
小泉政権は圧倒的与党の力で国民不在のまま、米国主導の新自由主義・市場万能主義の考え方の下に運営されてきた。

国民生活がバブル崩壊の後遺症もいえないままに、様々な改革が強引に進められてきた結果、日本社会は目に見えて傷んできた。
小泉首相は2006年9月の総裁任期満了で退任をし、安倍晋三氏が後継総裁に選ばれる。
安倍政権下では驕りに驕った自民党の腐敗が一気に吹き出て、松岡農水大臣の自殺や、年金問題が大きく浮上してきた。

2007年7月29日は第21回参議院選挙の投票日であった。
この日を境に日本の政治情勢は大きく変化した。
「年金問題」「政治と金」「格差問題」「首相のリーダーシップ」がクローズアップされて、民主党大勝利に繋がった。
この大勝利によって参議院の与野党逆転が成ったのである。

秋から始まった臨時国会からは、それまでの与党強行政治とは大きく変わっていく。
なぜならば参議院が逆転し、参院における委員会構成も逆転したからである。
多数決で委員会決議をしなければ実現できなかった、秘密資料を出させることや、証人喚問を要求することが可能になった意味は実に大きい。
戦後ずっと続いてきた自民党政権で開けてはならないとされてきた「パンドラの箱」が野党の手によって開けられはじめたからである。

いくつかの具体例を挙げておこう。
“インド洋における給油活動の実態”“守屋証人喚問や防衛庁利権問題の存在”“どこまでも広がる消えた年金問題”“ガソリン暫定税率問題と道路特定財源問題”“後期高齢者医療制度の隠された事実”“中国餃子問題”などなどだ。

参議院が与野党逆転しただけでこれだけの驚くべき事実が浮き彫りにされた。
次期総選挙で衆議院も与野党逆転したときにどんな「パンドラの箱」が開き、そしてどんな革命的改革が行われるか、楽しみでならない。

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今日の朝刊でもまたひとつ、「パンドラの箱」が開かれた。
厚生年金の記録改ざんについて組織ぐるみの改ざんが行われてきた、という証言人の登場だ。
徴収率を上げるために、社員の標準報酬月額を減額変更したという信じられないような改ざんである。
私の元にも「ねんきん特別便」なるものが届いている。
しかしこれには加入期間しか記載されておらず、年金支給額の根拠となる標準報酬額は記されていない。
もっとも記入されていてもチェックのしようがないから、ことは面倒だ。
お国の制度だからと信用してきたものが、これまで以上に一気に崩れ去ってしまう。
この罪は重い!歴代社保庁長官(14人)すべての退職金(一人平均6200万円)を返還させたくらいでは済まされない。
ひたすら「パンドラの箱」を守り続けてきた自民党はどう国民に説明するのだろうか?どう詫びるのだろうか?