南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

日本の父へ

2008-02-24 18:26:26 | 読書

20年前にこの本に出会っていたならば、私の子育てももうちょっと上手くできただろう。
もはや絶版になっているので図書館で探すしかない1冊。
昭和52年発行“日本の父へ”、著者はドイツ人のグスタフ・フォス氏。
子育て真っ最中の父親にはぜひ読んで欲しい1冊だ。

教育的背骨を持たない「日本の父親」には耳の痛い話ばかりである。
著者の父親が息子をどう育ててきたかという体験談を軸に語られる。
勉強には滅多に口を出さなかった父親が息子を教育する出発点においたのは、「自立・独立の精神」だ。

昭和52年といえば30年前のこと、現在と同じようなことが当時の日本社会にも起きていた。
若者のだらしなさを、社会や学校教育に責任があると非難する“非両親”的な親たちの姿。

12歳になる妹に対して学校の先生からナチスの少女団に入るよう強い勧誘を受けたとき、著者の父親は次のように校長に話して拒絶したという。
『子供を社会人や国民に育てるための必要な教育は、当然のこととして国家が施さなければならないが、子供の道徳・宗教教育は、本質的に親の権利であり、かつ務めである。
親が子供を学校に預けて、その教育のある部分を先生に委託しても、親は自分の教育権まで奪われてはいけない。』

なんでもかんでも学校のせいにしたがる“非両親”的な親たちに聞かせてあげたい一言だ。
私自身も子供の教育は「母親まかせ」「学校まかせ」にしてきたから偉そうには言えない。
グスタフ・フォス氏に言わせれば、大事な我が子を他人任せの“捨て子”にしてしまったダメ親父の一人である。
もう一度子育てができたならばとも思うが・・・到底無理な話だから若き父親たちよ・・・・私に代わってがんばってね。