南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

資源争奪戦

2006-09-19 17:40:15 | Weblog

近年の資源インフレで、石油や天然ガスなどのエネルギー資源、鉄・銅・亜鉛などの鉱物資源、あるいは磁性材料や電子部品を作る原料として利用されるレアメタルなどが、国家の「戦略分野」として注目を浴びている。
今日のニュースによればロシア・サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」に対して、ロシア当局が環境対策不備を理由として、業務停止を裁判所に申し立てたという。
このプロジェクトの狙いは冬季でも輸出ができるように、パイプラインを積出港まで建設しようというものだ。
07年末には通年での原油輸出を、08年にはLNGの輸出を始める予定で、日本でも期待されているプロジェクトである。
しかしこのプロジェクトを進める開発会社「サハリンエナジー」にはロシア資本が入っていないため、業務停止措置は資源の国家管理を強めるロシアの揺さぶりではないかと見られている。
グローバル化の進展により、資本に国境は無くなったともいわれるが、大きな落とし穴がいくつも掘られている。

中東の紛争も、アフリカ諸国の内戦も、一皮剥けば「資源争奪戦」だ。
そしてその背後にはいつも国家や企業の影が付きまとう。
日本には資源もないし、資源争奪戦に参加する姿もない。
ひたすら「共生の論理」と「省資源技術」を磨き上げることで生き抜くしかない。
一昔前のオイルショック時、世界で一番早く不況から立ち直ったのは、資源を持たない我が日本であったことを思い出す。
ひょっとしたら資源インフレの危機は、日本のチャンスかもしれない。