南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

「清貧の思想」vs「富の未来」

2006-08-18 19:32:21 | Weblog

盆休みも間もなく終了。
今年の休みは休養と充電が充分に叶った。
気になる本も読み終えた。

数年前読んだ「清貧の思想」(中野孝次)を読み返し、最新作「富の未来」(アルビン・トフラー)と読み比べた。
「スローフード派」vs「ファーストフード派」の、というか「伝統」vs「変化」の主張合戦だ。

新技術について、「清貧の思想」はこう述べる。
『・・・。そんな現代技術の産物はもしかするとぜんぜん不用かもしれない、悪魔がわれわれの目を魂から逸らさせるために発明した目くらましかもしれない、とさえ考える必要があるように思われる。
少なくとも一度はそう疑って、もう一度、人が生きるためには一体何が必要で何が必要でないかを自分のために考えなければ、われわれはただ世間並みに流され、「一生は、雑事の小節にさへられて、空しく暮れ」てゆくだけだろうと思われる。』

「富の未来」文中最後をトフラーはこうまとめている。
『未来の経済と社会が姿をあらわしてきているので、個人も企業も組織も政府もすべて、過去のどの世代も経験しなかったほど急激な未来への旅に直面している。
何ともすさまじい時代に、われわれは生きているのである。』

どちらが正しいとか間違っているとか、いいとか悪いとかではない。
未来をどう描いて、個人個人がどう生きていくかが大切である。