南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

騒々しい終戦記念日

2006-08-15 22:32:19 | Weblog

終戦記念日に公約どおり小泉首相が靖国神社を参拝。
英霊たちはこれによる大騒ぎをどう感じているのだろう。

小泉首相の公約も判らないでもないが、これだけが公約ではないだろう。
マスコミも朝から晩まで騒ぎすぎ。
喜んでいるのは参拝者が大きく増えている当の「靖国神社」かも。
そもそも問題の本質は「東京裁判」に対する考え方にあるのではないか。
現在、靖国神社には、A級・B級・C級1,000人余の戦争裁判で亡くなった人々(いわゆる戦犯者)が合祀されている。
日本の占領が終わると、当時の国会は戦犯者についてこう結論付けた。
『戦勝国の一方的な戦争裁判によって裁かれた戦犯者は、日本が主権を喪失していた時期に日本の意思とは無関係に裁かれたものであるから、国内法上での犯罪者ではない。』

このことで「戦犯者」の遺族にも一般戦没者と同様に「遺族援護」されるようになる。
また、これによって「戦犯者」を合祀する道が開かれ、昭和34年に最初の合祀が、昭和53年に「A級戦犯者」も合祀される。
「戦犯者」の合祀は政府主導で行われてきたものであり、問題の本質は「東京裁判」の解釈にあることは間違いない。

しかし小泉首相は「東京裁判」を是とする立場で公式参拝に行くから話がややこしくなる。

「東京裁判」を是とするなら、問題を解決するひとつの手法に「分祀」がある。
実はこの「分祀」を求めている別の人々もいる。
第2次大戦で日本兵として戦った台湾や朝鮮出身の遺族たちだ。
しかし靖国神社は、いったん合祀した霊魂は一体不可分となるので一部霊魂のみを分祀することは出来ないとしている。
A級戦犯の分祀も同様の理由である。

いずれにしても心安らかに終戦記念日を迎えたい。
アメリカのアーリントン国立墓地を訪れたとき、多くの子供たちが訪れているのを見て感激した。
歴史を学ぶこと、国を守るため生命を捧げた人に感謝することなどを墓地を訪れて学習するために、教程に組み込まれていると聞く。
早く日本でも、そんな靖国参拝ができるようにしてもらいたい。