水車?用途不明の石組みも 淀城跡の石垣発見
京都新聞 2015年10月08日 11時45分


京都市伏見区淀の桂川河畔での発掘調査で7日までに見つかった淀城跡とみられる遺構では、石垣とともに曲輪(くるわ)の一部「内高嶋(うちたかしま)」の状況が明らかになった。古地図と同様の形をした池の跡からは当時の絵図の正確さが証明された。内部で確認された石組みはさまざまな用途を想像させ、城郭ファンの心をくすぐる。
淀藩士が描いた「山州淀御府内之図」(稲葉神社崇敬会蔵)の淀城の絵図では、天守の南西側の川べりに内高嶋がある。その中に描かれた逆L字型の池の形が今回出土した池の跡と一致した。絵図と照合すると、調査地のやや上流の川べりに水車があったと推定でき、周辺では水車小屋の遺構が出ることも考えられる。「川の中にある石垣を調査してみるのも面白い」(京都市埋蔵文化財研究所)と今後の調査への期待は高まる。
内高嶋内部では用途不明の石組みや地下排水溝の跡が見つかった。水車でくみ上げた水をためたり、汚れた水を川に流したりしたとも推定できる。水害が多い川べりのため、建物跡は確認できなかったが、瓦が出土していることから建物があった可能性は高い。
調査した市文化財保護課の鈴木久史さんは「内高嶋の確認で、復元の資料となる絵図の信憑(しんぴょう)性や淀城が描かれた数種類の絵図がそれぞれどんな視点で描かれたのかを検討できる。また、淀城の造営で河川側の景観をどのように意識して整備したのかが分かり、淀城全域の復元が可能となる」と話している。
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