区議会第4定例会で一般質問をやりました。前回の山田区長との『共産党宣言』論争に続いて、「19世紀末の『列強の時代』」(山田区長のブログに披瀝されている彼の現状認識)論争に引きずり込もうとしたのですが、ちょっと乗って来なかったな。一般質問は以下に全文掲載。
写真は、この季節恒例の杉並公会堂イルミネーション。
世界中を覆ってきた大恐慌は、日を追うごとにその激しさと深さを増しています。「景気回復の兆し」「回復基調に入った」との言説が流されています。日本の大資本も先の中間決算において、「予想以上の収益回復」などと発表していますが、その実態はどうでしょうか?
労働者への首切り・賃下げ・労働強化、そして生活破壊。資本と政治権力が一体となって、労働者へのすさまじいまでの攻撃をしかけてきています。アメリカの失業率はいよいよ10%を超え、日本の失業率も実態的には15%を超えるレベルとの報道もあり、EUにおいても事態は同じです。とりわけ青年労働者にとって状況は深刻で、世界中で青年・学生の怒りが爆発しはじめています。賃下げ攻撃も同様であり、労働者の平均賃金がいったい何年連続で下がり続けていることでしょうか。23区で働く自治体労働者に対しては、年間で平均18万3000円の賃下げが強制されています。
労働者への首切り・賃下げ、サービス残業をはじめとした過労死さえもたらす労働強化。それによって資本の延命が図られる。このように労働者から徹底的に収奪・搾取してもたらされる「資本の収益回復」「景気の回復基調」などに、いったい何の意味があるでしょうか。労働者を食べさせることができなくなった資本主義、青年労働者から将来・未来を奪う社会には、もはやその存続価値はありません。10年連続で毎年3万人以上が自殺に追い込まれる社会はまちがっています。資本主義を打倒して、社会の根本的な変革をかちとろう!11月1日に日比谷に結集した世界各地の労働者は、こう全世界の労働者へのアピールを発しました。
世界大恐慌の矛盾と犠牲を労働者、とりわけ青年労働者・学生に押しつける資本の凶暴な攻撃に対して、世界中の労働者・学生は渾身の闘いに決起しています。11月17日、欧州統一教育改革(ボローニャ・プロセス)反対、授業料無料化、奨学金増額を要求し、ドイツ・イタリア・フランス・オーストリア・スイス・ポーランド・ハンガリーなどで、学生の一斉ストライキと街頭デモが闘われています。ドイツでは、8万5000人の学生がこの行動に参加しています。11月18日、カリフォルニア大学では10のキャンパスすべてで、教職員削減と授業料値上げに反対して3日間のストライキに突入しています。この闘いには学生だけではなく、大学職員も連帯ストライキを打ちました。また、メキシコでは11月11日、中央電力会社清算にともなう4万5000人の解雇撤回を要求して、20万人のデモが組織されています。これは世界中の労働者・学生の闘いの、ほんの一例です。
ひるがえって日本の労働運動・学生運動の状況はどうか。最大の問題は、民主党政権を支えている最大の柱である連合が、日本労働者階級の怒りを捻じ曲げ、労働者の団結を破壊し、労働者階級の闘いを抑えつけているという事実です。民主党政権こそ世界大恐慌情勢=資本主義の回復不可能な危機の時代にあって、自民党政治に代わって資本主義の救済者として登場した政治勢力であり、労働者階級の闘いによって打倒されなければならない存在です。職場生産点で労働者の階級的団結を奪い返し、資本主義体制を擁護することのみをその歴史的使命としている連合支配を撃ち破ることこそ、現在の私たちに問われている歴史的課題です。
自民党政治に対する積年にわたる労働者人民の怒りで生み出された「8・30情勢」は、明らかに歴史の歯車を不可逆的に前に回しました。これは元には戻りません。労働者人民の立場は、この歴史の歯車をさらに前に回そう、資本主義社会を根底から打ち倒して労働者階級が主人公となる社会を建設しよう、ということでなければなりません。
1)区長の政治姿勢
さて、こうした政治情勢の中で、山田区長は「よい国つくろう!日本志民会議」の設立を主導し、政治委員会の委員長に就任したと伝えられています。その大会における山田区長の発言は、自民党もダメ、民主党もダメという問題意識から始められています。その発言を素材にして、区長の政治姿勢について質問します。
まず、山田区長は、「安易に国民の依存心を高める政策がとられたことで自立心が蝕まれている」という認識を示し、「日本人の精神が劣化している」と結論づけています。その例として定額給付金に対する労働者人民の反応をあげていますが、「安易に依存心を高める政策」ということで社会保障政策全般に対する敵意を隠そうともしていません。以前山田区長は私の質問に答える形で、「新自由主義と決めつけられても…」と述べていました。しかし、「豊かな者から奪って貧しい者に施していたら、社会は活性化しない」と再三発言しており、市場原理主義・競争原理主義でいけばうまくいくとするこうした考え方は、疑問の余地もなく新自由主義の経済思想です。それが破綻したことは、事実をもって明らにされたではありませんか。社会保障政策をもって労働者人民の生活を保障するようなことをするから精神が劣化するとするのは、きわめて尊大な大衆蔑視の思想ではありませんか。区長の見解を求めます。
さらに、「よい品をいかに安く提供するか」というテーマを政治にあてはめ、これまでの政治は「いかに安く」にまったく無関心であったという認識を示しています。そして、「世界中から富・人・企業・情報を集めてくる国にしなければならず、そのためには高い税金が障害である」旨の発言しています。減税自治体構想の真のねらいはここにあるのではないでしょうか。区長の見解を求めます。
先の定例会における私の一般質問に対して、山田区長は「『共産党宣言』の時代から時間が止まっているのではないか」と述べています。しかしある人から教えてもらったのですが、山田区長はみずからのブログで現在の時代状況について、「19世紀末からの『列強の時代』と似た状況である」と書き込んでいるそうです。まさに今の時代状況は、労働者階級の側から見れば『共産党宣言』そのものが求められる時代であり、帝国主義者の側から見れば「列強の時代」という帝国主義間争闘戦が激化している時代だということではないでしょうか。このような時代に「世界中から富・人・企業・情報を集めてくる国」をめざすという発想自体に、「おのれさえよければ…」とでも言うべききわめて狭小な国家主義の思想が露呈されています。
この項の最後に、山田区長は「日本には経済力や自分の国は自分で守るという気概がなく、世界から信頼を失っている」という認識を示し、「日本の過去に対して他人事を決め込む姿勢や、過去を他人事のように批判しているかぎり日本は再生しない」と発言しています。そもそもこの発言において、「自分の国は自分で守る」という軍事力を背景にしなければ成り立たない概念を提示しながら、「軍事力」という言葉を使っていないところにきわめてヌエ的な欺瞞が表現されています。そのうえで、「過去に対して他人事を決め込む」「過去を他人事のように批判」という文脈にある「他人事」には、いったいどのような意味が込められているのでしょうか。区長の見解を求めます。とりわけ、「過去を他人事のように批判する」とはどのような行為か、まったく理解できません。
2)地域図書館への指定管理者制度の導入
この問題については、第3回定例会―決算特別委員会においても様々なアプローチから反対意見が明らかにされました。議会への陳情署名も提出されていますし、図書館現場への情宣活動も行なわれています。民営化・民間委託化に関する矛盾の深刻さは、高円寺地域区民センターにおける委託事業者の倒産事件に端的に現われています。
その質疑の中でも繰り返し指摘してきたところですが、改めて区の見解を求めます。指定管理者に雇用される労働者の労働条件について、区としてチェックしていく考えはないのですか。指定管理者に雇用される労働者における司書比率については、確かに高くなっています。しかし、司書ないし司書補として雇用される労働者が1年契約の不安定な雇用条件であったり、850円程度の低い時給で雇用されていたりして、どうして専門職としての十分な能力・意欲の発揮ができるでしょうか。労働条件が一定充足されるためには、どうしても直営による図書館運営が不可欠となっています。
また、指定管理者から新たに考案した図書館サービスについて有料化の要請があった場合、区として有料サービスを容認することを強いられることになるのではないでしょうか。区としての見解を求めます。
そもそも図書館業務については法律によって根拠づけられており、図書の貸し出しやレファレンスについては無料とすることが義務づけられています。そうした業務から民間事業者が利益をあげようとすれば、人件費カット―賃金切り下げか人員削減によるしかありません。そうでなければ、図書館における新たな業務を考案して有料化するしかありません。
3)幼保一元施設について
この問題についても、先の議会でも多様な観点からの反対意見が出ています。先週も私のところにお子さんを連れた4人の保護者の方がおいでになり、区立幼稚園をそのまま存続させてほしいと訴えられていました。説明会ではなんとなくわかったような気になるのだが、帰ってからよく考えてみると納得できない点がいくつも湧いてくるとおっしゃっていました。区として何回も説明会を開いていると報告されていますが、課題の設定自体に保護者の方々を納得させられない問題性がはらまれているのではないでしょうか。これまでも賛否が激しく対立する課題は種々ありましたが、これほど保護者から多数の反対意見が出ているのは珍しい事例です。こうした事態の要因はなんだと認識していますか、区としての見解を求めます。
そもそも、想定されている区立子供園のような幼保一元施設にどのようなメリットがあると考えているのですか。また、デメリットについてはどう考えているか。区としての見解を求めます。
幼児教育の実施については重要だといったことは言われますが、どのような幼児教育であるのか、そのグランドデザインが明確に見えてこない現状にあります。そうしたなかでの幼保一元施設の設置=区立幼稚園の廃止には反対です。
幼保一元施設の設置の目的が、理念として明瞭にされていません。小中一貫教育について様々な矛盾が指摘されているにもかかわらず、さらにそれを拡大するいわゆる「幼小一貫教育」の導水路として企画されているのではありませんか。区としての見解を求めます。
杉並区においてモデル的に実施されている小中一貫教育について、全面化していく方針が出されています。しかし、小中一貫教育は9年間をとおして継続した教育プログラムを実施するところに意義があると説明されていながら、区立小学校から区立中学校に進学する児童数に従来とは異なった有意な変化が見られない状況にあります。結局はカリキュラムの前倒し的な早期教育、受験準備教育になっているのではないでしょうか。その結果は教育労働者の多忙化に拍車をかけ、子どもたちから伸びやかに育つ余裕を奪う結果になっているのが現実です。幼保一元施設の設置にはそもそもハード・ソフトの両面から無理があり、中止するべきです。(以上)
写真は、この季節恒例の杉並公会堂イルミネーション。
世界中を覆ってきた大恐慌は、日を追うごとにその激しさと深さを増しています。「景気回復の兆し」「回復基調に入った」との言説が流されています。日本の大資本も先の中間決算において、「予想以上の収益回復」などと発表していますが、その実態はどうでしょうか?
労働者への首切り・賃下げ・労働強化、そして生活破壊。資本と政治権力が一体となって、労働者へのすさまじいまでの攻撃をしかけてきています。アメリカの失業率はいよいよ10%を超え、日本の失業率も実態的には15%を超えるレベルとの報道もあり、EUにおいても事態は同じです。とりわけ青年労働者にとって状況は深刻で、世界中で青年・学生の怒りが爆発しはじめています。賃下げ攻撃も同様であり、労働者の平均賃金がいったい何年連続で下がり続けていることでしょうか。23区で働く自治体労働者に対しては、年間で平均18万3000円の賃下げが強制されています。
労働者への首切り・賃下げ、サービス残業をはじめとした過労死さえもたらす労働強化。それによって資本の延命が図られる。このように労働者から徹底的に収奪・搾取してもたらされる「資本の収益回復」「景気の回復基調」などに、いったい何の意味があるでしょうか。労働者を食べさせることができなくなった資本主義、青年労働者から将来・未来を奪う社会には、もはやその存続価値はありません。10年連続で毎年3万人以上が自殺に追い込まれる社会はまちがっています。資本主義を打倒して、社会の根本的な変革をかちとろう!11月1日に日比谷に結集した世界各地の労働者は、こう全世界の労働者へのアピールを発しました。
世界大恐慌の矛盾と犠牲を労働者、とりわけ青年労働者・学生に押しつける資本の凶暴な攻撃に対して、世界中の労働者・学生は渾身の闘いに決起しています。11月17日、欧州統一教育改革(ボローニャ・プロセス)反対、授業料無料化、奨学金増額を要求し、ドイツ・イタリア・フランス・オーストリア・スイス・ポーランド・ハンガリーなどで、学生の一斉ストライキと街頭デモが闘われています。ドイツでは、8万5000人の学生がこの行動に参加しています。11月18日、カリフォルニア大学では10のキャンパスすべてで、教職員削減と授業料値上げに反対して3日間のストライキに突入しています。この闘いには学生だけではなく、大学職員も連帯ストライキを打ちました。また、メキシコでは11月11日、中央電力会社清算にともなう4万5000人の解雇撤回を要求して、20万人のデモが組織されています。これは世界中の労働者・学生の闘いの、ほんの一例です。
ひるがえって日本の労働運動・学生運動の状況はどうか。最大の問題は、民主党政権を支えている最大の柱である連合が、日本労働者階級の怒りを捻じ曲げ、労働者の団結を破壊し、労働者階級の闘いを抑えつけているという事実です。民主党政権こそ世界大恐慌情勢=資本主義の回復不可能な危機の時代にあって、自民党政治に代わって資本主義の救済者として登場した政治勢力であり、労働者階級の闘いによって打倒されなければならない存在です。職場生産点で労働者の階級的団結を奪い返し、資本主義体制を擁護することのみをその歴史的使命としている連合支配を撃ち破ることこそ、現在の私たちに問われている歴史的課題です。
自民党政治に対する積年にわたる労働者人民の怒りで生み出された「8・30情勢」は、明らかに歴史の歯車を不可逆的に前に回しました。これは元には戻りません。労働者人民の立場は、この歴史の歯車をさらに前に回そう、資本主義社会を根底から打ち倒して労働者階級が主人公となる社会を建設しよう、ということでなければなりません。
1)区長の政治姿勢
さて、こうした政治情勢の中で、山田区長は「よい国つくろう!日本志民会議」の設立を主導し、政治委員会の委員長に就任したと伝えられています。その大会における山田区長の発言は、自民党もダメ、民主党もダメという問題意識から始められています。その発言を素材にして、区長の政治姿勢について質問します。
まず、山田区長は、「安易に国民の依存心を高める政策がとられたことで自立心が蝕まれている」という認識を示し、「日本人の精神が劣化している」と結論づけています。その例として定額給付金に対する労働者人民の反応をあげていますが、「安易に依存心を高める政策」ということで社会保障政策全般に対する敵意を隠そうともしていません。以前山田区長は私の質問に答える形で、「新自由主義と決めつけられても…」と述べていました。しかし、「豊かな者から奪って貧しい者に施していたら、社会は活性化しない」と再三発言しており、市場原理主義・競争原理主義でいけばうまくいくとするこうした考え方は、疑問の余地もなく新自由主義の経済思想です。それが破綻したことは、事実をもって明らにされたではありませんか。社会保障政策をもって労働者人民の生活を保障するようなことをするから精神が劣化するとするのは、きわめて尊大な大衆蔑視の思想ではありませんか。区長の見解を求めます。
さらに、「よい品をいかに安く提供するか」というテーマを政治にあてはめ、これまでの政治は「いかに安く」にまったく無関心であったという認識を示しています。そして、「世界中から富・人・企業・情報を集めてくる国にしなければならず、そのためには高い税金が障害である」旨の発言しています。減税自治体構想の真のねらいはここにあるのではないでしょうか。区長の見解を求めます。
先の定例会における私の一般質問に対して、山田区長は「『共産党宣言』の時代から時間が止まっているのではないか」と述べています。しかしある人から教えてもらったのですが、山田区長はみずからのブログで現在の時代状況について、「19世紀末からの『列強の時代』と似た状況である」と書き込んでいるそうです。まさに今の時代状況は、労働者階級の側から見れば『共産党宣言』そのものが求められる時代であり、帝国主義者の側から見れば「列強の時代」という帝国主義間争闘戦が激化している時代だということではないでしょうか。このような時代に「世界中から富・人・企業・情報を集めてくる国」をめざすという発想自体に、「おのれさえよければ…」とでも言うべききわめて狭小な国家主義の思想が露呈されています。
この項の最後に、山田区長は「日本には経済力や自分の国は自分で守るという気概がなく、世界から信頼を失っている」という認識を示し、「日本の過去に対して他人事を決め込む姿勢や、過去を他人事のように批判しているかぎり日本は再生しない」と発言しています。そもそもこの発言において、「自分の国は自分で守る」という軍事力を背景にしなければ成り立たない概念を提示しながら、「軍事力」という言葉を使っていないところにきわめてヌエ的な欺瞞が表現されています。そのうえで、「過去に対して他人事を決め込む」「過去を他人事のように批判」という文脈にある「他人事」には、いったいどのような意味が込められているのでしょうか。区長の見解を求めます。とりわけ、「過去を他人事のように批判する」とはどのような行為か、まったく理解できません。
2)地域図書館への指定管理者制度の導入
この問題については、第3回定例会―決算特別委員会においても様々なアプローチから反対意見が明らかにされました。議会への陳情署名も提出されていますし、図書館現場への情宣活動も行なわれています。民営化・民間委託化に関する矛盾の深刻さは、高円寺地域区民センターにおける委託事業者の倒産事件に端的に現われています。
その質疑の中でも繰り返し指摘してきたところですが、改めて区の見解を求めます。指定管理者に雇用される労働者の労働条件について、区としてチェックしていく考えはないのですか。指定管理者に雇用される労働者における司書比率については、確かに高くなっています。しかし、司書ないし司書補として雇用される労働者が1年契約の不安定な雇用条件であったり、850円程度の低い時給で雇用されていたりして、どうして専門職としての十分な能力・意欲の発揮ができるでしょうか。労働条件が一定充足されるためには、どうしても直営による図書館運営が不可欠となっています。
また、指定管理者から新たに考案した図書館サービスについて有料化の要請があった場合、区として有料サービスを容認することを強いられることになるのではないでしょうか。区としての見解を求めます。
そもそも図書館業務については法律によって根拠づけられており、図書の貸し出しやレファレンスについては無料とすることが義務づけられています。そうした業務から民間事業者が利益をあげようとすれば、人件費カット―賃金切り下げか人員削減によるしかありません。そうでなければ、図書館における新たな業務を考案して有料化するしかありません。
3)幼保一元施設について
この問題についても、先の議会でも多様な観点からの反対意見が出ています。先週も私のところにお子さんを連れた4人の保護者の方がおいでになり、区立幼稚園をそのまま存続させてほしいと訴えられていました。説明会ではなんとなくわかったような気になるのだが、帰ってからよく考えてみると納得できない点がいくつも湧いてくるとおっしゃっていました。区として何回も説明会を開いていると報告されていますが、課題の設定自体に保護者の方々を納得させられない問題性がはらまれているのではないでしょうか。これまでも賛否が激しく対立する課題は種々ありましたが、これほど保護者から多数の反対意見が出ているのは珍しい事例です。こうした事態の要因はなんだと認識していますか、区としての見解を求めます。
そもそも、想定されている区立子供園のような幼保一元施設にどのようなメリットがあると考えているのですか。また、デメリットについてはどう考えているか。区としての見解を求めます。
幼児教育の実施については重要だといったことは言われますが、どのような幼児教育であるのか、そのグランドデザインが明確に見えてこない現状にあります。そうしたなかでの幼保一元施設の設置=区立幼稚園の廃止には反対です。
幼保一元施設の設置の目的が、理念として明瞭にされていません。小中一貫教育について様々な矛盾が指摘されているにもかかわらず、さらにそれを拡大するいわゆる「幼小一貫教育」の導水路として企画されているのではありませんか。区としての見解を求めます。
杉並区においてモデル的に実施されている小中一貫教育について、全面化していく方針が出されています。しかし、小中一貫教育は9年間をとおして継続した教育プログラムを実施するところに意義があると説明されていながら、区立小学校から区立中学校に進学する児童数に従来とは異なった有意な変化が見られない状況にあります。結局はカリキュラムの前倒し的な早期教育、受験準備教育になっているのではないでしょうか。その結果は教育労働者の多忙化に拍車をかけ、子どもたちから伸びやかに育つ余裕を奪う結果になっているのが現実です。幼保一元施設の設置にはそもそもハード・ソフトの両面から無理があり、中止するべきです。(以上)