北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

ネルソン・マンデラ死去

2013年12月07日 | 日記
アパルトヘイト―黒人差別との闘いにおいて、ネルソン・マンデラが果たしてきた役割には大きなものがあり、それを否定するものではありません。しかし、彼が南アフリカの権力掌握に至る過程で掲げた、「白人支配を否定するとともに、黒人支配も否定する」という“和解”の論理は、きわめて政治的なものでしかありませんでした。
すなわち、経済構造そのものの根底からのひっくり返しを否定した社会建設路線は、圧倒的な経済的権力を維持した白人支配層の実質的な生き残りを容認しました。さらに、新自由主義の吹き荒れる中での国家政策として、徹底した民営化路線を導入してしまいます。確か、南アフリカの水道は完全に民営化されているはず。こうした民営化路線は、旧来の白人支配層の経済力をさらに強めました。逆に、アパルトヘイトから解放されたはずの黒人層の貧困化を、これまで以上に深刻なものとしています。格差はさらに拡大し、しかもそれが正当化される結果を生み出してしまいました。マンデラの生涯は、世界の階級闘争に大きな教訓を残しました。