「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(アゼルバイジャン)やっと終わりの見えてきたナゴルノカラバフ紛争<2023年9月

2023-09-25 19:05:15 | ロシアと周辺国

ナゴルノ・カラバフ戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E6%88%A6%E4%BA%89

旧ソ連時代に始まったナゴルノカラバフ紛争もやっと終わりが見えてきたようです。紛争が始まってから40年近くたっています。
旧ソ連の崩壊後の混乱から、アルメニア勢力のジェノサイドに近い残虐行為があり、その後のアルメニア勢力の領土拡張戦争。そしてアゼルバイジャンの領土回復戦争を経て
やっと、アルメニア政府の支援を失ったアルメニア武装勢力が武装解除に応じました。

分離派の武装解除開始、係争地ナゴルノカラバフ
2023年9月24日 10:59 発信地:シュシャ/アゼルバイジャン [ アゼルバイジャン アルメニア ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3482974?cx_part=top_category&cx_position=1

ここまでたどり着くのに、約40年です。

今回は、いい悪いは言いません。
あくまでこの問題は、アゼルバイジャンの国内問題です。全てはアゼルバイジャン国内で起こり、アゼルバイジャン国内で一定の終結を見ました。

アルメニアがこれまで武力介入できたのは、ロシアの全面的な支援があったからです。
ロシアが支援してきた理由は、南コーカサスに影響力を及ぼすためだと思います。

しかし、南コーカサスではトルコの影響力が大きいです。アルメニアを支援しているとトルコとバッテイングします。それがロシアがアルメニアから手を引く決断をした大きな理由だと思います。

トルコとの関係を悪くするだけでロシアがアルメニアを支援し続けるメリットは、ほとんどありません。

2020年ナゴルノ・カラバフ紛争
https://ja.wikipedia.org/wiki/2020%E5%B9%B4%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E7%B4%9B%E4%BA%89

この戦争では、アゼルバイジャンがアルメニア武装勢力の占領していた領土を回復したところで、ロシアの仲介で一旦停戦が成立しました。

この時点でロシアは、この問題から手を引くことを決めたと思います。
紛争の再発を防止するためにロシアが平和維持部隊を2000名駐留させていましたが、武力衝突を妨げるだけでアルメニア武装勢力に有利なようには、振舞いませんでした。

結果、今回アゼルバイジャンがテロとの戦いを名目にアルメニア武装勢力を攻撃しましたが、アルメニア本国は介入できずロシアは、民間人の保護をするだけでそれ以上は、何もしませんでした。

ロシアの仲介により、再び停戦が実現しましたが、アルメニア武装勢力に全面的武装放棄と反乱の中止を迫るものでアルメニア武装勢力には、非常に厳しいロシアの態度でした。

アルメニアの側もロシアに不満を募らせてアメリカ軍と軍事演習をするなど、反ロシア的な態度を取りました。ロシアとしても切り捨てやすかったと言えます。
懲罰でもあります。
「裏切者は切り捨てる」

結論は過激民族主義の行き過ぎたアルメニアの領土拡張戦争が、結果として破綻したと言えます。
アルメニアの味方はロシアだけです。
周辺にアルメニアを支持する国は、ありません。
軍事力で他国を侵略する国家を支持する国などあるはずは、ありません。
ロシアがウクライナに対して全くアルメニアと同じ侵略戦争をしているのは、歴史の皮肉と言うべきでしょう。

ともあれ、武装解除が進むことでこの地域では一応の平和は訪れます。
後は、アルメニア系住民の権利保護をどうするのか?
そして、アルメニア系住民の行ったジェノサイドやそれ以外の民族に行った迫害行為への報復を防ぐことです。
2000人のロシア兵は、その監視と一定の抑止力として機能することを期待したいと思います。

アゼルバイジャン自身は、ロシアと関係が悪いわけではありません。

皮肉にもロシア軍の駐留兵に秩序と治安の維持に貢献するよう期待しなければ、なりません。しかし、2000人のロシアの駐留部隊がいることは、武装解除されるアルメニアの過激派にとっては、不幸中の幸いかもしれません。

2023年9月21日 12:11
アゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフの紛争は一応の停戦になりました<2023年9月
https://smcb.jp/diaries/9136024

2023年9月20日 16:45
(アルメニア・アゼルバイジャン)再燃するナゴルノ・カラバフ問題<2023年9月
https://smcb.jp/diaries/9135520

2023年9月9日 14:36
調べるほどに分からなくなるコーカサス地方の歴史と今<2023年9月
https://smcb.jp/diaries/9128468



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