「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ニジェールの革命政権は、フランス軍撤退を「主権回復への一歩」とコメントしましたが?<2023年9月

2023-09-28 18:48:26 | アフリカと中東

仏軍撤退「主権回復への一歩」 ニジェール軍政が歓迎
2023年09月25日14時00分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023092500558&g=int

素直にコメントを読むと革命政権の認識では、これまでニジェールには限定された「主権」しかなかったことになります。

ワールド
2023年7月31日7:53 午後Updated 2ヶ月前
再送ニジェール、追放政権の2閣僚ら新たに拘束 大統領の動画公表
https://jp.reuters.com/article/niger-security-idJPKBN2ZB0O3
「バズム政権の鉱山相と石油相」
モハメド・バズム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8F%E3%83%A1%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%BA%E3%83%A0
ニジェール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB

フランスは、元モハメド・バズム大統領を正当な大統領だと主張しています。
しかし、ニジェールは軍政と民政を繰り返しておりそれほど民主主義が定着している国とも思えません。
軍が度々クーデターを起こしてその都度、民政に移行しています。軍がクーデターを起こすのは、大統領を強制的に排除するためだと思われます。
完全な軍事独裁の国でもないし、完全な民主主義の国でもありません。今回の軍事政権も3年以内の民政への移行を言っています。軍事独裁を続ける心算は、ないという意味だと思います。軍事クーデターの後、民政に移行するのがニジェールの政治の慣例になっていて、今回の軍事政権もそれを踏襲すると言うことであろうと思います。

すなると、果たして元モハメド・バズム大統領がニジェールを代表する大統領であった事がニジェール国民の総意であり希望であったのかどうかの疑問が生じます。

ニジェールには、世界3位のウラン鉱山がありニジェール最大の輸出品の輸出品になっています。そのためウラン価格の動向によりニジェール経済は大きく影響をうけます。
他には、東部で油田が発見され2014年には石油製品が総輸出額の25.9 %を占めて第2位の輸出品となったとあります。
ルキナファソの国境に近いリプタコ地方においては金が産出され、これも輸出されるとあります。

つまり、利権だらけの国です。それが生み出す富がニジェール国民のために使われていたのかどうかの疑問も当然起きます。

怪しいにおいがプンプンと、漂ってきます。フランスが絡んでその利権の富を、一部支配階級と分け合っていたらどうなります?
国民には、その恩恵は回りません。

軍事政権が、「主権回復への一歩」とコメントした意味がそこら辺にあるのかもしれません。フランス軍は、昔から駐留しているようです。イスラム過激派とのテロとの戦いのためではありません。
それ以前からいますから、普通に考えるならフランスの利権を守るためでしょう。

このように順を追って見ていくと、フランスはニジェールから鉱山利権で結構多めの利益を得ていたのではないか?との疑いが浮上してきます。

利権を守るためにいるフランス軍が、イスラム過激派と戦うわけがないと思います。

色々考えると、イスラム過激派との戦いに全く役に立たなかったフランス軍を追い出すために軍事クーデターを起こしたようにも見えます。

軍事政権は、アメリカに対しては何も言っていません。
『仏軍撤退で対応検討 ニジェール情勢巡り―米国防長官』
2023年09月26日14時14分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023092600626&g=int

アメリカは、イスラム過激派との戦いのために1100人のアメリカ兵を駐留させているのだろうと思います。アメリカがイスラム過激派との戦いのためにニジェールを支援し、ともに戦うのならニジェールの軍事政権が、アメリカ軍を追い出す必要は、ないことになります。

アメリカの現状認識とニジェールへの外交が問われるところだと思います。アメリカがニジェールを軍事的に支援しなければ、ニジェールはマリや中央アフリカのようにロシアに支援を求めると思います。

大国の影響力確保の動きとイスラム過激派との戦いが重なって、やはり本質が問われるところだと思います。ニジェールは、アメリカの対応次第ではマリや中央アフリカのようにロシアに支援を求めることはないと思います。

ニジェールの軍事政権の言った「主権回復への一歩」をアメリカが、どう受け止めるか?次第のように思います。これまでのフランスのように植民地支配的な事はしないで対等に国家としてニジェールと付き合うのなら、ニジェールは西側にとどまると思います。

※関連記事
2023年09月15日(金)14時40分
なぜイギリスは良くてフランスはダメなのか? 大地震でもモロッコが海外の救助隊を拒む理由
https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2023/09/post-181.php



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