「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

フランスが二ジェールから撤退を迫られた背景<2023年9月

2023-09-28 18:47:02 | アフリカと中東

ニジェールのクーデター政権、3年以内の民政移管を約束、地域共同体は拒否
2023年8月21日
https://www.bbc.com/japanese/66899790

フランス、ニジェール駐留部隊を年内に撤収 大使も帰国
2023年9月25日
https://www.bbc.com/japanese/66899790

8月にニジェールで軍事クーデターが起きて軍事政権が誕生しました。
フランス大使は軍事政権から国外退去を通告されました。フランスは、軍事政権は正当性がないという名目で大使の召還はせず、フランス大使はニジェールのフランス大使館に籠城していました。大使館周辺は、ニジェールの警察に封鎖されたからです。食料の配達すらできずにフランス大使館員は大使以下全員、保存食を食べて文字通り籠城していました。

軍事政権は、それ以上は手荒なことをせずに日干し作戦に出ました。1500人規模のフランス軍がニジェールに駐留しているために軍事衝突を避けたものと思われます。

ついにフランス政府も軍事政権の日干し作戦に音を上げて撤退を決めたようです。

『フランスが支援する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、バズム氏を復権させるため、ニジェールに軍事介入する可能性があると警告している。』

フランス政府の息のかかった西アフリカ諸国経済共同体を使って軍事介入をほのめかして脅しましたが、逆にマリとブルキナファソがニジェールに外国軍が侵入した場合は、共同で派兵してニジェールを防衛する!と、逆脅しをかけられました。西アフリカ諸国経済共同体の国々は、戦争覚悟でニジェールに軍事介入する気はないと思います。やっても、ニジェールやマリとブルキナファソの恨みを買い将来的な地域の紛争の種になるに決まっているからです。

こうしてフランスの手先とも言える西アフリカ諸国経済共同体の国々が動かないので、フランスも打つ手がなくなり已む無く撤退を決したという流れです。

まあ、普通そうですよね。革命政権が誕生して、出ていけ!と言われているんだから退去するしかありません。

ここ数年のうちにフランスの旧植民地国家では軍事クーデターが続発しています。
「ニジェールのほか、マリやギニア、チャド、ブルキナファソ、直近ではガボン」
主張は共通していて、フランス・ボイコット!フランス出ていけ!です。

どうしてフランスは、これらの国々から嫌われ追放されるのか?

普通に考えるなら、これら旧フランス植民地であった国々に良からぬ外交をしていたからでしょうね?良いことをしていたら、「出ていけ!」にはならないと思います。

果たしてフランスが陰で糸を引いていたと思われる民主的な国家とされていた国々が、本当にそうであったのかは、疑わしい部分があります。
ニジェール国民は、「フランスがニジェールを搾取するから自分たちは貧しい」と考えているようです。

そのような隠れた搾取構造が、あったのではないか?との疑いが浮上します。

それ以外にも中央アフリカの国々には、喫緊の重大問題があります。イスラム過激派の侵略です。シリアやイラクで暴れまわっていたイスラム過激派がこの地域を侵略しつつあります。欧米諸国があれほど苦労してシリア・イラクから追い払いました。

それを中央アフリカの貧しい国々が行うのは資金面を考えても困難だと思います。フランスはアメリカなどと共同で派兵してテロとの戦いを行っていたことになっています。
しかし、大したことはしなかったようでマリからは追放されています。今回、ニジェールからも追放されます。

しかし、フランス以外には追放された国はありません。フランスだけが、なぜか追放されます。そこには、何か理由があると思います。

ニジェールの場合は、非常に分かりやすいです。
『ニジェール EU最大の原発ウラン供給元 フランス採掘にクーデターが暗雲』
2023/7/31 19:18
https://www.sankei.com/article/20230731-VZHWBDJATZLKLOPMWKZ7O3ISJY/
ウラン鉱山利権を持ち、ウランを採掘してきました。この過程や利益の分配が、果たして正当で妥当なものであったのかどうか?

他にも旧フランス植民地であった国々で似たような事があったのではないか?

これほどフランスが嫌い抜かれれば、やはり疑いの目を向けられても仕方ないですね?
身が潔白であるのなら、フランスが自分で晴らすしかありません。

そしてマリでは、イスラム過激派との戦いのために外国の援助が必要です。単独では戦えないからです。
フランスがろくなものでなければ、ロシアであっても全然構わないわけです。
だからロシアに頼る国もあります。ロシアが現地に派遣しているのは、ワグネルです。ワグネルが勝手にこんなところに来ているわけではありません。ロシア政府の現地での(ややダーテイな)仕事を代行しているだけです。
ただし、プリゴジン氏は某氏に上納金を払って何やら怪しげな副業もやっていたようです。

ワグネルが行儀が良いとは言いません。しかし、欧米のメデイアからは、ワグネルの残虐行為や悪行ばかり聞こえてきます。

よく考えてください?
相手にしているのは、イスラム過激主義者です。この連中がシリア・イラクでやったことは、ニュースで伝えられた通りです。同じことを中央アフリカでもやっていると思います。そういう残虐で無法な連中と戦うなら、多少のことはあるでしょう?
ワグネルも悪いかもしれませんが、イスラム過激主義者はそれ以上に悪いと思います。
シリアやイラクで戦ったように欧米諸国は、中央アフリカのイスラム過激主義者と戦っているのか?
さっぱりイスラム過激主義者を鎮圧できない様子です。まじめにやっているのかは、疑わしいですね。フランス軍なんか、現地軍の陰に隠れて逃げているんじゃないのか?

ワグネルは武器援助をして軍事教練を施して、必要なら一緒に戦います。

フランス軍とワグネルと、どっちが対テロ戦争で役に立ったかの問題もあります。フランス軍が役に立たなければワグネルにするでしょう。ワグネル=ロシアですから。

このような様々なことを、ごっちゃにして胡麻化して欧米の都合の良いニュースが流れているような気がします。

だから、これは個人的見解にすぎませんが・・・
ニュースを読んでいる限りでは(そのニュースが欧米よりであろうとです・・)
一番悪いのは?
フランスでないのか?
と、思えてしまいます。
もちろん、私の誤解かもしれませんが?



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