私がはじめて、その少女を見たのは、3月も終わりの、ある暖かな午後のことでした。 少女は天使のように、お花畑の中にしゃがんでいました。 私は、しばらく少女から目が離せませんでした。 少女は花をいじくっていました。 私は少女に近づいていきました。 少女はお花をいじり続けていました。 そして私は爽やかなスポーツマンの笑顔で言いました。 すると少女は勢い良く立ち上がり、いじっていたお花を引き抜くと、こう言いました。
私は何て時代になったんだと、この世を嘆き泣きました。 この世は腐っているぅぅぅ! そして少女を監禁する予定だった私の家の地下室で詩を書きました。 ああモラルはどこに、目上の者を敬わぬか、ふぇんふぇんふぇ~ん。 |
↓
↓
↓
↓
↓
↓
街で見かけた小さな暴力。 |
あたたかい家を出た。 冷たい街に出た。 冷たい炎を感じた。 オブラーゼで美化されてるな。 だまされないぞ。 頭の中でデモンが、つぶやいた。 書店の雑誌部に群がる、 沈黙の人々。 お花畑の可憐な少女。
悪意の雨。 黒い傘の花が、街に咲く。 |