学生の方から、よく法令違憲・適用違憲(処分違憲)、
法令審査・処分審査の概念について、ご質問を受けるので、
それに関して、まとめておきます。
(詳細は、拙著『憲法の急所』第二章参照)
そういえば、安念先生も法学セミナー679号で宍戸先生のご著書を書評する中で
「処分違憲」なんて事態がありうるのか?という問題提起をされていましたね。
私の考えでは、
違憲範囲を画定する段階で、
「その処分は違憲である
(から、その法令のその処分を基礎づける部分は違憲だ)」
という<評価>を示すことはあっても、
違憲範囲の除去方法として、
「処分違憲」という<処理>をすることはあり得ません。
ここは、おいおい解説いたしまする。
さて、憲法訴訟での判断というのは、大まかにわけて、
次の三段階を踏みます。
第一段階 違憲範囲の画定
例 この法令のうち、これこれの処分を基礎づけている部分は違憲だ。
第二段階 違憲範囲の除去
例 だから、この法令は、これこれの処分を基礎づけないよう
合憲限定解釈すべきだ。
第三段階 違憲範囲の除去を前提とした当該事案の処理
例 そうした解釈を前提とすると、
この処分を基礎づける法律の根拠はなく、
この処分は違法、ないし法律の留保原理に反する。
日本やアメリカの裁判所のように付随的審査をする場合には、
第三段階までやってその事案を処理します。
他方、ドイツの憲法裁判所のような抽象的審査をする場合には、
第二段階までで議論は終わりです。
さてさて、それぞれの段階は、全く別次元なので
それぞれの段階での概念、議論はしっかり区別しましょう。
先走り的に述べておきますと、
法令審査、処分審査(適用審査)などなど、
「なになに審査」というのは、第一段階で使う
違憲範囲の画定方法の名前です。
これに対し、
法令違憲、処分違憲、合憲限定解釈、適用違憲、運用違憲
可分な意味の一部違憲などなど、「なになに違憲」というのは、
第二段階で使う違憲範囲の除去方法を意味します。
まず、ここをしっかりおさえてください。
法令違憲と法令審査、などを混同してはいけませぬぞ。
ではでは、次回は、第一段階 違憲範囲の画定 についてお話しします。
法令審査・処分審査の概念について、ご質問を受けるので、
それに関して、まとめておきます。
(詳細は、拙著『憲法の急所』第二章参照)
そういえば、安念先生も法学セミナー679号で宍戸先生のご著書を書評する中で
「処分違憲」なんて事態がありうるのか?という問題提起をされていましたね。
私の考えでは、
違憲範囲を画定する段階で、
「その処分は違憲である
(から、その法令のその処分を基礎づける部分は違憲だ)」
という<評価>を示すことはあっても、
違憲範囲の除去方法として、
「処分違憲」という<処理>をすることはあり得ません。
ここは、おいおい解説いたしまする。
さて、憲法訴訟での判断というのは、大まかにわけて、
次の三段階を踏みます。
第一段階 違憲範囲の画定
例 この法令のうち、これこれの処分を基礎づけている部分は違憲だ。
第二段階 違憲範囲の除去
例 だから、この法令は、これこれの処分を基礎づけないよう
合憲限定解釈すべきだ。
第三段階 違憲範囲の除去を前提とした当該事案の処理
例 そうした解釈を前提とすると、
この処分を基礎づける法律の根拠はなく、
この処分は違法、ないし法律の留保原理に反する。
日本やアメリカの裁判所のように付随的審査をする場合には、
第三段階までやってその事案を処理します。
他方、ドイツの憲法裁判所のような抽象的審査をする場合には、
第二段階までで議論は終わりです。
さてさて、それぞれの段階は、全く別次元なので
それぞれの段階での概念、議論はしっかり区別しましょう。
先走り的に述べておきますと、
法令審査、処分審査(適用審査)などなど、
「なになに審査」というのは、第一段階で使う
違憲範囲の画定方法の名前です。
これに対し、
法令違憲、処分違憲、合憲限定解釈、適用違憲、運用違憲
可分な意味の一部違憲などなど、「なになに違憲」というのは、
第二段階で使う違憲範囲の除去方法を意味します。
まず、ここをしっかりおさえてください。
法令違憲と法令審査、などを混同してはいけませぬぞ。
ではでは、次回は、第一段階 違憲範囲の画定 についてお話しします。
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