私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

英国のEU離脱、EUが求めた地域の平和と安定は、これからどうなるでしょうか。日本における賃金格差、構造改革を考える。

2016年06月25日 | 国際協調

 

山県市三光寺のアジサイ 

英国の国民投票で、欧州連合(EU)離脱派が勝利したことは、欧州諸国28か国が主権の一部を手放して結集した平和と安定の理想社会から英国は離脱し、主権を取り戻し、自由な経済獲得と移民を阻止することになるのです。

働きやすい理想社会であるEUに集まって来た移民が増えすぎて、福祉や医療は、イギリス国民にサービスが行き届かなくなりました。農・漁業者には仕事がなく、金がない。移民がこれをみんな奪っていき、失業率も3割を超えてしまいました。

高齢者、低所得者の離脱派は、国民投票で「EUから実権を取り戻す。」と主張しました。

これに対し、好景気と多文化主義を謳歌していた若者、高所得者、高学歴者の残留派は、離脱がもたらす経済的な打撃を前面に専門家の試算を援用して離脱は「英国の損失」だと反対しました。

政治・経済エリートの残留説得は、両派の僅差での争いには、逆効果であったようです。

英国のAU離脱国民投票を参考に日本の参院選を見て行きましょう。

安倍政権は、参院選に成果を出している「アベノミクスの継続」を公約にしている。首相は成果として有効求人倍率は24年ぶりの高い水準にあるとしています。

首相が成果として上げている有効求人倍率は、若者不足で123店舗が店員を募集しても集まらない状況では、好景気といえる状況ではありません。消費が停滞していて、アベノミクスが成果上げているデータがないことが分かります。

アベノミクスの狙いは、経済をデフレから脱却させることです。「第1の矢」で日銀の金融緩和で大量の資金が出回り円安が進んで、株価が上昇しました。「第2の矢」で公共事業を増やし、「第3の矢」で法人税減税を進めました。

この結果はどうですか。恩恵は大企業止まり。円安で物価が上昇し、賃金は上がらず、国民の負担は重くなり消費は冷え込みました。この間、アベノミクスの成果がないのに、企業を優遇して国の借金だけは膨らみました。

「新第3の矢」を参院選に公約にするには、過去の3本の矢について、国家予算を検証する必要があります。政府はアベノミクスで税収が21兆円増えたと自慢しますが、消費税分を除けば13兆円に過ぎません。政府の財政運営は杜撰で信用が置けません。

アベノミクスの成果がないのに国の借金が増えています。この借金は、若者が将来負担することになります。法人税減税をして、アベノミクスで企業だけを優遇するのでは、国民は納得できません。

「新3本の矢」を公約する前の通常国会において、政府は消費税増税を、2年半延期しています。国民の年金、保育施設や介護職員の待遇改善などの社会保障制度の財源はどう確保するのか全く分かりません。

財源不明のまま参院選を迎える政府は、国民、特に高齢者、低所得者、将来のある若者に対して無責任だと言うほかありません。

大きな問題は、世界中の長期間の景気停滞です。資本主義は欲望が飽和し、収益の上がる投資先が無くなっています。経済学者ケインズは「資本主義の終焉」としています。

前回のブログ投稿の通り、世界の中の富は世界の人口の3%の人に集まっています。資本主義国の経済の成長政策は3%の富める人の富を増やすだけです。

日本やEUでも、格差を無くす政策が緊急に必要です。

今一つは、米国の大統領選挙でのサンダース候補とトランプ候補の主張や、EU離脱の英国で起きた移民の流入で、賃金格差に立ち向かい、不公正を糺そうとする民衆からのうねりです。

国の成長力の衰えはこの先、遅かれ早かれ先進国に共通の現実です。

日本で大きいのは高齢化です。豊かさ故に国民は長寿になります。それによって働く人口割合が減り、消費の担い手が劣勢となれば、新たな需要は生まれず、経済成長が行き詰まります。

国は高齢化で税収が減る半面、社会福祉などの負担が重くなります。次世代への借金は膨らむ一方です。

日本政府のように何とか需要を生み出そうと金融政策ばかりに頼れば、市場で富の偏在を招いて、格差を広げて行きます。

伊勢志摩サミットで、世界の中の現状を「積極的な財政出動」よりも「経済危機の再発を防ぐため構造改革、金融政策」を組み合わせるとしたのはドイツ、フランス、英国でした。

情けないことにサミットの議長国の安倍首相は、G7の90年代の古い先進国の首相でした。日本将来の生活を考えるのではなく、参院選を勝ちたいだけの自民党党首でした。

いま日本に必要なことは、成長がなくとも、仕事があって、普通に食べて行ける社会であることが保証されれば「国の老い方」を目標に、切り替えて平和に暮らせます。

どの国も、老人ばかり増えた日本を攻めて来たり、金や資源を奪うことはしません。     武器や戦力は余分には要りません。

日本は、峠を超えて下り坂にいます。欧米と競い合ってきた戦前の日本ではあにません。

小さな国に1億2千万人住んでいますが、資源のない国はどこからも攻めて来られることはありません。たそがれても平和と安定で輝いていたいと思います。

老いても、日本だけ幸せに生活しようとは考えていません。

世界の中の火種だけは、無くさないといけません。

シリア難民の受け入れ、EUができてから欧州は、大国間の交流が自由となって、国同士の争いが無くなり安定が続いています。

欧州諸国では、若者の往来が活発になり、互いの習慣や文化への理解が進むようになりました。

欧州共同体(EU)はイギリスを諭して、残す努力をすべきです。

世界では、民族主義の台頭はあるでしょうが、台頭する背景と原因を共有して、寛容の精神で宗教の自由と民主主義を大切にすることです。

そうすれば、日本人のように平和に暮らして行けることを世界に示しましょう。

日本国憲法は、世界に類のない、誇ることのできる憲法です。

この様な憲法は、日本人戦没者310万人と米、中国、比島らの犠牲の上に、日米だけでなく、連合国が加わって作成されたのです。

憲法は、不都合な細かなところであっても、絶対改正すべきではありません。

どうしても外国に行って戦争をしたい人は、日本にはいないとおもいますが、集団的自衛権の行使を可能にしたのは安倍政権です。

日本国憲法第9条を守れないなら、外国へ出て行って軍隊を作ればよいと思います。

蘇生

 

 

 

 



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